57.妹の家に来た時からすでにブランチの心は壊れかけていた。アルコール中毒もあった。これが予備知識なしでも分かる。ビビアンの演技はすさまじい迫力で2時間あまりを釘付けにする。老醜を気にするブランチだがビビアンはまだ十分美しいし可愛い。対する粗野で下品なスタンリーのマーロン・ブランド。繊細な神経のブランチの心をさらにズタズタにするような乱暴で思いやりのない男だ。もう絶対ブランチに肩入れしてしまった。妹の家に来るまでにさんざん傷ついて誰かれに助けを求めて満たされず、行き場所もなくて頼ってきたのにこんな酷い仕打ちをするなんて、、彼女に必要だったのは心からのいたわりの優しさだけだったのに・・・妹が赤ん坊を抱えて「もう戻らない」と逃げていくのでちょっと救われた気分。ビビアンの演技は時に舞台劇を見ているようだった。彼女やブランドなど俳優陣の演技にプラス1点。 【キリコ】さん 9点(2003-11-18 22:28:41) (良:2票) |
56.下品で乱暴なスタンレーがブランチの下劣な本性を容赦なく暴き立てる。アクの強い二人と他者を思いやれるステラとミッチが織り成す物語の不快指数は徐々に高まり、結末で100%となりました。身勝手さの果てに壊れそうになった者。壊れそうな者を無慈悲に木っ端微塵に叩き壊した者。共に強烈です。 |
55.うーん、この作品を見て思ったのは、名作ってやっぱり2種類あるんだってこと。 ひとつは何度観ても惹きつけられるまさに普遍的な価値をもった名作であり、そしてもうひとつは、その当時としては斬新で演劇史上画期的な偉業を成し遂げたとされる発展のためになくてはならない存在としての名作。 もちろん、両方とも無くてはならない存在なのだと思うのだが、やっぱり私は何度でも楽しめるっていう前者こそを名作と呼びたいと思う。 で、本作についてだが、人間の脆さや醜さをこれでもかと痛烈に暴き立てるということは、演劇史上画期的な金字塔だったのだろうとは思うのだけれど、内面の醜さを描くことが最早極普通の現代においてはとりたてて何ともいえない作品であるといわざるを得ない。ま、早い話が一度観れば十分という、映像美も脚本の面白さもない作品だった。ヴィヴィアン・リーもスカーレットのときのほうがずっと楽しませてもらったよ、悪いけど・・・ もちろんヘタクソな演技なんて言語道断だけどだからって上手きゃいいってもんでもないでしょ。映画は役者の演技力披露大会ではないし、観客を楽しませてなんぼのものなんだと、改めて痛感させてくれるような作品。多分二度と観ることはないだろう。 【ぞふぃ】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-03-24 17:22:38) (良:1票) |
54.ビビアン・リーの迫真の演技、ブランチのキャラクターが痛々しかったです。「そんなに必死に取り繕わなくてもいいよ、そんなに喋らなくてもいいよ」と言いたくなるような感じで、観ていて苦しくなりそうでした。ブランチ的な虚飾というのは、我々の中にも確実にあるもので、その嘘を容赦なく暴いていくスタンレーのケモノ的な強さが恐ろしかった。マーロン・ブランドは登場シーンから圧倒的な存在感で、翻弄されるブランチの様子が痛々しくてはらはらしました。傑作です。でも心が疲れる。 【藤堂直己】さん 9点(2004-01-31 14:52:12) (良:1票) |
53.ブランチがかわいそう。次々家族が亡くなり残っていたのは土地だけ。それも生活力のない元貴族では売るしかなかった。そんな寂しさを埋めるのは男を引っ張り込んで遊ぶしかなかったと。自業自得の面もある。しかしずっと貴族のお嬢様として生きてきたブランチにとって世間の荒波で生きていくことは所詮無理なんですよね。それを義弟のスタンレーがいじめる。確かにひどい。しかし気が触れるほどだったのかなと思ったりもした。しかし解説を読むとレイプするシーンがカットされていたのだという。そうだったのかと納得。老嬢ブランチという設定だが38歳のビビアン・リーはまだ綺麗すぎました。男尊女卑のにおいの残る時代で、経済的にも肉体的にも力のない女性が、男に対抗できる唯一の武器である美貌を失ったときどれほど惨めか。そんな「女の哀しさ」の映画だったように思います。女性はこの映画をどのように見たのでしょうか。出演者がどれも迫真の熱演で見応えがありました。 【野ばら】さん 9点(2003-09-07 19:17:18) (良:1票) |
52.素晴らしい映画。脚本の素晴らしさ、キャストの素晴らしさ、モノクロ映画ならではのトーンが見事に調和している。危ういブランチは、美しく、可哀想で、苛だたしく、 ステラの生活に根ざしたしっかりぶりとある意味での無神経さが頼もしく、スタンレーの粗暴さと破壊衝動と、なぜか反比例する魅力が悩ましい。どれもどこか自分にあてはまり、どこかに嫌悪感を感じる。感情を右に左に上に下に、揺さぶられる。映画のキャラクターに俳優を重ねるのは、ダニエル・デイ・ルイスやエドワード・ノートンといった演技派の名優が嫌う通り、タブーだと思うけれど、この映画と「風と~」のヴィヴィアンに関しては、重ねすにはいられないし、重ねることによって、さらに感動が増す。後世に残したい名画のひとつ。 【ともとも】さん 10点(2003-04-13 10:23:17) (良:1票) |
51.薄皮一枚で狂気を隠そうとする女,それをあぶり出すように責め立てる野蛮な男。醜悪さがぶつかり合いお互いを破滅へ導いていきます。同病相憐れむと逆な作用か。現代にも良くありそうです。ブルーハーツの「♪弱い者たちが夕暮れ~さらに弱い者を叩く~♪」の「弱い者」を「醜い者」にしたような感じです。 【チューン】さん 7点(2002-03-03 11:33:56) (良:1票) |
50.男の最も醜い部分を持った男と、女の最も醜い部分を持った女が出会い悲劇が訪れる。スカーレットという名前通りの咲き誇る大輪の薔薇を思わせる生命力を演じたヴィヴィアン・リーが、丸っきり正反対の安っぽく壊れやすい造花のような女を鬼気迫る表現で演じきり、終始彼女から目を離すことができない。確かにこの演技はどうしても晩年の本人と重なってしまい、ラストの哀感には涙を禁じ得ません。相手がブランチだったら私もスタンリーと同じ事をしてしまいそうなので、ラストはより胸に迫ってきました。8点献上。 【sayzin】さん 8点(2002-02-18 22:34:28) (良:1票) |
