75.見所は、配役の妙。テーマは、生と隣り合わせにある死の重さ、軽さ。決して葬式のノウハウを伝えようとしたわけではない(誰でもわかるって? でもなさそうなんで、つい蛇足を言いました。失礼)。偉大な父、伊丹万作氏(『無法松の一生』の名脚本家、名監督)が早世だったこと。発作的にも見える自死を選んだこと。そして本作。伊丹氏は常に強烈に「死」に関心を抱いていた人だったのだろうと思います。この作品は、一見、その後の伊丹作品のいわゆる「ノウハウもの」(この解釈も私は間違ってると思うけどね)に通じるような趣きも見せながら、実はまったく違う作風。才人・伊丹氏の、最初にして最高の映画です。ルコント作品などにも通じるような、皮肉、猥雑さ、過剰さは、間違いなく大人のテイスト。皆さんが仰天したらしい逢引の場面は、むしろブランコに乗っている妻のカットのほうを、見てほしい。おかしくて、ゾッとする、こここそが名場面だと私は思います。(意味、わかりますよね? わからない人は私にメールください・・笑)伊丹氏はこれだけの実力の持ち主なんですから、若いときから作ればよかったのに、と思いますが、氏はおそらく父親コンプレックスのために、若いときはあえて監督はやりたくなかったのでしょう。若くして、俳優だけでなく名エッセイストとしても確固とした立場を持っていたから手一杯という事情もあったかもしれませんが、もっと早くから監督になって、私たちをもっと楽しませてほしかった。それと、ハリウッド作品に俳優として出たこともある彼にとっては、「売れる映画を」というのは大命題だったんでしょうけれど、私は、世間では大受けしている、(本作から後の)彼の作品が必ずしも好きではなかった。ヒットしなくても、私はもっと本作のような作品を見たかったです。これは想像に過ぎませんが、もっと若い頃から撮りだし、実験作も含め多作であれば、かえって行き詰まって自殺したりしなくてすんだのではないかなあ・・。エッセイストとしての彼に心酔していたファンの勝手な思いでございますが・・悲しい・・・。合掌。(不祝儀がわりに1点加えさせて頂きました) 【おばちゃん】さん [映画館(邦画)] 10点(2003-05-30 00:29:13) (良:2票) |
74.伊丹監督の映画の中でも好きなモノのひとつ。 生々しい描写や映像の撮り方など、他の映画とは違った雰囲気やテンポが魅せる! 彼の作品は、誰かと見ると何故だか恥ずかしいので、一人で見たいですね。 【たかしろ】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-04-04 17:56:00) (良:1票) |
73.外国人がこの作品を観ても、どこが面白いのかわからないと思うけど、 日本の葬式に関わったことがある人なら、つい見入ってしまうに違いない。 知っていそうで知らない葬式のノウハウ、不思議な決まり事。 そこに集まった人達から垣間見える性格や人間性。とにかく目のつけ所が素晴らしい。 一見暗くなりがちな内容にコメディー色を加え、演出も最後まで飽きさせない工夫が窺える。 配役もアイドル俳優が出演しておらず、いわゆる"役者"と呼べるような人ばかりなので 安心して鑑賞できるはず。総体的に、監督のセンスの良さを感じさせてくれる作品。 ちなみに個人的に一番印象に残っている場面は、葬式のシーンより高瀬春奈の脇毛だった。 【MAHITO】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-09-24 07:23:01) (良:1票) |
72.これはこれは、お葬式。実はお葬式というのは滅多に集まらない親戚同士が集まり、ドンちゃん騒ぎができるから意外と悪くない。みたいなメッセージを感じたような気がします。悲しい出来事を明るく描く。しかし、あの汚いオケツを見せられたらやる気も失せます。致し方ない評価です。 【ボビー】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-06-19 00:03:20) (笑:1票) |
71.お葬式なんて誰もが経験するものだけれど、にもかかわらず非日常的であることは確かで、それを映画にしてしまう伊丹監督の着眼点と観察力には感服する。今作を見ると、非常に不謹慎ではあるが、お葬式というものに本質的な興味がわく。 【鉄腕麗人】さん 7点(2003-12-18 17:23:31) (良:1票) |
