14.平凡な映像、平凡な脚本、平凡な登場人物。どこにでもいそうで、どこにでもありそうな生活。平凡を辞書で引くと“特別すぐれた所や変わった点が無い様子”とあった。この映画はまさに平凡だ。ありふれた生活と風景、それと人生があった。美人は三日で飽きると言うが、この映画はいつまでだって観続けられそうだ。美人ではないが、美人よりも輝いていて、愛しい。静けさや静寂や無言の中だけに生まれる不思議な心地好さ。最高に共感できる瞬間。この映画の中にはそれらがたくさん散りばめられ、本当にいつまでも眺めていたかった。本当にいつまでだって観ていられそう。この映画はまさに日本映画だ。日本にしかない日本だけの日本人の為の映画。僕はこの映画の静けさの中にいつまでも埋もれていたい。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-19 14:30:07) (良:1票) |
13.映画評論家の山田宏一さんが「珠玉の小品」という言葉を寄せられていたけれど、まさに、そんな感じ。図らずも同居することになった二人の女の子の何気ない日常。ありきたりな表現だけれど、力の抜けた「自然体」の演出が心地良い。それと、印象に残ったのがこの作品に映し出された「東京」の風景。いかにも「大都会」な面ではなく、かといってこてこてのディープな下町でもない、カサカサに乾ききっている訳ではないけれど、ベトベトもしていない、ちょうど良い「しっとり感」の街の風景が、何だかいとおしい。主演の榎本加奈子と藤田陽子の演技も良かった(特に榎本加奈子はテレビのドラマやバラエティ番組とは全然違う役をのびのび演じていたのが印象に残った)。エンディングテーマも素敵です。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-29 18:56:37) (良:1票) |
12.ダレた感じは悪くないし、タバコスパスパの結局オトコで揉めてしまう低レベルな30女のどうしようもない日常的な雰囲気も出ていたとは思うのだが、それを延々と見せられてもちょっと退屈かな。 どうも場所は図書館から類推するに杉並らしいのだが、巨大な川原が出てきたり、デカイ坂道が出てきたり、イマイチここは東京のどこなの?って違和感が拭えない。これだけの一軒家なら土地だけで5000万程度するはずで、留学するお友達は何者なの?この同居人たちはロクに働きもしないでカネはどうしてんの?等々ちょっとリアリティーがないというか、疑問がイッパイになる。 |
11.やぁ~、こういう映画好きだなぁ。女性って家ではどんななんだろう、というのがよく分かる。男の論理とは違う感覚で世界と接しているんだなぁなんてつくづく思う。出演する女性はみんな魅力的です。ヨーコもスズも。こんな感じで人生の色んな局面を乗り越えていくんだろうな、と思う。男のように気合だ!って感じで生きてない様子が新鮮。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-20 22:30:09) |
10.落ち着いた色の布地に、タイトルロールや配役を表記。うん、小津安二郎への自己言及。たしかに、食卓を映した固定ショットや、ロングショットは小津的ですな。そんな映像が、監督の感性豊かな温かい絵でもって描かれる。とても、感じが良い。そして、小じんまりした邦画にありがちなことで、会話は聞き取れないわけだけれど、全く重要なことを話してないから問題なし。というか、映像の中でも、「重要」なシーン(同棲相手の男を捨てるところとか)が描かれていない。さらに、ショットとショットの編集が、つながりを持っていない。家に帰るヒロインのショットの後、別のヒロインが家に帰ってきたりする。物語映画における空間的な連続性も、時間的な連続性を、監督は全く意識していない。小津にオマージュを捧げつつも、小津映画のなかにあった時間イメージを崩壊させている。ちょっと映画史的にすごいかもしれない。 【アイランド・ジョー】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-05-18 14:37:10) |
9.「人のセックスを笑うな」を観てからこれを観たのですが、二作品目になると何となくこの監督の趣向が見えてきますね。 手すりから降りるシーンはほんと素晴らしい。こういう演出大好きです。こぢんまりさが逆に日常的で、間の長く見えるカット割りも効果的だったと思います。 映画らしい映画でした。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-11-18 20:26:00) |
