25.福岡県苅田町から殺人事件が始まるのですが、個人的に一時期仕事の都合で苅田町に頻繁に出張していたので、とても懐かしい気分になりました。苅田町から北九州市にかけてはセメントの一大産地で、入江の対岸に石灰石が露出した山が見える特徴的な風景を思い出しました。その後、主人公は、指名手配を受けての逃亡中に、浜松、雑司ヶ谷と転々としつつ殺人を重ねるのですが、いちいち景色が「昭和」で、個人的には非常に楽しめました。ただ、作品の中身は、タイトル負けしてると思いました。主人公の殺人へのハードルが低過ぎて、逆に、犯人の心の闇がほとんど感じられず、なかなか共感するフックが見当たらないのですよね。詐欺師がターゲットを見定めて、関係を深めていく経過は、別につまらないこともないのですが、そうこうしているうちに、序盤は突発的に殺人行為に走り、後半は、いつの間にか相手が死体になっちゃってて、犯人の心の内面が変化するような過程が全く描かれないのですよね。そもそも被害者は復讐されるようなことは何もしてないので、あえて解釈するなら、クリスチャンの父親に対する復讐となりますが、赤の他人を殺すことには結びつかず、なんだか中途半端で、よくわからないまま終わってしまったなという印象です。 【camuson】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-02-07 19:33:13) (良:1票) |
《改行表示》24.ワンカットで見せる殺人シーン、湯気が立ちそうな濡れ場、リアルな中にフッと紛れ込むメルヘンチックな映像 そして倍賞美津子演じる嫁さんのセリフ 「お義父さんの口のまわりのヨダレば、全て私が舐めとりますけん。」 監督、もう満腹です。ごちそうさまでした。少しでも和むシーンがあれば10点だったんですけど、ごめんなさい。 【代書屋】さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-03-12 16:55:20) |
《改行表示》23.改めて緒形拳という役者の凄みを感じる映画。 すげーな、やっぱり。 素人の私が言うのもなんだが、こんな役者、もう出ないのかな。 そして小川真由美。 なんだよ、なんでそんなに色っぽくてはかなげなんだよ。 倍賞美津子の強さとは対照的で、余計に切なさが増す。 それを殺す緒形拳の狂気。 この当時の役者って、本物なんだよね。 いや、素人の私にはそんなこと言う資格がないのは重々承知で。 |
22.緒形拳はもちろんだけど、みなさんいい演技をされているし、何より女性陣の色っぽさが凄い。残念なのは親子関係と復讐の不可解なところ。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 6点(2019-12-08 00:38:31) |
《改行表示》21.簡単に人を騙し、人を殺す理由が、最後までわかりませんでした。「かつてこういう狂人が実在した」と言いたいだけだとしたら、ちょっと突っ込み不足かなと。緒形拳は熱演でしたが、犯罪者が持つ“狂気”のようなものは今ひとつ伝わらず。主人公の心理を測りかねたまま、形だけ模倣しているという感じです。あれだけ逃げ回っていたのに、どうして逮捕されたかも描かれず。というわけで、私にはいささか消化不良な作品でした。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 4点(2015-01-10 11:00:25) |
20.描かれる交尾の如き交わり並びに人間模様はこの監督特有。服着てサウナに入っているが如き不快さが堪らない。復讐を果したい実父に指一本触れられ無い代わりに赤の他人を騙して殺害する息子。最期の対峙の息苦しさが堪らない。復讐は人ではなく神様がする事と言いますが、実話だけにご遺族の胸中を察するとやるせなさが堪らない。 |
《改行表示》19.苦手なタイプの邦画に特有の要素をしっかり感じてしまう映画。 この湿気のある暗さが好きになれない。 緒方拳と三国連太郎の面会での対峙は緊迫感があふれているが、それまでに中弛みがあって長く感じた。 【飛鳥】さん [地上波(邦画)] 4点(2013-08-08 23:49:29) |
《改行表示》18.犯罪実録ドラマとしては、理屈抜きで圧倒的に面白い作品。 主人公の緒形拳とその父親役の三國連太郎はもちろん、脇役にもいぶし銀の役者さんを揃え、 手に汗を握るような迫力のある演技を見せてくれる。欠点を挙げれば映像がやや暗いことと、 なぜ彼が殺人鬼と化したのか、人間描写が浅く、主人公の狂気ばかりが目立ってしまう所か。 悪魔の申し子なのか、環境が彼を変えたのか、人間ドラマとしての物足りなさはあるが、 とにもかくにも一人の人間の生き様を垣間見たという点では、見応えのある作品だった。 【MAHITO】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2012-07-29 08:27:26) |
《改行表示》17.実録物なんですね。時代の空気間が良く出ていて今見ても新鮮ですね。女優さんはバンバン脱ぐし、風景もきれいだし役者も熱演なので点数高いです。ただ家族がどうあれ社会がどうあれ罪は罪です。基本的に私はこういう犯罪ものでお金儲けをするのは好きではありません。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-24 21:58:56) |