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69.日常が演劇的空間になってしまうおかしさ、がときどき現われる。悔やみの言葉(せりふ)からしきたり(しぐさ)まで、手本に何とか習って演じ終えてしまおうという気持ち。ビデオで練習したり、みな一生懸命演じ終えようとする。猫八など役者が適材適所で、ゲートボール仲間なんか貫禄。藤原釜足(隣室の暗闇にじっとしていた)。わっと泣き伏すと勝手のほうからどれどれと(うきうきと)見に来る感じがいい。霊柩車登場のものものしさと疾走感。一つ一つは面白いんだけど、ディテールの足し算以上のものにはならなかったような。日常が演劇的空間にあらたまってしまう面白さにもっと執着してくれたほうが好みだった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-07-09 09:00:16) |
68.非常に演出、脚本ともに意欲的な映画。葬式という一連のイベントを、複雑な人間関係を瞬間瞬間に垣間見せながら描ききる。なんともいえない人間くささと不条理な雰囲気は後の伊丹作品を思わせる。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-10-01 23:59:08) |
67.2012.07/24 鑑賞。香典のお金の乱舞と追いかけ愛人とのSEXシーンは意味無し、不要。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-04 23:41:13) |
66.期待通りの不真面目さがとても心地良かった。葬式なんてまさにあんなもん。 喪主経験2度有りの自分がそう思えてしまって そう言ってしまってるくらいなわけだし、まんざら適当な事を言ってるわけでもない。 でも、まだあれ以上に面白おかしくしてくれてもよかったのではないかと思えてしまった反面、扱ってる題材が題材なだけに、笑いを取るという部分に関しては あの辺が実はギリギリのラインだったのでしょうね。 実に上手い具合に小笑いが取れていたと思います。合格点。 財津一郎氏の存在がよかった 財津一郎が。財津一郎氏の功績〝大〟。 あと、きんさん、ヒデさんが良かった ついでに 猫さんも。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-26 22:19:13) |
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65.まあ普通。これとか『おくりびと』を見ると、父親の葬式を思い出します。人が死んだというのに、親戚が集まって笑い話してるんだよなぁ。何かそういう、日常と非日常が入り交じったような雰囲気は出ていたと思います。ほかにも、「あるある」というエピソードがいっぱいでした。 終盤、火葬場で煙突を見上げるカットが絶品で、とにかく印象に残っています。お母さんのスピーチもよし。ただ、これは必要なのかと思う部分も、なきにしもあらず。脇役陣は皆さん個性的でよかったのですが、中でも友里千賀子がよかったです。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-17 20:43:58) |
64.何というか、全体がいかにも作為的なんです。いかにも日常の生活をそのまま描いてみました的な空気が出過ぎていて、かえってぎこちなく不自然になっている。登場人物に躍動感がありません。あと個人的には、友里千賀子がもっと見たかった。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-12-08 02:14:59) |
63.当時は斬新だったと思うんですよ。私も子供ながら面白かったという記憶があります。 昔も今も変わらぬお葬式のしきたり。でも、昨日「山田洋二が選んだ100本」という番組で放送されたのを観て…邦画が洋画に追い越せない決定的な面、それは邦画のほとんどが鮮度が落ちやすいということです。観賞して疲れが残りました。でも、棺桶の置く向きをひたすら悩んでいるオジンと木陰でのエッチは刺激が残ってました。 【クロエ】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-12-05 20:52:05) |
