海を飛ぶ夢のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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海を飛ぶ夢

[ウミヲトブユメ]
The Sea Inside/The Sea Within
(Mar adentro)
2004年スペイン上映時間:125分
平均点:7.08 / 10(Review 63人) (点数分布表示)
公開開始日(2005-04-16)
ドラマ伝記もの
新規登録(2005-01-04)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2019-06-24)【Olias】さん
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監督アレハンドロ・アメナーバル
キャストハビエル・バルデム(男優)ラモン・サンペドロ
ベレン・ルエダ(女優)フリア
ロラ・ドゥエニャス(女優)ロサ
タマル・ノバス(男優)ハビ
マベル・リベラ(女優)マヌエラ・サンペドロ
大塚明夫ラモン・サンペドロ(日本語吹き替え版)
高島雅羅フリア(日本語吹き替え版)
紗ゆりロサ(日本語吹き替え版)
唐沢潤ヘネ(日本語吹き替え版)
久保田民絵マヌエラ(日本語吹き替え版)
幹本雄之ホセ(日本語吹き替え版)
脚本アレハンドロ・アメナーバル
マテオ・ヒル
音楽アレハンドロ・アメナーバル
作曲ジャコモ・プッチーニ「誰も寝てはならぬ」(歌劇「トゥーランドット」より)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン"Prisoners' Chorus"(歌劇「フィデリオ」より)
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト"Soave sia il ve"(「コジ・ファン・トゥッテ」より)
リヒャルト・ワーグナー〔音楽〕"Prelude to the Act 3"(「トリスタンとイゾルデ」より)
撮影ハビエル・アギーレサロベ
製作アレハンドロ・アメナーバル
フェルナンド・ボヴァイラ
配給東宝東和
衣装ソニア・グランデ
編集アレハンドロ・アメナーバル
字幕翻訳松浦美奈
あらすじ
ラモンは死ぬことを決意した。彼は事故が原因で不随となり体の自由がきかない。従って他人の力を借りて殺してもらうことを希望する。人権団体はラモンを支持するが非難する人間が圧倒的に多い。「生きることは権利であって義務ではない」というラモンのメッセージがニュースで取上げられ、ますます事態は大きなっていく。尊厳死をめぐる問題作。
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【クチコミ・感想】

