1.コーエン兄弟でおなじみのイーサン・コーエン初の単独作品。
LGBTQへの理解がまだ発展途上中の1999年を舞台に、
レズビアンのカップルが車両配送で危険な物品の入った車を受け取ったことから始まる珍道中。
兄ジョエルが撮った重厚な『マクベス』とは対照的に、
超一流の監督と超一流の俳優で撮られた犯罪映画の中身がお下劣B級テイストという落差で、
物凄い無駄遣いしているというか、あれほどの実績を築いたからこそ肩の力を抜いた映画を作りたかったのかな?
徹底的に最後まで下らない内容でもコーエン兄弟らしい含蓄を挟み、
対照的なキャラクターである主演二人は魅力的で、ありきたりなストーリーを乗り切る。
また、一歩間違えば政治利用されやすい同性愛要素はギャグの応酬で深く考える暇すらなく、
85分でコンパクトにまとめたのは正解だった。
でも、自分には合いませんでした。
イーサンの力量なら下ネタ控えめでもう少しサスペンス寄りにできたはずで、ちょっと期待しすぎた。
次回作は兄弟合作に戻るのか、単独で続けていくのかそこが気になる。