63.ニューヨーク市警の刑事で、どうやら離婚経験者である主人公。それを演じるのがブルース・ウィリスとくれば、誰だって『ダイ・ハード』シリーズを思い浮かべるだろう。事実この映画には、今は酒におぼれる自暴自棄な日々を送るジョン・マクレーン刑事の“後日談”めいた雰囲気がある。これを、シリアスに撮られた『ダイ・ハード4』だとすら言っていいかもしれない。 しかしあのシリーズが、<刑事もの>というジャンルを超えて、どんどん「見せ物(スペクタクル)性」をエスカレートさせていったのに対し、『16ブロック』は、あくまで<刑事もの>というジャンルにとどまり続ける。警察内部の腐敗や、護送中に心の絆がうまれる犯人と主人公の刑事といった、この手の映画の約束事というか定石を律儀なまでに踏襲していくのである。 それゆえこの映画は、一見すると地味で派手さに欠けた「普通」の映画、ひと昔もふた昔も前によくあった感じのありふれた映画にすぎないようにも思える。けれど、けれどそれは、作り手であるドナー監督自身によって意図的に選びとられたスタイルであり“戦略”に他ならない。わざと色調をおさえたトーンの荒い画面にしても、まさしく1970年代の映画のようなテイストをめざされたものであるだろう。ドナー監督は、あえて<ジャンル>に忠実というか自覚的な映画を撮ろうとした。何故か? たぶん<ジャンル>こそが、“映画が「映画」として成立する規範”であると、彼は信じているからだ。 CGの登場、あるいはルーカス=スピルバーグの登場によって、映画は<ジャンル>を逸脱することによる新たな「見せ物性(スペクタクル)」を開拓してきた。しかし一方でそれが、なんでもありの、「今まで見たことのない映像」を競うことの自堕落な増長を招いたことも確かだろう。だからドナーは、CGによる見せ場も、非現実的なアクションも禁欲(あの『リーサル・ウェポン』の監督が、だ)することで、あえて<ジャンル>への意識に満ち満ちた本作を撮った。映画そのものを、「アメリカ映画(!)」を“とりもどす”ために。そのことが、かろうじて「1970年代の(アメリカ)映画」にふれることができた年代の観客にとって、何より感動的なことなのだった。 そう、映画なんて、たとえば小道具に“小型ボイスレコーダー”ひとつあれば、充分なのだ・・・ 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-01 16:05:39) (良:3票) |
62.エディが喋りすぎてうるさい。事あるごとに「これは良いサインだ」っと無駄に吠える。ブルース・ウィルスのアクションが少なく見せ場も印象に残らない。 【真尋】さん [地上波(吹替)] 5点(2009-12-28 03:38:32) (良:1票) |
61.手堅くまとまったストーリーは、破綻も無い代わりにドキドキも無い。他の皆さんのレヴューを読みましたが、みんな思うところは同じようで……。w まずエディが五月蝿い。ジャックが、エディを守り告発に踏み切る動機付けが弱い。バスに立て篭もった辺りでガントレットを思い出す。そんな感じでしょうか。まぁ可も無く不可も無く、こんなモンかな? という映画でした。 【TERRA】さん [地上波(吹替)] 5点(2009-11-25 15:35:56) (良:1票) |
60.最初、ブルース・ウィルスがどの役で出ているのか真剣に探してしまいました。 【TINTIN】さん [地上波(吹替)] 6点(2009-11-23 01:40:12) (良:1票) |
59.ブルース・ウィリスが出てるからそれなりに期待していたけれど、全然面白くなかった。よくある話に、地味な展開にアクションで、それに緊迫感も薄い。盛り上がりにも欠けて面白みがなかった。しかも、ウィリスの演じたキャラもいまいちだった。それと、エディがあまりにもしゃべり過ぎて、正直ウザかった。 【スワローマン】さん [地上波(吹替)] 2点(2009-11-22 23:09:07) (良:1票) |
