98.毎週テレビで楽しみにしていた999も、この劇場版も見たのは小学生の時。その後1度くらいはテレビで再見しているかもしれない。
実は記憶がかなりあやふやな状態での今回の再見でした。最後に見てから30年以上は確実に経過しているのですが、
始まった瞬間から、登場人物や地名、星の名前が登場する度に、あやふやだったはずの記憶がつなぎ合わされ鮮明に蘇る。
最初の星タイタンに999が到着する。そこで出会うおばあさんが誰の母なのか?次に登場する山賊の親分の運命は?
子どもの頃の記憶が実に鮮明に蘇り、懐かしさでいっぱいであると共にそこには新たな感動も。
限りある一度きりの命の尊さ。男とは何か。星野鉄郎を通して、松本零士さんが見る者に訴え、問いかけているかのようです。
鉄郎、メーテル、クレア。エメラルダスとトチロー。そしてハーロックにアンタレス。
子どもにとっては勿論なこと、大人になって再見しても十分に堪能できる絡み合うロマンスと友情の物語としても見事です。
壮大な宇宙を舞台にしたSFであると共に西部劇を思わせるようなテイストもたまりません。
テレビでは1つの星で1話(だったと思う)と比べると足早な感はありますが、
限りある命と永遠の命。1つ1つの星での出会いや経験を経て少年はどちらを選ぶのか。
一本の映画としてそれが実にテンポ良く描かれています。
そして美しくミステリアスなメーテル(池田昌子さんの声も含めて)の存在があればこその999でもあると思います。
アニメ史上に燦然と輝く金字塔。迷わず10点満点とさせていただきます。