12.愛というロマンチックに傾きがちなものに、エイズは即物的に障害を与える。エイズを映画で取り上げるにはそこらへんにポイントが生まれてくると思うんだけど、これはけっきょく最後にはさして突き詰めないまま精神性に走ってしまい、つまんなかった。ロマンチックから離れるには性の滑稽味を対比させるという手もあるが、実際エイズになっていた作家に、そういうゆとりを期待するのは残酷かもしれない。しかしどうも自分勝手な二人に見え、この映画のつまらなさは、死病と関係なくこの二人の個性としてのだらしなさに由来しているようで、彼らにつきあい続けても何らかの普遍性に至れるとは思えなかった。ヒステリーで表現してしまうことのつまらなさ。自分の病気を記録していこう、といったドキュメンタリー的な視点があったら価値のあるフィルムが生まれただろうが、自分の死を目前にしたら、まあ自分の生がロマンチックなものだったと総括したくなるのは分かるな。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-09-03 10:03:52) |
11.作品としてはかなり荒削りですね。素人が撮った映画、そんな感じ。フランス人が全部こうだとは思わないけれど、まあハチャメチャな生活を送ってるわけですよ、主人公は。主演、監督、音楽を手がけたシリル・コラールの自伝的映画なのでしょう。エイズに感染し確実に近づいてくる死、その前に自分が生きた、存在した証を残したかったのでしょうか。その熱意は充分伝わりました。ロマーヌ・ボーランジェも熱演でしたけど、ちょっとオーバーアクトだったかな?エイズ患者とわかったあと、避妊具を付けようとしてるのをやめさせて行為に及んでいながらあのヒステリックな行動はいかがなもの?まあ、イっちゃってるふたりであることは確かでした。でも自業自得といってしまえばそれまでだけど、性行為、バイセクシャルはいけないことではないわけですからね。ラストのシリル・コラールのアップの表情は忘れられません。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-05-08 00:07:08) |
10.ロマージュの演技がすごいの一言。フランス人って結構ヒステリックなのかな?と映画の出来がドキュメンタリーっぽく作ってあるので尚更そう思わせる。内容では結構ダークな感じで、無縁な世界。 【将】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-05-07 14:44:57) |
9.う~ん、なかなかうまく言葉に出来ないけど身につまされた。ラストのモノローグが特に印象的。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-01 21:56:59) |
8.ストーリーが凄いと言うよりも、こういう人達が実在し、且つ、そこから反省や建設的思想を導くのではなく、言い訳めいた自己憐憫だらけの映画を作ってしまうということが凄い。要するに気づいてないんですね。天然です。正に、何とかは死ぬまで直らない。たぶん私は、どっちかと言えばインモラルな人間で、エキセントリックな人にも魅力を感じますが、弱い人間はダメ。人は誰しも弱いもんですけど、こいつ弱すぎ。最弱です。しかもそれを克服しようとするどころか、天然故に気づいてさえいない様子。これじゃ玩具屋の前でもんどり打って駄々を捏ねてるガキと同じです、2点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2005-05-01 00:05:43) |
《改行表示》7.公開当時見ました。 丁度フランス映画にはまり始めた頃です。 だけど当時の私にはちょっと難しかったか? 刹那的な2人の愛が理解出来ないところもありました。 今見るとまた違うんだろうなぁ~。 でも音楽もとても好きでサントラも買いましたね。 アーーーなんだか懐かしいです。 【あずき】さん 6点(2004-11-27 08:35:02) |
|
6.僕の10代最後の一年間は、この作品を考えることに消尽された。「愛」を「相手に対する責任を積極的に背負うこと」だと思っていた僕は、まさにこの映画によって「責任」を考え直す羽目になった。映画の題材はエイズとか同性愛といった強烈なものだし、監督及び主演の人がマジで死んじゃったという話題性もあるが、正直言って普通の人間である僕にとって、そんなことは何にも訴えかけてこない。ただひたすら、「相手への責任」と「相手への愛」の葛藤、「今の自分」と「未来の自分」の葛藤だけが、執拗に僕に呼びかけてきた。ラストに提示される「昇華」のイメージは、これからの僕を突き動かす動力になってくれるだろう。あらゆる意味で衝撃的な映画。 |
5.世界的にHIVが問題になって、この類の映画が流行ったけど。己の欲望のために感染して、「何とかしてくれ、俺は被害者だ!」って叫ばれても、全く共感できません。主人公にもっと反省の色が欲しかった。 【マックロウ】さん 3点(2004-06-30 20:36:00) |
4.おフランス製の恋愛映画はどれもグロいけれど、この作品も例に漏れずどろどろしてます。陰方向にアグレッシブな感じ。その、行く所まで行ってしまうような、毒を食らわば何とやら的なディープさは、観る者を選ぶ。私としては、ひたすらに「男の勝手」と「履き違えた母性」のようなものを見せ付けられるだけのように感じて、終始気分が重かった。私には理解出来ないタイプの作品。ロマーヌ・ボーランジェの凄さは分かった。 【ひのと】さん 4点(2004-06-26 18:37:49) |
3.同じシチュエーションで主人公が女性だったら、おそらくこういう行動はとらないでしょう。こういう女性がいないとは限らないけど、映画の主人公にはなりえないでしょう。 【おばちゃん】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2004-01-07 23:31:53) |
2.昨日観たんですが、凄すぎる映画でした。あんまり凄すぎるんで、今晩もう一回観て、改めてレビュー書きます。←と思ったのですが、返却期限が来ちゃいました。時間を空けて再見したいです。 【ぐるぐる】さん 8点(2003-12-24 16:36:02) |
1.セザール賞受賞前に監督・主演であるシリル・コラールがAIDSで死んだという悲劇的なニュースが、この映画の公開時には、セットとして報じられていました。確かに映画自体も主人公が同じAIDSに感染しており、ある意味で主人公はシリル・コラールその人だと言っていいかもしれません。そんな悲劇的な話題が本編よりも先行してしまったのは事実ですが、それを差し引いてもこの映画には僕らを引き付ける魅力があるというのも紛いない事実でしょう。ロマーヌ・ボーランジュもとても魅力的です。恋人であるシリルがAIDSであることを知った時、その不条理さを呪い、悩み、そして自分の人生そのものを問い詰めて、それでも彼を愛しぬくことを決断する、そんな彼女のポジティブさが結局シリルを救うことになるのです。愛を信念として生き抜くこと、そんな「母」のような力強い少女をロマーヌは切々と演じました。これは絶望的な状況の中でのラブストーリーです。普段の僕なら知らず知らずの内にアンハッピーエンディングを求めてしまうところだけど、この映画の中のハッピーエンディングは、映画の外のシリルの逝去という事実と相まって、「生きる」ということの切実さを訴える粛々たる感動を僕らに与えてくれるのです。 【onomichi】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-10-12 23:48:26) |