58.私の考える「いい映画、いい主役」って、こういう感じだなあ、と思う1作。テンポよく展開が予想を裏切ってくれて面白かったし、「あれ、これこそダイハードの続編じゃん?」と思うシーン多々あれど、ちゃんと一線は画していて、さすがはリチャード・ドナーです。ブルース・ウィリスは、ちゃんとくたびれたオッチャンを演じきってるけど、やり過ぎてないとこがほんとにオトコマエ。(オレってやるだろ?的自意識が全然見えない!だからむしろカッコイイ!)デビッド・モースも、今まで観た演技の中で一番よかったかも。いつの間にここまでうまくなったんでしょ! ところでこれ、CSで見るまで知らなかったので、あまりヒットしなかったんでしょうね。惜しいなあ。 【おばちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-01-08 23:20:29) (良:1票) |
57.うっとうしい、実にうっとうしい。護送される黒人のあの声、話し方、話しの内容。これも演技、演出なのだとしたらたいしたもんですけど。そしてお酒がきれて出てくる汗を拭くブルース。その強引なヘアとメタボなお腹はショボさをきっちり印象づけるも、やっぱりうっとうしい。こんなにイライラする映画は久しぶりでした。 悪をやっつけるというのじゃなくて、人生の転換、再生物語だったわけで、だからこんなにイライラもどかしい雰囲気を出したんでしょうか?? はなしの展開、なりゆきは通り一遍ではなくそれなりに楽しめたけど、私にはイライラ過ぎてそれが大きなマイナスです。 誰といったらデヴィッド・モースだなぁ、やっぱり。かっこいい!そして狙撃隊の人ね、あの人がいちばんプロフェッショナルな仕事しましたねー ラストまでの20分くらい、やっと落ち着いて観れました、あー疲れた。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-11-04 10:57:49) (良:1票) |
56.モス・デフの演ずる役が始終イライライライラして、ストーリーに集中できなかった。それも彼の演じた一部だとすれば対したものだが、なんかいちいちカンに触る表現をするのでイライラした。後半は「こんな感じだろうな」と万人が思うストーリー展開。サスペンスものとして見ようと思ったのでちょっとがっくり。 【蝉丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-17 01:37:56) (良:1票) |
55.ブルース・ウィリスの見事な役作りもあって、冒頭から惹き込まれる作品ですね。ストーリー的には結構オーソドックス。でも、敢えて「16ブロック」という閉鎖された空間の中で展開することにより、緊迫感と臨場感が演出されてます。予備知識なしで観ましたけれど、これは期待を超えてくれました。説明不十分とのご意見も散見されますけれど、私はこの程度にシンプルで逆に良かったかなって思いますね。佳作です。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-23 06:04:31) (良:1票) |
54.映画のネタ的には、ナンボでも派手にできそうな、例えばナンボでもガントレってしまえそうな(笑)テーマですが、それを手堅く人間ドラマ風に仕上げたのがかえって新鮮、おーこりゃ現代版西部劇だなーとすら思えちゃう。どっかの田舎町でロケでもしてドハデなアクション映画にするのではなく、敢えて舞台はニューヨークの雑踏、人、人、人の海の中を彷徨う男たちの人間模様。各シーンに込められた力は、派手さはなくとも、ドナー作品きってのものではないでしょうか。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-08 19:13:04) (良:1票) |
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53.ここ最近のR・ドナーの仕事に”彼も老いたか”と思っていたが、これまた老け役に挑んだB・ウィリス共々実に良い仕事をしてくれた。主人公に自分の姿を重ねたか、実に味わい深い作品となった。脇役のD・モースもめちゃくちゃ上手い。拾い物な感じの一本。おススメ。 【GO】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-02-12 16:33:09) (良:1票) |
