《改行表示》10.子供の頃に見た時には、一種恐怖を感じた。そして、堅物にはならないぞ、と心に決めた。 おそらくは主人公の年齢を既に超えている今。 甘美さを感じる。 落ちぶれたと言われ、世間から蔑まれたとしても、本当は俺もこうなりたかったのだ。 【おら、はじめちゃん】さん [地上波(字幕)] 8点(2022-04-25 03:59:19) |
《改行表示》9.主人公のおじさんのキャラがとても立っている映画。 "50を過ぎてからの色狂いは直らない"は昔ながらの定説だけど、 そこだけ描いても映画にはならないということで、後半からの展開がとても面白い作品だった。 教授役の初老の俳優さんは、いかにも頑固そうな顔つきをしていながらも、愛嬌があって、 その姿を見ているだけでも愉快なのだが、後半は狂気に満ちた演技を見せ、まるで別人。 いい役者さんだった。ディートリッヒは、相変わらず妖艶な美しさを見せてくれる。 この頃の映画は「いいなぁ」と思うと、ドイツ製作のものが多くて、この作品にもパワーを感じた。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-27 13:49:37) |
《改行表示》8.映画を見るまではローラを、男を騙す悪女だと思っていたが、そうではなかった。たしかに魅力あふれる女性なのだろうが、周囲の男が騒ぎすぎ、ラート教授に至っては異常である。実直であるが故に融通が利かない、いったん歯車が狂い出すと修正が利かない恐ろしさ、ついには結婚を申し込んでしまう。それをローラは一旦は笑い飛ばすがロマンティックと言って受け入れてしまう、これが悲劇の始まりだった。 映画は、教授を演じているエミール・ヤニングスがすばらしい。表情と仕草はサイレント映画を思わせる。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-08 22:23:28) |
7.ディートリッヒの映画デビュー作。正直なところここでのディートリッヒはそれほど美人とは思えないんだけど、スタンバーグが多くの有名女優をけって引っぱってきたぐらいだし、すぐ後には既存の映画女優像を塗り替えてしまうくらいなのだからやはり類を見ない輝きを持っていたのだろう。その若く妖艶な美貌に人生を狂わせる初老の男にサイレント映画の大俳優エミール・ヤニングス。人生を楽しまずに生きてきた男が突如人生の甘い蜜を知ってしまう。そこからが映画の見せ場。人生の頂点から奈落へと落ちてゆくその過程の見せ方が強烈なのだ。新妻のセクシーな写真に激怒して夫としての威厳を見せたカットのあとにその写真を配り歩くカットをもってくるという残酷な繋ぎ。ニワトリの鳴きまねを頂点と奈落で見せるという恐るべき構成。間違いなくサイレントでも楽しめる映画。そこにディートリッヒの美声が加わるのだからこりゃたまらん。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-08 14:24:07) |
6.哀れなり、校長先生、でも分かります、お相手がM・ディートリッヒではね?! 【白い男】さん [地上波(字幕)] 8点(2008-12-19 23:43:23) |
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【Yoshi】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-03-20 18:19:40) |
4.15年程前にリバイバルを見て以来、久し振りにDVDで見ました。前半の明るくコメディタッチの流れから、後半のホラー映画張りの地を這うような緊張感へ、その展開がすごいですね。私もファンなので、日本ではどうしてもディートリッヒに注目がいってしまいますが、やはりこの映画はヤニングスのものです。主役なのに限られた台詞を、その目線と体の動きで補っています。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-05-13 18:41:05) (良:1票) |
《改行表示》3.毒と分かっていても手を伸ばしてしまう毒を撒き散らかすマレーネ・ディートリッヒの代表作。痛いほどに美しい名作ですね。ディートリッヒにこんな視線で見られたら、のた打ち回りますよ、そりゃあ。完全に手の届かない女性(当たり前だけど)だけど、もし仮に届いた瞬間にピンポンダッシュで地平線まで逃げてしまうような(・・・情けない)まさに銀幕のスタア! 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-20 00:17:36) |
2.文句なしの満点。よくぞここまで切なくて意地が悪い映画が作れたものです。1930年にこんなに鋭いかつロマンチックな感覚に溢れた映画があったことに驚く。でも1930年だから作れたのかもしれない。どうでもいいけどローラ・ローラという名前がなんか好きです。ぴったし。 【べんじょみん】さん 10点(2003-09-14 01:30:16) (良:1票) |
1.これは無名だったマレーネ・デートリッヒのデビュー作であると共に、ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督とのコンビ第1作でもある。真面目一筋だった高校教師(エミール・ヤニングス)がキャバレーの妖艶な踊り子に一目惚れして日参したあげく、学校を追われ旅興業の道化役者になってまで彼女について行く。嘲笑され挙げ句の果てにのたれ死にするという話。デートリッヒは脚線美、歌、色っぽさでその魅力をいかんなく発揮した。その後このコンビは同年作「モロッコ」をはじめ7本の作品を作り、彼女は大スターになった。監督はこの高校教師のごとく彼女に精魂傾け作品を作り、別れた後はパッとしなかった。それを思うとこの作品はまるでこの二人の関係を暗示するようで感慨深いものがある。真面目だった男が人生を狂わせ、惨めに転落していく様をヤニングスが絶妙の演技で見せている。 【キリコ】さん 8点(2003-05-31 14:13:42) (良:1票) |