1.『シルバー・サドル 新・復讐の用心棒』と相前後して、どうもジェンマに愛想がない。本作なんかも寡黙な役どころで、どっちかというとフランコ・ネロとかに演って欲しいタイプの主人公です。まあ、ジェンマのマカロニ・キャリアも終盤に入って、年相応の役、ではありますが。
その代わり、彼の相棒となる若造がなかなかの美青年で、コチラの方が女性受けはよろしいのではないか、と勝手に想像しつつ。
舞台は南北戦争後のアメリカ。北軍とつるんだ悪徳賞金稼ぎが、南軍兵士にかけられたでっち上げの懸賞金を目当てに、彼らをつけ狙う。という訳で、ついにジェンマの怒りが爆発する復讐劇、ではあるのですが、イロイロと事件が起きるもんで、これはいったい誰の復讐を誰に対して行う物語なんだろう、と、やや焦点がボケ気味の印象も。いや、いいじゃないですか、怒りの要素は多ければ多い程、いいのです。
ところどころのシーンでカメラに逆光を取り入れたりするのが、なんだか小賢しく感じられ、無理にそんな気取らなくてもいいのに、とか思っちゃうけれど、映画自体は面白くって、だんだんそんな事、気にならなくなってくる。という時点で、技法としては失敗、ということにもなりますが。ま、これも、いいじゃないですか。
終盤の敵との駆け引きも、本作のユニークなところ。
はい、正直、オモシロかったです。