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12
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38.主人公の周りに集まる、4人の女性たちに興味が湧きました。4者4様の、立場と尊厳死に対する考え方があり、鑑賞している者にとっては、誰かの考え方に共感できるんではないでしょうか。J・バルデムはもちろんのこと、弁護士フリアと義姉マヌエラを演じた2人の女優の演技はすごかったです。
shoukanさん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-28 23:45:19)(良:1票)
37.私はラモン本人よりむしろまわりの家族や友人、恋人などの気持ちが気になりました。息子のように愛して世話をする義理の姉、安楽死を断固として認めない兄、自ら死を望む息子を見守るしかない父、生きる意義を見出そうとする恋人、同じ悩みを抱える恋人、ラモンを応援する友人たち。お兄さんが「死ぬのは一瞬のことじゃない、もうラモンに会えなくなってしまうということなんだよ!」と甥っ子に言うシーンでは素朴ながらラモンへの深い愛情を感じました。この映画では誰も間違ってなんかいなくて、だからこそ、悲しい。
kanekoさん [DVD(字幕)] 7点(2006-12-12 10:35:42)(良:1票)
36.正確に言えば、彼の死は「尊厳死」でもなく、「安楽死」でもない。彼は「自殺」したのであり、彼を支援する立場は「自殺幇助」であろう。
映画の中に「尊厳を守るために死ぬ」という彼の言葉がある為、そこから「尊厳死」というひとつのイメージが喚起されるが、それを限定的に扱ってしまうと、この映画から僕らが受けるより深い響きを損なってしまうように思う。それはとても勿体無いことだ。
彼は頚椎損傷を原因とする四肢麻痺により、28年間も寝たきりの生活を余儀なくされ、そこには既に長い長い物語が横たわっている。しかし、敢えて言えば、この映画は、彼と家族の長い物語の果てに、フリアとロサという全く違うタイプの二人の女性が彼らに関わる、その中で彼らが彼の自殺を決心し、そして決行する、短い期間に凝縮された感情の物語として僕は捉えるのである。もっと言えば、この物語は彼だけの物語ではなく、彼に関わった人たちの物語でもあるのだ。彼は自殺する。しかし、そこには、自殺する彼を中心にして、彼らの「生きる」ことへの濃密な意志と疑義が垣間見えないだろうか。そして彼自身についても、生と死への思いが微妙に捩れる瞬間が、その人間的な揺らぎが、共振するように僕らを揺さぶるのである。
「海を飛ぶ夢」とは何だろうか? 映像とともに印象的に語られる彼の「海を飛ぶ夢」とは? それは叶わない夢でありながら、彼を28年間支え続けてきた不可能性の可能性ではなかったか。彼はフリアに想う。「永遠に縮まらない距離」のことを。フリアもロサも結局は錯覚してしまったのだと僕は思う。彼だけが彼女達との触れ合いの中で揺らぎながらも、結局はその距離が決定的であることを悟るのである。そんな彼自身が決して相対化され得ないこと、そのことを今度は僕らが悟るに至るのだ。
間違ってはならないのは、彼は仏のように悟って死ぬのでは決してなく、人間という不可解さを自明のものとして死ぬのである。それは生きることへの揺らぎと言っていい。そこに逆説的に浮かび上がる、静かに切り取られ選び取られた生の有り様こそが僕らの胸を強く掴むのであろう。
僕としてはやはり彼に焦点を当ててしまうが、やはり、この物語は彼に関わった人々の「生きる」物語である。そしてもちろん、その反映の中に僕らも含まれている。それが観るということだろう。
onomichiさん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-18 22:29:51)(良:1票)
35.この作品は、はたして「尊厳死」と「自殺」という社会問題への解答を意図して作られたのだろうか。法廷やマスコミが主人公にとってあまりにも無意味な存在として描かれているように(そして自筆の本でさえも死のタイミングを図る一つの要素でしかなかったように)、私はむしろこの作品に主人公の「死」への哲学を純粋に見た思いがした。実話ベースの作品なので敢えて言うと、私たちが彼をみているのは2時間だが、介護をする家族が彼を看ているのは28年間という途方もない期間である。彼はその間、「体の向きを変える」事から、それこそ「袋を取り替える」事まで全てを周囲に委ねざるを得ない状態で生活してきた。『涙を流す代わりに笑顔で取り繕う事を覚えるのさ』という一言は、彼にとっての「生きている辛さ」を非常に象徴している。(彼の家族ほどではないが近い現状に直面している者にとっては、涙腺が緩んで仕方なかった。映画館であれほど、恥ずかしいほど号泣した事はなかった。)そして愛し、分かり合えた人にすら忘れ去られていく事実。死とは、海を飛ぶ夢とは対極にある、この世で最も儚き現実である事を改めて思い知らされる。くだらない、要らないと思えるシーンや人物も時折登場するものの、ぜひ社会問題としてではなく、いつか訪れる自分の問題として、そして家族の問題として、この作品を多くの人に観てほしいと切に願う。
woodさん [映画館(字幕)] 9点(2005-06-05 10:50:52)(良:1票)
34.尊厳死という題材を扱っていながらこの映画に感じられるのはむしろ人の温かさです。神父には家族の愛情がないからと揶揄されますが、逆に多くの人間から愛情を与えられているからこそラモン(ハビエル・バルデム)は死を選ぶのです。それは追い詰められたというのともまた違う感情でしょう。なぜいつも笑顔なのか?と尋ねられたラモンは他人の助けに頼るしか生きる方法がないと涙を隠す方法を自然と覚えると答えます。彼は他者の愛情を噛みしめているからこそ無理にでも笑顔を返すのでしょう(とはいえ世間の無理解な人間に対するそれは冷笑に近いのでしょうけど)。夜になぜ他の人のように自分の人生に満足できないのかと泣き叫ぶシーンも印象的です。生きる義務とは言い直せば現状を幸福な状態として受け入れなければならないという周囲の要求のことです。現状に満足することさえできれば人は生き続けることができます。それを拒むからこそ人は死を願うのです。
Сакурай Тосиоさん [DVD(字幕)] 8点(2023-06-18 22:55:55)
33.安心できる監督の安心してみることができる上質の映画。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 8点(2014-08-10 02:17:00)
32.安楽死とか尊厳死とかいろいろ議論されるけど、私たちが日本人でしかも健常者の感覚で物言えることなのだろうかと考えてしまう。スペインはカトリックの国だし、離婚すらママならぬと聞くし、自殺はなおさらのことだろう。それでなくても30年近くも人の手を借りずに生きてこれなかったとなれば・・・。だからといって諸手をあげて賛成というわけではない。やはり難しい問題だとしか言い切れない。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 7点(2013-07-06 21:31:26)
31.「尊厳死」を肯定するかどうか、そういった社会的論争を一番に描いているのではなく、この映画に表現されているのは、「生きるとは?」といういかにも人間なテーマであると僕は感じた。

