6.パチーノのトニー・モンタナを少し上品で無邪気にしたポール・ムニのトニー・カモンテ。最期はパチーノにまったく及ばないものの、脇役の面々は本作が上回り、トータルでは本作がリメイクを上回る。world is yours が感慨深い。 |
5.開口一番の長回しでぎゅっとひきつけて、アクションシーンは鮮やかなカット割りでポンポン見せてくる。緩急のつけかたが巧すぎ。ハイテンポで見せるカーアクションがまた素晴らしく、並走シーンもクラッシュシーンもかっこよすぎ!死体と共に映される×印(作品の一番最初は画面いっぱいの×印)がいやでも目に付き、だからこそ妹と相棒の部屋ナンバーⅩが映されるところはショッキング(リメイク作『スカーフェイス』で知ってはいるんだけど)。ボーリングをするシーンと殺しのシーンのカットバックは『ゴッドファーザー』を代表とする後年の様々なギャング映画が頭をめぐる。このときの最後のワンピンの倒れ方がまたかっこいいのだがどうやって撮ってるんだろう。カポネをモデルにしたというキャラクターがまた強烈なのだがその子供のようなわかりやすさが魅力的でもあって、その魅力は映画に釘付けにする重要な要素ともなっている。忘れちゃいけないのがお間抜けな秘書の存在。当時としてはかなり強烈なバイオレンス描写に富んだ作品だったと思うが、そんな中でもユーモアはけして忘れない。それでいてユーモア部門を一手に引き受けていたこの秘書が最後の最後に感動まで届けてくれるのだ。いやー、書いてみてあらためて思ったが、素晴らしい映画だ。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-03-05 18:06:07) (良:2票) |
《改行表示》4.ギャング映画の原点にして、ギャング映画の最高峰といわれる本作。 やっと鑑賞できました。 「顔に傷のある男はヤクザ(マフィア)」という常識(?)って、本作から生まれたんでしょうか?! だとしたら凄い影響力ですね。 70年以上前の作品とは思えぬ程、そつなく楽しめました。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-12-05 14:05:46) |
《改行表示》3.裏切りと脅迫、そして滑稽ギリギリの狂気。すべての元祖とも言える異常なほど色褪せない名場面の宝庫。完璧な面白さに脱帽。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-05 06:54:30) |
2.カポネをモデルにした映画だそうで、ホークスが語るところによると、実際にカポネが見て偉大な映画だと言っていたそうな。なんかそれを知るだけで凄いもんですね。さてさて、この顔役さんは、無邪気で子どもっぽくて寂しがりやにして、征服欲、独占欲にあふれたギャングであります。トンマなシショをずっと雇っているところや、妹から撃たれないところなどなんか憎めません。突然の発砲音にも平然とする強さと、周りの人物がもがれうろたえる脆さ、そこがなかなか魅力的なのですが、ラストは大きく×の刻印が打たれたかのように突き放されてしまいました。この×印の使い方、まーいろいろと出てくるんですが、私は妹のドレスが一番気になりました。妹が派手になり背中にはドレスの×のラインが・・・、顔役のラストを暗示するようで。見終わって思わずコインを弾きたくなるエポックな一品であります。 【彦馬】さん 9点(2004-06-11 00:32:30) (良:3票) |
1. アル・カポネの逸話を下敷きにアーミテージ・トレイルが書いた原作を、伝説の富豪兼プロデューサーとして名を馳せたハワード・ヒューズが制作し、当時36歳の若きハワード・ホークスが実にダイナミックに監督したギャング映画の傑作がコレ。1983年にデ・パルマが「スカーフェイス」のタイトルで設定を現代化して(パチーノ主演で)リメイクしたが、このオリジナル版には遠く及ばぬ冗長な凡作。トニーを演じたポール・ムニの醸し出す凄味・狂気は本作が今を去ること70年前の作品という事実を踏まえれば見事と言うほか無かろう。しかし、本作とリメイク版との最大の差はトニーの舎弟役をニヒルに演じたジョージ・ラフトの(コインを指で弾く独特のポーズが実にキマった)圧倒的存在感に尽きる。本作で一気にブレイクしたのも納得!リメイク版のスティーブン・バウアーなんぞ比較対象にすらならないw。そして何よりもホークスの畳み掛けるかのような簡潔にして要領を得たテンポの良い演出で93分を一気に観せるってか魅せるのが矢張り最高!!ベン・ヘクトの練達のシナリオも貢献度大。以後の犯罪映画に与えた絶大なるインパクトに敬意を表して…9点! 【へちょちょ】さん 9点(2003-07-28 03:39:15) (良:2票) |