62.ぼくは、伊丹さんを尊敬し、同時に嫌う。尊敬する点は、その才能と彼の嗜好ね!そのむかしから一般的に、”リアリズム俳優”(アクターズスタジオで有名)伊丹をよくみていたし、CM出演、TVタレント作家(というかマサに西洋嗜好の知識人であり博学者ね)ほんまにマルチなひとね。最近、死後に出版された彼に関する多くの書籍を見るまでも無く、むかしから(映画を撮る前から)、一般的にも私的にも、彼はすごいひとなのでありました。キライな点は、うーん!それはあれですよ、この作品の、葬式のエッチとか、食事、そして、慣習、文化に関する、深い知識に関することですよ。ぼくの考えでは、すべてのひとというものが基本、自分は生きているあいだにこれだけのいい思いをしたすごい人間なんですよ(SEX、頭脳、体力、人気、前人未踏のあらゆる体験などなど、、、)ということをできるだけ大勢の人間に知らしめたい生き物だと思うんです。(例外なくね!)そして、彼のすべての創造物(映画を代表とする)にはそういった、人間の持つイヤらしさに、満ち満ちているんです!それが、観ていて、寒い!というか、痛い!というか、非常にコっぱずかしい!彼が、ほんとはどう思っていたかわからんが、天下の森田の”家族ゲーム”のすぐ後の作品というのが、なんか非常に、イヤなんだよなあ。家族ゲーム出演がなかったら、”こういう種”の作品つくってたかなあ?とオモってしまう。でもねえ、これは、”東京圏”に長く住んでいると思うんだけど、世の中には階級(身分)ってあるんだよなあ。まあ、貴族や皇族とか、日本だと”天皇家”とか。(旧財閥はあまり関係ないか)そういう人種の”存在”を思う時、伊丹さんや、俺みたいなニンゲンたちは、間違っても、かなわないんだよなあ。 いくら、有名になったとしても。彼の早すぎた”自死”は(暗殺でなければ)彼がマッタク持ち合わせていなかった”シュールな表現”の能力に絶望し切っていたと想像する。以外にも、亡くなって解ったことだが、彼は、”あの種”(この種)の作品しか撮れなかったのだ。彼はそれに絶望していた。 【男ザンパノ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-09-08 23:10:36) |
61.本作の、脚本家兼監督、伊丹十三の着眼点、観察眼、ユーモアセンス、サービス精神に唸らされ惹き入れられ、遺作まで見続ける事となりました。本作はキャラクターのアクが今ひとつ弱い所が惜しまれます。 |
60.伊丹監督デビュー作にして、これほどの完成度の高さには脱帽。伊丹監督って天才☆何もかもが素晴らしい。。うーん、この映画の前ではどんな賛美のことばも足りない。 【kaneko】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-02-08 17:08:55) |
59.決してエンターテイメントではないし脚本的にもこれと言って見所は無いんだけど…しかしこのシニカルさ。これはお葬式を題材とした映画と言うよりも日本の伝統的な仕来り、儀礼・儀式、親戚関係を主題にしているんだろう。「ストーリー」を無視してもこれでもかというくらい仕来りをねじ込んだシニカルさは、お葬式というあえて暗い儀式を下敷きにしたせいもあってコミカルさが漂うほど。ある種こち亀に似た、世間体や定式儀礼に異常に拘る日本人の世相をリアリスト的観点から皮肉った社会派映画。あまりにも儀礼に拘るあまり簡単なことですら難しく考えてしまうわけだが何度も繰り返される「そりゃそうだ」で目が覚めさせられる。しかしそう評しながらも「この映画は勉強にもなるなあ」と思ってしまう自分、ああ日本人だ。名作。同じ題材では「結婚式」も面白いかもしれん。欧米式と和式どちらにしますか?「ウェディングドレスが着たいから欧米式にやりたい~」とか言いながら無き祖父の仏壇に結婚の報告をする娘、ポクポク、チーン。儀礼に拘りながらもそれを生み出した宗教的な意味は考えない日本人。好きだ 【Arufu】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-06-09 19:54:23) |
58.「そうそう」と頷ける点が多々あって楽しめました。ラストの菅井きんの挨拶は自分の身内が亡くなった時の事を思い出し涙しました。大滝秀治がいい味だしてたなあ。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-01 20:46:42) |
57.ヨーロッパに退屈した監督が日本を撮った。名作なんだろうきっと。本流を意識した亜流であるところの名作。 【michell】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-11-11 20:10:24) |
56.お葬式で1本とってしまったのがすごい。日本ならではということだろうか。独特の雰囲気は良く表現されていて面白いとは思うけど。全体通してみるとやや退屈。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-04-05 18:45:44) |