18.邦題はいかにも70年代らしいですが、バラードのような雰囲気は伝わってきます。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-02 18:25:56) |
《改行表示》17.愛すべきポンコツ親父の周りには、やはりポンコツな面々が集う。どうにも困った生臭坊主に、三流っぽいけど愛嬌あふれる娼婦。 砂漠を彷徨った挙句に水を掘り当てた薄汚い主人公が、駅馬車相手の薄汚い休憩所を作って商売を始める、っていう、一見何とも素朴なオハナシですが、味わい深くって観始めたらやめられない。それに、これだけ立派に薄汚いと、もはやこれは一種の「哲学」でありましょう。 たかが水だけど、それなくして砂漠に置き去りにされれば死を意味するし、またそれを砂漠の真ん中で見つければ、そこにはひとつの社会が生まれ、ひとつの小宇宙が生まれる。となれば、ラストでは水が枯れてしまって物語が終わるんじゃないか、なんて心配もしてしまうのですが、さにあらず。決してそんな短期的な視点の物語ではなく、もっとゆったりと、大きな流れを感じさせるラストで、いや、さすが。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-04-22 16:25:54) |
《改行表示》16.馬に代わって自動車やバイクといった新たな移動手段が現れ、西部開拓の時代も大きな転換期が訪れてる。。 本作が制作された1970年頃は映画界にとっても大きな曲がり角に差し掛かった頃。 ペキンパーが愛した西部劇も徐々に衰退していく時代と重なります。 本作は「ケーブル・ホーグのバラード」の原題の通り多くの歌が挿入され、ミュージカルっぽいシーンもありますが、 ミュージカル映画もまた同時期に同様の道を辿ることになり、何とも言えない感傷的な思いにもなります。 西部開拓の時代もまた時代が大きく変わろうとしている時期にあって、 ジェイソン・ロバーズ演じる「俺は町では何の価値もない男だ」という時代から取り残されようとしている我が道を行く男を主人公に、 60年代が終わり70年代が幕を開け変わりゆく時の流れの中で、西部劇や古き良き映画の時代への郷愁を感じずにいられません。 男の闘いもバイオレンス描写も控え目な作品ではありますが、これもまた反骨の人ペキンパーらしさのある西部劇の傑作だと思います。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-04-18 17:13:54) |
《改行表示》15.サム・ペキンパーの最高傑作とか言われているそうですが、最高に異色といったほうがいいでしょう。 ほのぼのとした雰囲気の中、笑いあり、涙あり、古き良き邦画を観ているようですが、山田洋二監督には到底できないサム・ペキンパー節のバイオレンスも入っていて、目茶目茶になってしまう要素が、逆に全て上手く仕上がってしまった(笑)作品になっています。 途中字幕スーパーになってしまいますが、DVDは吹き替えで観た方が面白いです。 ヒロイン役の声優さんは、テレ朝「ドラえもん」の、のび太役(初代)の方です。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 9点(2012-02-23 05:35:43) |
14.まさに映画まさにバラッド。教養はなくとも人間味に溢れているケーブルホーグのサクセスストーリーはあっけない形で終わりを迎える。愛すべき彼の死と車の登場に見る西部時代の終わりが重なり感傷的になる。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-28 16:36:40) |
13.サム・ペキンパーが作った映画の中でも超異色作、コメディテイストたっぷりで男臭さではなく男らしさ全開でステラ・スティーヴンスの色気さが絶妙にマッチしてていいなぁ。砂漠を愛し、砂漠でこよなく人生を全うし、あっけなく(?)、いやそれが運命だったのか車という次世代機械に轢かれ死ぬ直前のケーブル・ホーグの顔が幸せに溢れてたそれだけで満足。いつもなら男の生きざまをスローモーションで見せるのにそれを滑稽なシーンに転用できたのは見事やね。まさに砂漠の流れ者のバラードでした。 |
12.ウエスタンの皮を被ったコメディですね。神父の言動がいちいちアホすぎて笑えます。ヒロインも含めて、みんなの行動が脱力系でいい加減なのが面白い。人生の哀愁をそこはかとなく感じさせます。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-11 23:44:48) |
11.お得意の激情に駆られたスローモーションとは逆の早回しで喜劇を演出してみせる滑稽さ。「ワイルドバンチ」や「ゲッウェイ」などの後に見たものですから最初は雰囲気の違いに少しばかり面食らってしまいましたが、すぐにペキンパーワールドに引き込まれてしまいました。テーブルに釘付けされた食器を一気に水洗いするホーグにドアを一撃で蹴破るヒルディ、町でのけ者の存在である彼らのワイルドな逞しさが良いですし、こういう面々が全く下品に映っていないことに監督の思いを感じます。・・・ですが、一番印象的なのはヒルディが登場する場面であり、文字通りのバストショットの連続切り返しが、まるで豊かな恵みが口を利いているようで男心をくすぐります。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-09 18:37:05) |