自由を取り戻すために命を絶つ主人公と、結末は悲しいと分かっていながらも愛をもって生きることを決意する女性の対比。

そしてそういった極めて人間的な生き方に対し、
宗教的、法的観念に縛られた「生」への静かな反発が描かれている。

ハビエル・バルデムの演技は圧巻。

「生きる」とはどうあるべきかは人それぞれの考え方があり、それをじっくり考えるきっかけになるような深みを持った作品。

おーるさん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-25 13:22:03)
30.非常に重いテーマでしたが色々と考えさせられました。ラブストーリーとしても良く出来ていたと思います。バルデムの演技も素晴らしかったですね。
ギニューさん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-27 19:22:59)
29.暗く重いテーマを扱ってはいますが、全体的にほんのりと暖かく、そして美しい映像に惹きこまれました。「生きること」は義務なのか、それとも権利なのか・・・・非常に考えさせられる映画でした。
TMさん [地上波(字幕)] 8点(2008-05-29 12:39:55)
28.いろいろ考えさせられる映画です。主人公にとっては、死ぬ事が生きがいだったんですね。
Yoshiさん [映画館(字幕)] 5点(2008-03-08 22:47:40)
27.早く死にたいなら舌を噛み切ったりできたはず。水飲まずにいれば(もちろん食事もしない)10日ほどで望みどうり死ねるのに。そんな勇気も決意もないのに死にたい、死なせてくれと連発する主人公に腹がたってしまった。生きたいのに生きれない人だって沢山いるのに、こんなに簡単に死ぬなんて間違ってる。臓器移植のドナー登録したりとかせめて人の為になることは考えなかったのか。結局彼は自分のことしか考えてないと思った。この作品は安楽死ではなく尊厳死がテーマだということがポイントだが私は主人公のような脳に異常のない人間の尊厳死は認めない。しかし脳死状態の人の家族の決断による尊厳死は認める、というより仕方のないことと言うほうが正しいかな。本人の意識がしっかりしているなら人間として最後まで生きるべきだ。死にたがるのは人間だけで、他の動物や植物は必死に生きている。ただでさえ私達は命ある動物や植物を自身が生きるために食べている。そんな私達はどんな生物よりも「命」を大切にしなくてはならないと思う。
りりあさん [地上波(字幕)] 0点(2008-01-28 22:46:42)
26.すごく劇場で観たかったんだけど、忙しくて逃したから家で観賞。
テーマが尊厳死と重く、ずっと手が伸びずにいた。

邦題が素晴らしいと思う。
景色や海がとても綺麗で、そこから色んなものを感じることができる。

主人公が聡明で人として尊敬でき、その態度や台詞など驚嘆に値するものだった。
私じゃとてもこうはできない。
だからこそ胸が痛んだ。

なんで笑っているの?という質問の答えに、感動した。

一人の女の子がちょっっと顔までうざったく、嫌だったのがかなりのマイナス。
少し間が飛んだ展開や今一歩のシーンなどが惜しいけれど、俳優さんの上質な演技によって大分埋められていたと思う。

