《改行表示》19.モノクロの古い洋画だが、面白い。 ハンフリー・ボガードといえば『カサブランカ』のハードボイルドな色男のイメージだったが、ここでは全く違う汚れ役でイメージを覆された。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-06-26 15:16:22) |
18.よれよれでボロボロの服、ボサボサの髪や髭の小汚さ、ロケ中心でナイトシーンも明るすぎず自然です。1940年代のハリウッドでここまでリアリティを追及している作品は貴重だと思います。ハンフリー・ボガードほどのスターが文字通りの汚れ役を演じているのも珍しいですが、無名時代は悪役での出演が多かったのであまり抵抗はなかったのかもしれませんね、逆にそれが彼の強みになったのでしょう。この作品に限ったことでもないですが、ハリウッドでも隣国のメキシコ人だと安易に英語を喋らせずにちゃんと現地の言葉を喋らせる傾向がありその点も違和感を感じさせにくいです。ドン底にいる男たちが人生の逆転をかけて人間のエゴを剥き出しにするような営みに参加する、この映画のプロットはいわば現代のデスゲームものに似ているんですよね。そのため現代人でも共感しやすい内容だと思います。デスゲームが現実の競争社会の寓話であるように、黄金探しも良心と欲望の狭間で揺れ動く人間の弱さを描く寓話なわけです。今見ると素朴すぎるきらいもなくはないですがやはり人間の強さではなく弱さを描く物語にはいつの時代にも通じる普遍性があると思います。 |
《改行表示》17.こんな名作の存在を知りませんでした。ハンフリー・ボガートといえばキザでグールな「カサブランカ」で記憶が停止していたので、対極的なキャラ変に驚き。まあ役者冥利に尽きるという感じですかね。 それはともかく、ちょっとした思考実験をしてみたくなります。彼らはいったい、今日の日本円でどれくらいの金を掘り出したのか。仮に1人あたり100万円程度だとしたら、3人分を独占すれば300万円。殺意まで抱くかどうかはともかく、「あわよくば…」と考えないこともないかもしれません。もしくは「奪われるかも…」と疑心暗鬼になったとしても不思議ではありません。 しかし、1人あたり100億円だとすれば、もう十分なので独占しようという欲も湧かないでしょう。では1億円なら? 1000万円なら? 結局、「金持ちケンカせず」という虚しい結論に達するだけなんですが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-03-29 23:49:02) |
16.これは大画面のスクリーンでこそ観たかった映画。DVDでの鑑賞だと、メキシコシェラマドレの地面やゴツゴツした岩肌から立ち昇るギラギラした熱気や臭気、それによって引き起こされる主要人物三人のジリジリジリジリした焦燥感や葛藤がストレートに伝わってこない。もちろんヒューストンの演出が巧みなので伝わってはくるんですが、それは約二割ほど割引された状態で稀薄になってしまってるような。「カサブランカ」以前のボガートは、悪役が多かったって事ですが、その頃の様子が大体どんなだったかはこの映画で確認できます。よって、これは鑑賞状態がDVDだったが故の採点です。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-03-14 08:21:52) |
《改行表示》15. 欲望、モラル、信仰心、疑心暗鬼等、人間の業が良く描かれている。H・ボガートは欲得と悪意に敗れる人間の弱さを、W・ヒューストンは百戦錬磨の人生を、T・ホルトは善をギリギリ守ろうとする小市民の人生をそれぞれ体現。ボガートは「ケイン号の叛乱」や本作のようなひと癖もふた癖もある役柄がお似合いだ。 特筆すべきは人生の機微に通じた老人を演じるW・ヒューストン。人間味豊かな名演に酔う。 ラストは“面白うてやがて哀しき人生”かな。悪戦苦闘が徒労に終わり、「神の皮肉なユーモアだ」とハワードが最後に笑いとばすところは爽快感さえ覚える。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-09-03 13:20:06) |
《改行表示》14.人の心理を上手く表している映画だと思うが、冗長感は否めない。 内容も濃く、出来がいいが多少疲れる作品。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-15 22:14:13) (良:1票) |