52.オーソドックスで教科書的な作品ですが、こういうちゃんとした脚本を書ける人って殆どいません。 このスケール、このサイズの作品としては満点っ。 DVD収録の別エンディングバージョンもなかなかですよ。 【カラバ侯爵】さん [DVD(吹替)] 10点(2007-02-11 02:33:48) (良:1票) |
51.良いですね、こういうの。男の友情を描いた映画は大好きですよ。この映画のポイントは何と言ってもブルース・ウィリス演じるアル中で腹が出てる少し走っただけで息切れする主人公の親父なのです。本当にそこらへん探せば見つかりそう・・・うん、斬新と言えば斬新だ。したがってそこまで派手なアクションはなくどちらかと言えば地味なアクションが続く。それでも面白いのだからこの監督は腕が良かったのでしょう。最近の見せかけだけのアクション映画よりかはずっと良い。それとアクションの合間合間に挿まれるちょっとしたドラマが良かった。最初はジャックとエディ・・お互い面倒な仕事だ、信頼できない奴だなどと考えていたけどちょっとしたドラマが挿まれるごとに少しずつ2人の間に友情が芽生えていく・・・それと同時に観てる自分も少しずつあの2人に感情移入してしまうのですね。こういう「男の友情」ってのは女性には理解できないのかもしれません。ラストシーンにはジャックだけでなく俺まで嬉しくなってちょっと涙目になってしまいました。バスの中での少女との会話も良かったかな。面白い作品だ、感動できる作品だ・・と身構えてもらっても困るけどなかなかの良作だと思います。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-03 00:18:56) (良:1票) |
50.R・ドナーとB・ウイリスとの初のコラボレーションは、二人の新たな代表作と呼べるに相応しい作品となった。共にアクション映画で今の地位を築いてきた二人だけに、その拘りには並々ならぬものを感じさせる。本作は「48時間」や「ミッドナイト・ラン」といった“80年代アクション”の流れを汲むものであり、シチュエーションに至っては、まさに「ガントレット」そのものと言ってもいい。昔から、アクション映画に於ける“コンビものにハズレ無し”と謳われる通り、本作もその例に漏れず見事なコンビネーションぶりを発揮していて、アクロバティックで荒唐無稽さがウケる昨今、確りと地に足が着いた大人のアクション映画として、近年出色の作品だと言える。“僅か2時間足らずの内に人間は変われるか?”という裏テーマが内包されている脚本は、単なる友情や連帯感といったものを超えた、視点の新しさを感じさせ、 それをアクションに絡ませていく語り口の巧さは絶妙であり、またテンポの良さと研ぎ澄まされた編集の見事さなど、まったく無駄と言うものが無い。それに応えるべく、三者三様の役作りの卓抜さは、お見事と言う他ないが、世界一運の悪い男を演らせたら、やはりこの人、B・ウイリス!歩き方からその風体まで、ほとんど特殊メイクと言ってもいい程の凝りようで“決してジョン・マクレーンであってはならない!”と自らを言い聞かせているように見える。しかし充血したその眼がひとたび鋭くなった瞬間の凄みと迫力は、まさしくアクション俳優としての本領発揮の瞬間として、あたかも歌舞伎の大見得を切るようなイメージで迫り、大向こうを唸らされるものがある。相手を出し抜き、次々と難局を切り抜けていく頭脳戦も、かつて敏腕刑事として鳴らした裏付けがあればこその説得力を生み出しているが、同僚でありながら敵役でもあるD・モースは、善人なのか悪人なのか蓋を開けてみないと分らない程、人間味を滲ませながら両極端を演じ分けられる数少ない俳優で、彼なくしてはここまでの濃密なドラマとはならなかったのではないか。執拗に追う者と追われる者とのバランスが程良く描き分けられ、また群集との絡ませ方など、ロケーション効果も実に鮮やかだ。それにしてもR・ドナー、御歳七十を過ぎてまだこれ程の余力(?)が残っていたとは、もはや脱帽せざるを得ない。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-28 16:24:36) (良:1票) |
