12.テーマも深く、物語としてもたいそう面白い。複雑な人間関係を上手く整理して、じっくり時間をかけて小出しに見せていってくれるので中だるみがない。史実に沿った話でもあり、要所に書記の視点を挟む構成も説明調の台詞もナレーションも、ドキュメント風味の味付けに貢献していて実に心地良い。特に複数の証言者の回想を劇中の実時間と無理なくからめていく手腕には感心した。主要登場人物のすべてが、ストーリーの中で重要な役割を与えられていて一切無駄がないのも素晴らしい。さすがは「幻の湖」を世に出した脚本家だ。わずかに残念なのは、脇を固める役者陣の説得力に比して、肝心の三船氏の演技がいまいち地に着いていないように見える点。舞台劇調の台詞回しをうまく消化仕切れていないように感じるのだ。 【皮マン】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-06 13:26:50) |
《改行表示》11.桜田門外の変を題材にしたシリアスな時代劇。映像その他もろもろのセンスはやはり突出しているように感じますし、その点は文句のつけどころはありません。 しかし、今作は三船主演・橋本忍脚本といううこともあってか、なんだか半端に黒澤映画っぽい。本当はもっとふざけたいのに、そんな気持ちを抑えてつくってるような、じれったい回想と説明的なセリフばかりの展開がちょっと気になりました。眼がイってる伊藤雄之助氏の快演には魅せられました。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-02 01:14:51) |
10.役者の演技や迫力は認めるけど、歴史的大事件の実話をベースとしたストーリーにしては面白味に欠けるというか、いくらなんでもそりゃあネーだろ?という感じ。 |
9.確かに前半は説明が多くやや退屈してしまったが、監督 岡本喜八、脚本 橋本忍という「日本のいちばん長い日」コンビの作品だけあってとても重厚な時代劇となっていて全体的に見ればとても面白い映画だった。やっぱり三船はこういう時代劇の主役をやっているととてもカッコイイし、井伊直弼(八代目松本幸四郎)を暗殺するラストの雪の降る桜田門外のシーンも迫力充分で緊張感が伝わってきてとても印象的だった。三船以外の出演者ではやはり伊藤雄之助がいかにもな悪人ぶりで抜群の存在感を発揮していていいし、最近見た川島雄三作品で改めていいなあと思った新珠三千代もやっぱりキレイ。三船演じる鶴千代の友人栗原役の若い小林桂樹も多少違和感がありながらも好演しており、鶴千代が栗原を斬るシーンの「なぜだ」というセリフが悲しい。しかし、この二人の関係をもっと深く描いていたら、さらなる傑作になったように思えてちょっと惜しい気もする。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-02-21 17:23:10) |
8.みなさん仰る通り、説明が長過ぎます。講談に映像をつけた感じ、しかもそれにしては長過ぎ。このスタイルなら1時間が限度。2時間ならもっと映像に語らせるべきでは? 【くろゆり】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-02-14 15:05:50) |
7.2回目鑑賞。40年も前の作品も時代劇だけあって古さを感じさせない。桜田門周辺のセット?いい感じ。筋書き、脚本も面白い。“椿三十郎”の影響が随所の見受けられるし、役者も同じが多い。でもよく出来ており楽しめた。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-12 22:37:29) |
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6.ストーリーが実に良く出来ている。面白いと思う。でもよく出来たストーリーゆえに全編が説明で支配されている。とは言ってもその説明もまた実にうまくこなしている。退屈になりがちな説明をテンポをつくるクローズアップの画を差し込みながらの早いカット割りで見せることで間延び感を出来るだけ廃し、怒りや悲しみといった内面の描写を極力排除し物語をシンプルに進行させることで活劇たらしめている。それでも東野英治郎が説明する回想シーンはややくどい。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-03-28 14:07:06) |
5.タイトルにもあるように三船敏郎の侍はやはり凄い。こういう演技を見せられると、今の日本映画、特に時代劇の俳優としての魅力の無さ、それに比べてこの三船敏郎は本当に凄い。作品の出来としては、岡本喜八監督作品としてはごく普通の出来のようにも思えるが、それでもあの雪の降る中の壮絶な決闘シーンの迫力、流石一流の監督は違うなあ!と感じると共にそれだけ今の日本映画で本物の時代劇を撮れる監督は少ないのだと感じせずにはいられない。三船敏郎以外では伊藤雄之助が上手いし、憎いほどの凄み、悪人ぶりを発揮している。あと、小林桂樹に関しては、どうしても社長シリーズや駅前シリーズのイメージが強すぎて、何だか時代劇には不向きのように感じてしまう。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-02-12 21:18:07) |
4.喜八監督=喜劇というイメージを覆される本格時代劇の力作です。物語からすれば三船の侍役はもっと若い俳優さんの方が良かったと思いますね、どうしても三十郎に見えてしまうんですよ。時代に翻弄される若侍の悲劇であるべきなんでしょうが、物語の面白さは損なわれていないし、ラストシーンの迫力はやはり三船でしか出せないものでしょうか。クビを掲げて雪道を彷徨い歩く姿の狂気さに寒気を感じました。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2005-03-08 22:26:43) |
3.ラストの吹雪の中の立ち回りは迫力!凄惨であり且つ美しい。モノクロ映像の良さが存分に味わえます。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2005-02-28 13:17:40) |
2.武士の身分を求めながら計らずも倒幕に加担してしまう皮肉に、実の親と知らずに首を獲ってしまう運命の悪戯…。桜田門外の変に加わった一人の浪人の姿から、人の愚かさと無力さを描き出した岡本喜八初の本格時代劇(らしい)。所々に長めの回想シーンが挿入される脚本構成が物語の流れを止めていたことと、【たいほう】さんご指摘の様に三船敏郎に年季が入り過ぎてたのが個人的には不満でしたが、クライマックスのダイナミックな大立回りと、全然古びた感じのしないモダンなカット割は流石に岡本監督でした。ということで、心よりご冥福をお祈り申し上げつつ、6点献上。 【sayzin】さん 6点(2005-02-26 00:07:00) |
1.題名が示すとおり、究極の侍映画。この切なく壮絶な殺陣に涙せよ 【紅蓮天国】さん 8点(2003-10-13 11:49:33) |