13.人間の欲や猜疑心をよく表した名作だと思う。黄金は人間を変えてしまうとはよく言ったもの、そうした男をハンフリー・ボガートが巧みに演じている。それにまたストーリー(脚本)が良く、ラストは鮮やか。一見老年のショーン・コネリーかと見間違うほどのウォルター・ヒューストンがまた良い。助演賞文句なし。この映画はヒューストン親子で賞を取った作品だが、息子の映画に親父が出演、親孝行というか息子思いというか感動である。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-05-10 06:10:15) |
12.冒頭のシチュエーションの、まあ何とも不景気なこと。実に素晴らしい不景気描写……と感心してる場合じゃなくて、何しろ不景気、観てて実に気が滅入る描写です。そこから我々は主人公と一緒に、職を見つけては喜び、それが詐欺だと知って憤慨し、詐欺師を見つけてトッチメようとしたコイツが意外に強くてハラハラし、でも見事やっつけて溜飲を下げる。そして、何か人生を達観したような金掘り爺さんとの出会い、ああこのヒト本物だよプロだよこの爺さんについていきゃ間違いないよ。と、観てるこちらまでテンションが上がり、ついでに健気なクジ売り少年にも心打たれたりして、この辺りまでは「健康的」、なんですけれども。それが、いよいよ金の採掘が始まり、金を手に入れだすと、肝心の主人公がおかしくなってくる。欲にかられ、猜疑心にまみれ、まさに「欲望は熱病」、映画の雰囲気自体が熱に浮かされたようなイヤな感じが充満してきます。不景気時代には「同じアメリカ人にお恵みを」とか言ってた主人公が、金の採掘に参加させて欲しいとやってきたアメリカ人を排除し殺害すらしようとする。そこに山賊がやってきて戦闘となり、そのアメリカ人が死ぬと、今度は味方が一人減ったことを嘆く。どこまでも刹那的な言動、まあ観てる我々は金を貰えないので主人公よりは醒めた視点でそれを眺め、さらにその我々よりも達観しているらしい爺さんの存在が、とりあえずは場を収めていくのだけれども、やがて・・・。ってな訳で、金への欲望に主人公がもてあそばれ、その描写と人物設定の上手さに我々がもてあそばれる、見事な語り口の作品です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-07-08 07:50:55) |
11.ラストシーンがなんともすがすがしい、どんなことがあっても笑い飛ばしていたい! 【ホットチョコレート】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-06-10 22:25:12) |
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10.この映画も淀川さんの洋画劇場で観たのが最初です、それ以来何度も拝見していますが飽きません映画の見本。主役3人の大熱演それに山賊たち、特に監督の親父さんWヒューストンのあの活きのいい動きとセリフ回し、お見事!! 【白い男】さん [地上波(吹替)] 10点(2008-12-19 22:44:15) |
9.ボギーの金に目がくらむそのわかりやす過ぎる豹変ぶりといい、ウォルター・ヒューストンの人生を達観したあまりによく出来た人間ぶりといい、ややキャラがたちすぎの感があるにもかかわらず、その両極端な二人の思考を少しずつ併せ持つティム・ホルトが、観客の視点を共有しながら二人の間を行ったり来たりすることで絶妙なバランスをとり、最後までハラハラさせながら見せてしまう。ということでまず断然、脚本が素晴らしい。そのうえでボギーのぎろっと鋭い眼光をうまく活かした負に導かれる人物造形のうまさと、ウォルターの陽気な高笑いを印象的に映し出した爽快な画によって、この作品は実に豊かな映画へと昇華した。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-16 17:09:58) |