49.もうなにも、マーロン・ブランドと、ヴィヴィアン・リーがすごい、なんというか本当に演技か?といわせるような怪演が記憶に残ってしまう。素場らしい。 【min】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-11-12 21:15:10) |
48.舞台か、なるほど。ヴィヴィアンリーのイタい演技が素晴らしすぎる。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-25 00:02:24) |
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47.ヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドの演技合戦が、最大の見所の作品。 マーロンもいいけど、ヴィヴィアンの鬼気迫る演技は驚きのひと言。 ストーリーは序盤から中盤でオチまで読めてしまうけど、舞台劇を観ているような構成が、 こちらの緊張感をラストまで引っ張ってくれます。ストーリーを楽しむ映画というよりは、 完全に役者を鑑賞する映画。アカデミー主演女優賞も納得。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-02-26 02:27:06) |
46.ほとんどが狭いアパートの中でありながら、四人の役者が次々に表情を変えながら演技しているのが素晴らしいと思いました。ひとりにも感情移入できなかったのが残念ですが。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2010-10-16 22:04:25) |
45.怪演が光るヴィヴィアン・リー、よりも、マーロン・ブランドが印象的!!!でも自分にはステラが不憫でならなかった。狂姉と夫と赤ん坊を一人で世話するのは無理! 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-07 13:13:14) |
44.「"まっすぐ"ですって?線路や道路ならともかく、人間の心なのよ」。ここだけよかった。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-02-25 20:52:04) |
43.登場人物四人それぞれに共感、同情できる部分があるのだが、みんな、ずるくて弱いところがある。正反対のブランチとスタンレーが互いに欠点を暴きあうコワさ。若さや美貌が失われていくブランチの苦しみが痛々しい。男性にしてみたら、ただの醜い悪あがきかもしれませんけど、女性はブランチの苦しみが、多少理解できるのではないでしょうか。 そしてこの映画、マーロン・ブランドがめちゃくちゃかっこいい。『地獄の黙示録』あたりでは、妖怪に近いかんじになっちゃってますから。美しいブランドをみると、とても同一人物とは思えません。 人物の描かれ方が、ブランチだけにかたよればスタンレーがただの獣だし、スタンレーだけにかたよれば、ブランチがただの嫌な女になってしまうところを、どちらか一方だけに同情させないようにしていると思う。見方を決められていないので、色々な見方ができる。だから重苦しい映画なのに、何度観ても引き込まれてしまう。 【きむねぇ】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-06-27 00:53:16) |
42.いやー痛い映画です。これとスカーレットのおかげでビビアン・リーという女優自体が嫌いになりました。そんだけすばらしい演技だったということですが。ところで、主要人物のうちマーロンブランドだけこの映画でオスカーが取れなかったんですね。今考えたらどう考えても違和感がありますが(とったのが「アフリカの女王」のボギーと聞いて、ますます違和感)当時のハリウッドの風潮がああいう演技を受け付けなかったという解説を読んで妙に納得。後年のマーロンブランドのハリウッドへの振る舞いがこのときの復讐だったのではという解説を読んでますます納得。伝説的名優マーロンブランドをハリウッドの反逆児へと駆り立てたという意味においても記念碑的作品でありますね。 【陽炎】さん [DVD(吹替)] 6点(2007-08-10 23:13:55) |
41.野性的なマーロン・ブランドと女としての哀しさみたいなものを身体全体で表現しているビビアン・リーの演技が凄い!緊張感漲る二人の演技、凌ぎ合い、この緊張感漲る作品の中で、特に凄いと思うのが、ビビアン・リーの演技で、この映画の中のビビアン・リー演じるブランチはどこか「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラを思わずにはいられない。だからと言って単にスカーレット・オハラを思い浮かべるのはビビアン・リーが単に年を重ねただけでない何か不幸なヒロイン象の中でマーロン・ブランド演じるスタンリーのような野蛮な男達に振り回されつつも強く生きていこうとするその姿に心が痛む。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-10-02 23:21:41) |
40.マーロン・ブランド、映画を食う演技とは正にこのことで、彼の出演作はほとんど彼の色に染まってしまうため評価やコメントに戸惑うことが多い。本作はヴィヴィアン・リー、カール・マルデン、キム・ハンターらも揃って名演を見せ、演劇学校の授業のような雰囲気で物語というより演技の観察に集中してしまった。 【Arufu】さん [インターネット(字幕)] 7点(2006-08-25 21:07:01) |
39.マーロンブランドも良かったけどやっぱりビビアンリーの演技力と存在感は凄まじい!妹の家にやってくるシーンから既に狂気のオーラを放ってたもん。俳優達の演技だけで観れてしまう映画ってなかなかないと思う。 【たいがー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-24 14:35:14) |
38.陰鬱。最後は少し怖かった。展開は遅いけど、眠くはなりませんでした。 【よしふみ】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-06-25 01:59:20) |