5.最初の方こそ、バンデラスがストーカーみたいな存在で、サスペンス映画っぽい雰囲気があるけれど、しかもその行動はエスカレートしていくのだけど、彼の純粋さみたいなものが滲み出てきて、何となくファンタジーみたいになっていく、不思議な作品。 映像も色彩的で、特に強い赤系統の色合いが、目を引きます。これをスペインらしいと言ってよいのかどうかワカランけれどそれでも、ああ、スペイン映画を見たなあ、という気にさせてくれるのです。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-23 21:54:18) |
4.オレンジとブルーのへんてこりんな色の組み合わされる世界。そのようにへんてこりんに進んでハッピーエンドになるってのがすごい。『コレクター』のように主人公の不気味さを見せ付けるのではなく、作者は主人公の夢を完成させてやるの。ヒロインの恐怖には関心がなく、主人公の愛の情熱に加担していく。彼の夢は「家庭を作りたい」が第一で、「女がほしい」じゃないんだよね。良き父親になりたいの。処方箋を書いてもらうとこで、子どもをあやしたりする。彼、孤独なんだけど「おれは孤独なんだっ」ってたぐいの自己憐憫がまったく感じられない。「おれは今一人だ、だから家庭を作ろう、そうだ、あの女優がいい」と論理的に・しかしあくまで一次方程式の単純さでつながっていく。縛らなくたっていいとおもうんだけど、情熱を表現したいのかな。歩く人の中をツーッと滑っていく人がいる、あの奇妙な感じ、けっこうこの監督のタッチと合っている。姉の歌とバックコーラスもいい。「この主人公、愛することに不器用で」ってんじゃなく、「愛ってこういうもんでしょ」と作者は確信しているみたい。困ったものである。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-12-14 09:59:24) |
3.女性がストーカーを惚れちゃうところを、もう少し丁寧というか、そこにもっとすんなり感情移入できるようだと、より良かったと思う。 |
2.アルモドバル作品の常連だったアントニオ・バンデラスが世界的に飛躍する切っ掛けとなった作品。この映画では意識的に精神病院に入退院を繰り返すという不思議な主人公を演じている。愛するあまりに女性を監禁してしまうことでしか、相手に愛を伝えられない、不器用な(というより危険な?)男を好演。ストーカーものとして普通なら重くなりそうな題材をお伽話風の物語に仕上げたアルモドバル監督の手腕は凄い。原色系の色を多用した映像も、モリコーネの音楽も印象に残る。こういう映画を“理詰め”で見ても面白くも何ともないので注意。 |
1.私は最近の作品しか知りませんが、ペドロ・アルモドバル監督はずっと「倒錯した性愛」をテーマにしてる様ですね。本作には「私をしばって!」等という副題が付いてるもんですから、SMモノを想像してたんですけど、中身はストーカーとストーカーに監禁される女とのロマンス。女を監禁する部屋の美術や、ビクトリア・アブリルとアントニオ・バンデラスの匂い立つ様な色気は雰囲気抜群でしたけど、変態の私も話には納得しかねます。しかも【ぐるぐる】さんもお書きの通り、ハッピーエンドと言うには余りにも能天気すぎるラストの会話には着いていけません。確かに「倒錯」してるとは思いますけど、倒錯に付き物の「危うさ」みたいなものが全く無いゾ。このあっけらかんとした感じがスパニッシュ・スタイルなんでしょうか…、5点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-05-13 00:09:32) |