10.水とロバを奪われ数日間砂漠をさまよう主人公に悲壮感はなく、その過酷な状況を主人公自らの言葉で説明してしまう。しかし自分の見せるべきものを心得たペキンパーゆえにこちらもあまり気にならない。それどころか、バイオレンスの巨匠のこれまでの作品と主人公のキャラが明らかに違うこと(キャラが変われば作風も変わる)をここで察知させる。その後、水を手に入れた主人公と我々の目に飛び込んでくるのは柔らかそうな胸の谷間。ドレスで軽く持ち上げられ、そのカタチと柔らかさを最善の形で見せた胸のアップ。もっと見ていたいという気持ちを汲み取ってか何度も何度も繰り返し映し出される胸のアップ。やはりペキンパーは男の映画を撮る人だった(笑)。そんな嬉しいシーン(他にもいっぱいある!)をおりまぜながら最後には「男」を見せてくれる。不要な暴力の一切無いペキンパーの傑作。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-24 15:53:42) (良:1票) |
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9.正直に申しますと、「ワイルドバンチ」とは大幅にテイストの違う作品だったので、少々面食らいました。まぁ、ペキンパーが硬派一辺倒な監督ではないのが今作でよくわかりましたので、妙に得した気分です。DVD化が一日も早く望まれる作品ですね。 【K】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-07 21:32:40) |
8.名作であり大傑作。ベチャベチャ語る言葉はいらない。ただ見るべし! 【mimi】さん 9点(2005-02-20 07:43:53) |
7.どうしてもペキンパーは自分の手で西部劇の幕引きをしたかったのでしょうか。昼下がりの決斗で始めたテーマ(ダンディー少佐で会社に勝手に改変させられた恨みを糧にして?)をワイルドバンチで結実させて、更に暴力描写のみに気を奪われた頭の固い評論家筋にまで本作でぐうの音も出ないカウンターパンチを浴びせてしまいました。もう西部劇は作らないのかと思っていたら、もっと分かり易く大衆向けにビリー・ザ・キッドでだめ押しをしようとするなんて・・自分だけメキシコに移住して西部劇そのものを独り占めしたかったんでしょうか。この頃のペキンパーの連作する作品は本当に何か奇跡が起きているとしか思えないほど輝いていました。「こんな凄いのばかり作っていたらやり残した事がなくなって死んでしまうんじゃないか」と恐れていたら本当に訃報を見て驚きました。ワイルドバンチと本作を踏み絵に差し出されると、次のアプローチ(私的にはシルバラードや許されざる者という感じがしますが)までにあれだけ時間がかかったのも分かる気がします。 【Dr.H】さん 10点(2004-06-13 15:45:54) |
6.酒、水、金、女、友、優しさ、厳しさ、勇気、情け、時代の変化への柔軟な対応等、砂漠の何も無いところから「生きていくために必要なもの」を主人公が順に得ていく様が見事に描かれている。 |
5.レビュアー全員満点なので言いづらいけど、私にとってはペキンパー作品らしくない物足りない出来かなぁ...と...。それにしても「ロイ・ビーン」に少し似てますよね。「ロイ~」大好きなんですよ。両者のちがいは....やっぱり...熊です(笑) 【nizam】さん 7点(2004-03-06 16:38:20) |
4.さすが、このサイトのレビュアーの皆さんはわかっていらっしゃる! 個人的にはペキンパーの最高傑作。時代に取り残されていきながらも、信念を貫き通す男の美学。これぞペキンパーの真骨頂! 女子供にはわかるまい! この作品がレーザーディスク化された時、いったい何人のペキンパーファンがむせび泣いたことでしょうか。 【伊達邦彦】さん 10点(2004-02-23 06:18:56) |
3.いい顔してるぜ!ジェイソン・ロバーズ!!ペキンパーにしては珍しくコミカルな演出が目立つ作品だが、なんともいえぬ襞のある演出がたまりませぬ。情感というものをこれほど感じる、かわいげのある映画っつうのもなかなか見当たりませんなぁ。善人でも悪人でもない「人間」ケーブル・ホーグのいとおしさをエロ牧師ワーナーが飄々と謳う・・・もう、泣いちゃうから!!それにしてもS・マーチンはいい仕事してるなぁ! 【モートルの玉】さん 10点(2003-08-02 18:20:00) |
2.僕にとっては「ビリーザキッド21歳の生涯」や「昼下がりの決斗」に次ぐペキンパー作品。この監督の作品はよく「暴力の美学」という表現をされるけど、それはおそらく2次的なものであって、もっと端的に「生きること(死ぬこと)に対する美学」と言って構わないと思う。そういう意味では、失われつつあるフロンティアの時代に擬え、現代的喪失感の中で誠実であるということはどういうことかを問うニューシネマのハシリであり、実に哀しく、それでいて生命力溢れる映画なのである。 【onomichi】さん 10点(2003-01-19 01:01:01) (良:2票) |
1.ずっと前にTVで何も知らずに観て以来忘れられない映画。時代と共に滅び行く人たちを描いて、「ワイルド・バンチ」と並ぶペキンパーの名篇。ジェースン・ロバーズもステラ・スティーヴンスもデイヴィッド・ワーナーも実にいいが、ストロザー・マーティンのゲスさみっともなさにものすごい味があり、ペキンパーの心を感じた。 【アンドロ氏】さん 10点(2002-12-09 21:54:03) |