この主人公を知ることができるだけで、何にも代えがたい経験だと思う。

いい映画でした。
祥子さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-13 12:29:51)
25.ずっと観たかった映画。切ない、これに尽きる。主人公本人だけでなく、家族である兄・兄嫁・甥の心情も台詞の説明でなく伝わってくる。各々が皆結局主人公を愛しているのがひしひしと伝わる。重いが鑑賞してよかった。鑑賞後はやはり疲れるので“観る前に覚悟のいる”映画のひとつ。
いわぞーさん [DVD(字幕)] 8点(2007-02-18 18:38:11)
24.死を認める人の意見はそれはそれで然り、死ぬべきじゃないと謳う人の主張も然り。ラモンが突然取り乱したり、空を自由に飛ぶ夢を見たりする場面にはとても切なくなりました。献身的な家族の介護があり、様々な人がラモンの言うことに耳を傾けてくれる(しかもやけに女性にモテる)暮らしの中でも、逆に完全に無意識状態なわけでないからこそ余計につらい思いをしているのがよく伝わってきました。尊厳死に対する答えはない、というのがこの映画の答えなのではないでしょうか。
Thankyouさん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-12-27 23:54:44)
23.答えが出せるはずが無い。そんな映画でした。こういう映画に出合うと、やはり「自分がその立場だったらどうするか?」って考えてしまうのですが、どうやったって答えなんか出ないんですよね。自分みたいに考えの浅い人間だと、ただ気が重くなってしまいます。ストーリーは淡々としてるのですが、飽きさせる事無く最後までしっかり見れました。
はむじんさん [DVD(字幕)] 6点(2006-09-08 01:34:24)
22.淡々とラモンの世話をするマヌエラが秀逸。尊厳死については昨今、軽々しく「賛成」と言われがちだけれど、命についてはもっともっと深く考えるべきであると思う。神父が非常に傲慢な人物に描かれていたけれど、彼も四肢麻痺障害を抱える身として「他人のやっかいになりながら生きながらえる」ことの価値を見いだしたかったのだと思う。人に迷惑をかけないために自ら命を絶つことは決して美徳ではないし、その人が命を絶ったからといって残された家族は救われないのでは。「自らの意志を尊重する」というのはそう簡単なことではない。神父の介護をしていた彼の迷える瞳が印象的でした。
longsleeper21さん [映画館(字幕)] 7点(2006-05-17 16:31:35)
21.果てしなく広がっていると思った自分の未来が突然絶たれて絶望することもあるだろう。重度の障害を持ってしまったら毎日家族の手を借りなければ出来ない排便の羞恥や屈辱に生きている事さえも疎ましく思うことの連続かも知れない。他人からは荷物のように扱われ無能呼ばわりされたりすることもあるだろう。悲しいことだが世の中には自らの意思で生も死も選択できない状態の人が相当数いる。訪ねてきた人と愛について語らうことも詩を詠むことも出来ない。それでも細胞は残された力を最大限使って生命だけは維持しようとするのに。聞けば動物の中で自ら命を絶つという行いをするのは人間だけらしい。最も「知」を持つはずの人間が動物としては最も愚かな行為に走ってしまう。死のうとする人にどれほどの苦しみがあったのか私には解らないが、強い逆境の中にあっても、或いはどれほど虐げられていようが撥ね退けてもまだ更に花を咲かせようとする程の強靭な生命力を持つのが人間本来の「知」の姿なのであり、そして死のうとする主人公の姿を切々と見せる事により逆に天寿を全うして迎える死こそ素晴らしい最期なのだと再確認させる事がこの作品の狙いだと信じたい。
WEB職人さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-04-29 01:09:07)
20.「自殺」というと、「何とかして止めたい」とか、減らして行かねば」と考える人が多いと思う。でもそれはあくまで「自殺」とは無関係な立場の人の考え方であって、本気で自殺を考えている人からすれば、「死んだ方が楽なのに、どうしてこれ以上苦しい方へ引き留めようとするのか」と言う意見の人がほとんどだろう。この映画は、形はちがえど、そのように「死」に対してどちらかといえば肯定的な考えをもつ人の意見寄りにつくられたものであると思う。理解できない人は理解できないんだろうな。でも一つだけ言えるのは、主人公は元から「死にたい」という強い願望があったわけじゃなく、ただ「生」に対する執着心がなかったと言うこと。だから家族や社会とのずれがあったのだと思う。難しいテーマだけど、深く考えさせられました。
トナカイさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-14 23:22:29)
19.僕は尊厳死や安楽死に賛成する
のりまきさん [DVD(字幕)] 8点(2006-03-08 16:44:15)
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【点数情報】

Review人数 63人
平均点数 7.08点
011.59%
100.00%
211.59%
323.17%
400.00%
557.94%
657.94%
72133.33%
81726.98%
91015.87%
1011.59%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.25点 Review12人
2 ストーリー評価 7.25点 Review8人
3 鑑賞後の後味 5.85点 Review7人
4 音楽評価 7.50点 Review4人
5 感泣評価 6.16点 Review6人
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【アカデミー賞 情報】

2004年 77回
特殊メイクアップ賞 候補(ノミネート)(メイクアップ賞 として)
外国語映画賞 受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2004年 62回
主演男優賞(ドラマ部門)ハビエル・バルデム候補(ノミネート) 
外国語映画賞 受賞 

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