49.面白かったです。ちょっと画面がカチャカチャ、グラグラしてて「あれ、今ピストル撃ったの誰?今登場人物はどっちの方向に向かってるの?」と思う所も多々あったのだけれど、限られた時間・空間の中で繰り広げられる濃密で人間臭い、そしてドラマチックな物語。ある意味「アクション映画+O・ヘンリー」って感じ?あのバス内のシーンは感動的でした。ちなみに僕はこれ、ちゃんと情報誌で映画館と上映時間をチェックして観に行ったのだけれど、ホントだったら2~3時間くらい時間が空いた時、「映画でも観て時間潰すか」って感じでフラッと映画館に入って観るのが良いと思う。ちょっとお仕事に疲れちゃった営業の人なんかに特にオススメ。元気出るよ。 【ぐるぐる】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-31 19:25:57) (良:1票) |
48.久しぶりなブルース・ウィリスなんですが、、あ、あのブルース・ウィリスがぁ!!!アル中にでかっ腹にアルコール飲料片手に勤務してる、いつものイメージを覆すような雰囲気が何故か似合ってる。。規模のちっちゃいところと短い時間がなんだか「フォーン・ブース」と似ててよかったです。デヴィッド・モースの善人役でも悪役でも似合う彼の演技は好きね。たまにツッコミどころがあるけど、普通に楽しめる映画だと思います。リチャード・ドナーってのは映画作るのがほんと上手い!! 【M・R・サイケデリコン】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-10-25 21:52:18) (良:1票) |
47.警察内部の不正の証拠を握るチンピラを裁判所まで護送することになった刑事と、それを阻止せんとする悪徳警官一味の攻防を、ニューヨークはダウンタウンの僅か16ブロックにギュッと凝縮した「ガントレット」。流石に「ガントレット」や「ダイ・ハード3」みたいに派手なシーンはありませんが(でも「バス」はちゃんと登場します)、ほとんどリアル・タイムで進行する101分を、映画は一気に駆け抜けて行く。緩急をわきまえたリチャード・ドナーの職人的演出と、アル中刑事が思い切り板に付いてるブルース・ウィリスの存在感で、中々の佳作に仕上がってると思います。そして物語を通して語られるテーマが“people can change”。正にありきたりなテーマなんですけど、意外にもエピローグでは少し目が潤んでしまいました、7点献上。 【sayzin】さん [試写会(字幕)] 7点(2006-09-29 00:05:22) (良:1票) |
【TERU】さん [ブルーレイ(吹替)] 5点(2023-04-20 21:28:37) |
45.まず、わーブルース・ウィリス老けたなあ。役作りもあるんだろうけど、目周りの疲れ具合とか身体全体のくたびれ&下がり感がはんぱなくて、ぱっと見ブルースとは分かんないくらい。 でもね、ちょっとこの作品はB・ウィリス当たり役かもしんない。観終わってそう思いました。ブルース・ウィリスといえばダイ・ハードのジョン・マクレーンが強すぎて、その後実にたくさんの作品に出演してますけど正直どの役も「彼でなければ」というのが無い(個人の感想です)。そこへこの16ブロック。バディ・ムービーの変化形のような作品ですが即席で作られた相方との呼吸がうまいこと合わせられており、ブルースは余裕すら感じられるベテランの演技を見せます。人に説教などできぬ過去を持つ男の苦悩と、決断した時の腹の括りぶり。ロートル警官の哀切すら感じさせるブルースの新境地ぶりにほう、と感じ入りました。 ところで、バリー・ホワイトってタイヤ泥棒だったんすか。エンドロールと共に流れる彼の歌声に聞き入りつつ、「ええ声してる泥棒」というシュールな画を思ったのはワタシだけですか。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-07 23:43:17) |
44.「ながら」鑑賞用に録っておいた程度の期待感だったからか、 ジャックの一発目の発砲から釘付けで観てしまった。 確かに先々のオチはことごとく裏切られず正攻法で どこか古き良き頃のアクション映画の雰囲気。 ウラ読みばかりしてしまう自分に気づいた頃にはまんまとハマってた。 エディ役の方もすごく良かった。 これはクリスマス的、いや、バースデー的映画。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-17 23:51:54) |