83.おそらく同時期に上映されていたほかの作品と混同していたんだけど、中世あたりの人狼伝説か何かをもとにしたホラー映画だと思い込んでいた。
でもポスターのビジュアルが強烈に印象に残っていたので今回遅まきながら視聴。
そしたら全然違った。
舞台となるのは2月革命のころのパリ。
といってもパラレルワールドのパリだな。
謎を追いかけるミステリー作品でヴィドックは探偵の名前。
ところが物語の序盤でこの探偵は死んだとされており、炉の語の展開は探偵ヴィドックの最後の消息を伝記執筆を依頼されたと称する作家がたどっていく物語となる。
実はヴィドックは当時起きていた連続殺人事件の犯人を追っていたらしいのだ。
果たして事件の真相とは……。
最期に意外な犯人が発覚する。
途中いくつも手掛かりが提示されるからフェアといえばフェア。
でもスピリチュアルな要素を多分に含むストーリーなのでまともに推理する気もなく見ていた。
あんまりびっくりはしなかったな。ああ、そうなのかっていう感じ。
ビジュアルはとても興味深かった。
物語の展開も世界観もそれぞれのカットの構図も極彩色の劇画をパラパラとみているような感じ。
特に原作があるとは断っていないが、これはフランス流劇画バンドデシネの世界観をそのまま映画に置き換えた作品だと思う。
お話の内容が漫画的でやや幼稚で中二病的なのも、そう考えれば許される。
途中たびたび登場する不要と思われるインサートカットをなくしてもう少し短い上映時間にした方がよかったんじゃないかな。