8.私が小学生の時分、巷で「切手収集」というものが流行っていた。私も友達と競うように切手を集めていたのだが、そんなとき、私が(苦労して)集めた切手帳が1冊まるごとなくなってしまった。子どもの私は、「タブンアノコガトッタノダロウ」と思って、その子に「返して欲しい」と言った。結局、その子との友情は終わってしまったのだが、果たしてホントのところはどうだったのか。証拠はなく、ただのうわさに過ぎない。でも疑心暗鬼になる。そんなイヤな思い出を思い起こさせた映画なのに、なぜか鑑賞後さわやかな気分になった。大人になった今、子どもの時お同じ行動をとるかどうかはわからないが、「それはそれでしょうがなかったんだ」と思えた。人にやさしい映画なのかもしれない。 【元みかん】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-15 21:42:18) (良:1票) |
7.ラストの大笑いが痛快。ある意味、寓話のようです。 【H.S】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-19 22:20:56) |
6.緊張感がずっと右肩上がりに進行します。細かい伏線をしっかり消化しきっているのも見事です。半世紀以上の時を経てなお色褪せない名作です。 【K】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-26 02:49:11) |
【よしふみ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-31 13:31:21) (笑:1票) |
4.落語のようによくできたストーリーであり、また、心理劇として秀逸。飯場仕事の手配師を追い込んだときに、財布の中身を全部取らずに、200ドルだけ抜き取って、酒場にも迷惑料を置いていく金にきっちりした男としてドブズを描いていたのが後半の展開を考えると非常に巧い。ただ、私にとってこの映画で一番印象に残るのは、いい味を出している爺さんでも、大金を手にし人間が変わっていくドブズでもなく、ドブズが落盤事故にあったときに、すぐに助けに行くと思いきや、一瞬事故現場に背中を向けてしばし思考をめぐらした後に、きびすを返したカーティンの場面。あのほんの少しの間に、彼は一体何を考えていたのだろうか。「ここで助けにいかなければ、一人減って自分の取り分が多くなる」と考えたに違いないと私は思っているが、映画はその部分は何も説明せず、完全に観客の想像にゆだねている。あの場面でカーティンをすぐ助けにはいる善玉一辺倒の人物として描かなかったことが、この作品にいろいろな余韻を与えているように思える。 【南浦和で笑う三波】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-29 01:13:50) (良:1票) |
3.今回のボギーは、バカでマヌケなアメリカ白人なんです。しかしそこが素晴らしい!黄金が見つかった途端、真っ先に疑いの目を仲間達に向け睨んだり、怯えたりその表情から見えてくる人間の強欲さ愚かさにはボギーの脂の乗り切った演技と絶妙に合わさってえも知れぬ極上の映画を味あわせてくれます。ラストも何だか虚しくなぜか滑稽でまるで映画を見るというより古典落語を見た様な感じを受けました。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 10点(2004-12-07 22:25:49) |
2.ストーリーに驚く程の緊張感と緊迫感があった。自分の幸せを求める余り、今まで信頼しあった相棒すら信用できなくなってしまった男の、行動や言動には怒りを感じずにはいられなかった。ラストの終り方によってなんとか暗い気持ちにならずにすんだ。そして観賞後の今は、何故か不思議な爽快感と軽い吐き気を感じています。 【ボビー】さん 8点(2004-09-23 22:47:07) (良:1票) |
1.映像技術の進歩は、昔の映画を相対的に色あせたものにしてしまいます。しかしこの『黄金』のような、緊迫感溢れる人間ドラマは別。白黒映像は、砂金の輝きを表現することは出来ませんが、溶岩のように湧き上がる人間の欲望を、余計に生々しく表現しています。「金は人を変える」というテーマが、ドブズ個人的な問題になってしまっているのはちょっと残念(このシナリオもかなり好きですが)。余談ながら、作中で出てくる「バカの黄金」は黄鉄鉱。英語ではそのままfool's goldといって、金と勘違いして喜んだ鉱夫たちの逸話が語源になっています。 【円盤人】さん 7点(2004-02-17 01:59:03) (良:1票) |