8.どこにでもありそうなストーリーのうえに心に響くとか画に圧倒されるとか全く無いのになぜか満足感を得ることができる映画。動かないカメラの前を犬とともに横切る女。同じ構図で横切れない女。同じことをやらされて、でも全然同じにならない二人の差異を面白おかしく見せるこのような古典的にしてシンプルな構成で作品は覆われている。この作品は純粋なまでに映画であろうとする映画である。映画とは関係の薄いところから抑揚を取り入れれば万人受けもするだろうに。しかしそこに映画はこうじゃなければいけないといったような「頑なさ」というものはあまり見えない。監督にはあるかもしれないけど見えない。それがかえって作風にもマッチしていていい。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-10-31 13:46:42) |
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7.家出した妻を追いかける夫が、階段の真ん中を通っている手すりのうえに腰かけて滑るシーン、まいりました。そのアイデアだけでこの作品は殿堂に入るべきです。全体的にすごく「うまく」撮られている作品。ストーリー自体は平凡で何の感動があるわけでもなく、台詞が輝いているとかもない。ただし、画面が伝えるディテールがすごく良くできている。仲の悪い二人が共同生活することになって、初めて布団をしいて、シーツをかけた時の二人のシーツの敷き方の微妙な差とかで、性格が何となくわかってしまう。こういうの文学では表現できないなぁと思いつつ、非常に映画的であるという意味でこの作品に敬意を表する次第です。 |
6.小津の映画みたいな撮り方ですね。というかそれを意識してるんでしょう。自分は逆に藤田さんの演技の方に高感度高しですがいろいろ感じる人もいるんですね。それにしてもさぁこれから!って時に終わっちゃいまうね。かなり拍子抜けです。これって途中で撮影放棄にしか 思えないんだけど。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-02-24 20:32:15) |
5.結局同族嫌悪なんでしょうね。 完全に嫌いにも好きにもなれない二人。 特に何が起こるという内容じゃないけど、こんなにも心地よく観れるのはやっぱり気まずい関係の面白さだろうね(きっと誰もが経験してる空気)。 文芸作品、明らかに邦画だね~。 【カラバ侯爵】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-07-13 02:39:50) |
4.(↑)ジャンルに「リメイク」とあるので調べてみたら、自主映画のセルフ・リメイクなんですね。で、低予算は似た様なもんだったとしても、わざわざ商業映画としてリメイクしたにも関わらず、出来はそっくりそのまま自主映画的。3カットを除いて、カメラは全て固定。スタンダードの画面サイズも手伝って、必要以上に小ぢんまりした仕上がりです(「オリジナル」を観たことないので何とも言えませんが、これならリメイクする必要は無かったんじゃ…)。台詞をかなり絞ってるのに、結局台詞で説明してしまう脚本は中途半端な印象。どことなく浮世離れした二人の関係性からも、私には作者の言いたいことが伝わってきませんでした。これは、この「空気感」を楽しめる人限定の、非常に間口の狭い作品だと思います。そんな訳で、4点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2006-08-21 00:02:48) |
3.退屈。平凡。でもそれが日常で、日常を切り取ることに力を注ぐというのが監督の姿勢なんだから、これはこれで成功なんだろうね。世界観、空気感はいいんだけど、ストーリーの脆弱さはもうちょっとなんとかしてほしかった。あと難点は台詞が聞き取りにくすぎなとこ。 【zinny07】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-08-01 01:23:31) |
2.派手さは全くありません しかし、いやそれ故に 数十年の鑑賞に耐えうるであろう 数少ない日本の映画のひとつ 【tj】さん [試写会(字幕)] 7点(2005-11-01 04:49:11) |
1.なんとも言えない空気を楽しむ映画。 これを退屈と感じる人もいるかもしれませんが、僕は楽しめました。 榎本加奈子の幸薄そうな雰囲気がたまらない。 素朴で優しい映画です。 【ふくちゃん】さん [映画館(吹替)] 7点(2005-09-21 06:52:02) |