《改行表示》16.緒方拳の悪人役はいつみてもぶっ飛んでいる。 狂気そのもの。 この演技を出来る俳優は今の日本には絶対にいない。 内容は今村監督らしく、どろどろ、どろどろと人間を描いている。 そのどろどろ具合がたまらなく感じる作品じゃないかな。 【タックスマン4】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-09 01:27:51) |
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15.え!これって実話ものなんや!!!!!!強烈やなあ! 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-12-19 20:44:13) |
14.緒形拳追悼番組で改めて観ました。実際にあった事件ということもあり、緒形の迫真の演技で前半は緊迫感があり良かったです。ただ、後半は時間軸がはっきりせず、ダラダラとした感じがしました。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-10-25 07:52:06) |
13.いわゆる「面白かったあ」というのとは違いますが映像の前に釘付けにされた2時間ちょっとの密度の高さはやっぱり面白かったということなのでしょう。別にこれで何か心に訴えかけてきたとか感動したとか人間の複雑さを痛感したとかそういう感傷は一切ないのですが、殺人鬼榎津とその周辺の人間像を徹底的にリアリティをもってつきつけられることで確実に鑑賞中は異空間の中に身を置く事ができます。そういう意味で極めて映画らしい映画かなあと。 【Sean】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-08-06 15:23:15) |
12.人間の醜悪な部分を徹底的に描いてみせていたと思う。序盤の殺しのシーンで、殺される人たちの最期の抵抗が間抜けに見えたのが気になっていたが、最後まで観て妙に納得してしまった。人々の良心の欠如が巌を殺人鬼に仕立て上げていたように感じられたから。最期に何度も繰り返されるストップ・モーションでは、そのことを僕自身が突きつけてられているようでぞっとした。 【クルシマ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-01 01:45:50) |
《改行表示》【michell】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-07-08 23:34:12) |
10.割と秀逸なタイトルなので、アクション映画的なものを期待していたが、想像していたものとは全く異なる内容だった。従来とは異なり、殺人鬼の視点から実在の事件を描くという発想は、さすが巨匠・今村昌平であるといえる。ただ、だからといって面白いかと言われると若干の疑問は残る。緒形拳の熱演が光る本作ではあるが、最終的に爽快感が生まれるわけではなく、中途半端な部分で物語が終わるので(まぁ、それも狙いではあるとは思うが)、個人的にはやはり消化不良ではあった。とはいえ、劇中、テロップで状況説明をする箇所は、緊張感を増す演出として好感は持てるとは思う。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-05-28 00:00:35) |
9.今村昌平、緒方拳のネームバリューと、秀逸なタイトルに期待をかけ、予備知識なく試写会の招待状を手に会場へ向かったものでした。激しい銃撃戦、息詰まるようなクライムサスペンス、を勝手にイメージしていましたが、全くの勘違いでした。じっくり、ねっとりと緒方拳演じる連続殺人犯を描いています。脇を固める役者達も良いです。観賞後のカタルシスに欠け、傑作か、と言われるとそうでもない部分もあるのですが、心に残る映像が多々あります。 実話ベースであることが何よりも重いですね。 【ジャッカルの目】さん [試写会(邦画)] 6点(2007-01-07 09:51:21) |
8.だから、いちいちタンスやら押し入れやらに死体隠すのやめいっちゅーに。榎津巌さん。^^ 【3737】さん 5点(2004-05-09 16:07:12) |
7.緒形拳の怪演が光る。ラストシーンがちょっとあっけないのでこの点数かな。濡れ場が多すぎ…。 |
6.緒形拳、三国連太郎の競演。緒形拳は、こういうエキセントリックな狂人の役を実にリアルに演じる。三国は、狂人になるともののけ化するが、この登場人物のような、一般人だが煩悩が体のあちこちからぷすぷすと吹き出てくる役をやらせると実に味がある。この二人で面白くないはずがないのだが、むしろ脇役人の小川真由美、清川虹子、ミヤコ蝶々に拍手を送りたい。戦後の混乱の中で、人生のちょっとしたほころびが思わぬ方向に展開し、多くの人の人生を血塗っていく、そして、本人も親も止めることができない。こういう人生の綾というものをリアルに描くことができたのは、この脇役陣の演技の力によって、舞台設定がしっかり形作られている点が大きい。特に、今では悪女のイメージが強い小川真由美だが、ことこの映画に関しては、湿り過ぎず乾き過ぎず、希望もないが絶望もせず、混沌とした毎日をなんとか生きている、昭和中期の幸薄い女を実に好演していると思った。大俳優達のこういう演技を目にしたとき、ふと、この人たち日頃は毛皮のコートを着て外車のりまわしてるんだよな、とわれに返るが、そういう姿が想像できない。 【神谷玄次郎】さん 9点(2004-02-21 17:04:02) (良:2票) |