78.とてつもない「説得力」を感じた。日・米の視点を同じにし、極力制作側の思想や、生半可な反戦をうたわない部分が、この映画の「説得力」をより強固なモノにしていると思う。日・米の動きを行き来するストーリー展開も、時間枠に違和感がなく丁寧に進むため、各士官の繊細な部分も読み取ることが出来る。朝焼けを背景に飛び立つ日本機のシーンなど、美しく情緒的に描かれており、当時の「日本特有の空気感」までもが映し出されているように感じた。山本五十六の「眠れる巨人を起こし、奮い立たせたも同然である。」のセリフが何ともい得ず、切なく、重く、胸に響いた・・・。 【sirou92】さん 8点(2003-12-05 21:27:13) (良:2票) |
77.正直言って、けして面白いというような感想は書けない。ではつまらなかったのかと言うとそれもまた違う。作品全体のスケール感、CGなんかじゃない本物の映像による迫力と戦闘シーンの凄さ、力強さ、上空から見えるハワイの海、景色の美しさとそして、何と言っても日本人の出演者の豪華な顔ぶれ、昔の日本映画が大好きな私には懐かしい名前、黒澤組、川島作品、その他色々な俳優陣、タイトルがトラ・トラ・トラと来て少ししか出番のない渥美清、我らが寅さんの登場にもっと見せてくれ!あれだけじゃ全く物足りない。と言うようにとにかく出演者の顔ぶれを楽しむという意味での別の楽しみ方をこの映画では見出すことが出来る。アクションもの撮らせて上手い二人の日本人監督、舛田利雄に深作欣二という監督による演出により、生み出された迫力、しかしながらやはり当初の予定通り、黒澤明監督で観たかった気がするし、それ以上に私としてはこのような感じの作品は岡本喜八監督が最も適しているようにも思える。黒澤明監督が撮っていたら、岡本喜八監督が撮っていたら、いや、トラ・トラ・トラなんだから山田洋次監督だろう!なんて考えてもみたりと、色々考えてしまったりもする。山田洋次監督は喜劇だけの監督ではない。それにしてもこの出演者の顔ぶれを見てしまうと今の日本の俳優のレベルは?と思えてしまう。それだけかつての日本には良い俳優、演技力のある本物の映画スターが沢山、いたんだなあ!と思います。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-26 21:41:31) (良:1票) |
76.劇映画なのにドキュメンタリーを見ているかのような錯覚を感じさせるほど、実に史実に忠実に描かれている。物語性は皆無であり、そういったものを期待する人には退屈かもしれないが……太平洋戦争を勉強するための良い教材にはなると思う。真珠湾攻撃後の凄まじいほどの破壊描写と爆発は大いにカタルシスを覚えたが、やはりこれがハリウッド資本によって製作されたという米国の心の広さに感嘆を覚える。「パール・ハーバー」なんか見てる暇があったらこっちを見るべきだ。 【ドラりん】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-24 22:07:34) (良:1票) |
75.感情移入しない淡々とした演出で、国内外の政治的駆け引きを前半これでもかと見せつけた上での、後半の戦闘シーンのカタルシス。大本営発表によって歓喜した当時の日本国民同様、歴史としての敗戦を周知している自分も、奇襲による圧倒的、一方的な戦果を描いたシーンには不謹慎にも興奮、喝采してしまう。 印象的な攻撃シーンとして、カーチスP40がゼロ戦の機銃掃射で離陸前に撃破される場面。何度見ても驚愕する。死傷者が出たという撮影の凄まじさは納得できる。またレシプロ機といえども、急降下で迫りくるそのスピード感はCGでは表せないであろう迫力である。 しかし、本命の攻撃目標たる空母を発見できない状況下、南雲中将の弱腰の帰還命令や、山本長官の虚しい思いを述べたラストシーンで、あっけなく現実に引き戻される。実際、その後目覚めた巨人の国を挙げての復讐戦のすさまじさは、日本国民に取り返しがつかない犠牲を生んでしまった。 ほとんど軍人と政治家、外交官関係者しか登場しない劇中、彼らの苦悩、悲劇がストレートに感じられた。日米合作である事の意義が見事に活かされている。 そして日本軍人の凛々しさと尊厳を、ハリウッド資本の映画でここまできっちりと描く事を是とした米国製作者一同に心から感謝。 【こた】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-22 21:53:05) (良:1票) |
74.映画の大半は、真珠湾攻撃に到るまでの日米両国の動きが描かれますが、まあ、両方の国を顔を立てるような感じの内容に仕上がっておりまして、人によっちゃあ、気に食わないと感じる方もおられるでしょう(「日本側に偏りすぎ」と思う人もいれば、「アメリカに都合よく描きすぎ」と思う人も、いるでしょうねえ。いやはや難しい・・・・・・)。しかしこの映画のニュートラルな視点が、戦争映画としての本作の大きな成功要因になっていると思います。「善」「悪」をひとまず抜きに、徐々に迫る刻限、盛り上がる緊張感がトコトン描かれ、そしてついに戦火の火蓋が切られる。あとはもう、「そこまでやるか」という、怒涛の戦争スペクタクル。これが見事なんだ、凄絶で、美しくすらあります。日本側の攻撃に、離陸することなく破壊され尽くすアメリカ側の戦闘機。巻き込まれそうになる兵士の決死のスタントには、ヒヤヒヤさせられます。あと、“黄門様”のガンコな表情も、印象的でしたね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-05-01 22:26:41) (良:1票) |
73.アメリカのシーンはリチャード・フライシャー、日本のシーンは黒澤明に代わって、日活の舛田利雄と当時まだブレイク前だった深作欣二が監督した日米合作の戦争映画。それだけに日米双方の視点で物語が描かれていて偏りがない。ところで、「パールハーバー」で山本五十六役だったマコ岩松がこれにも役は違うが出ていて驚いた。渥美清のカメオ出演が笑える。もし、黒澤が最後まで日本側監督をやっていたらどういう描き方をしたかも少し気になる。 【イニシャルK】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-03-02 13:41:20) (良:1票) |
72.J・Gの音楽と、オープニングの「(TORA TORA TORA)トラ・トラ・トラ!」のタイトルが印象的です。卑怯な奇襲攻撃だとかいろいろいわれていますが、アメリカ軍は逐一日本軍の行動を把握しており、完全な奇襲というのは間違いでしょうね。それをうまくスローガン("リメンバー・パールハーバー"という奴ね)として利用したルーズベルトの政治的手腕が大きかったということではないでしょうか。それが証拠に、21世紀の今でも、ジョージ・"バカ息子”・ブッシュ大統領が同じ事をクチにするぐらいですから(苦笑)。実際のところは、命令系統が徹底していなかったことと、軍自体の油断(まさか日本軍がハワイを空襲するなんてという。その証拠に、ドイツ軍が日の丸をつけていたのではないかと信じているアメリカ人もいたそうですね)があったのでしょう。それをそのまま映画は描いて見せます。かなり史実に忠実に描いているのではないかと感じます。もちろん日米合作ですから、アメリカにも見せ場を作る事は必要で、それがあの二人のパイロットのエピソードということになるのですが、あれはあれで、日本人である私も違和感なく受けとめてしまいました。冒頭の戦艦の甲板に白い制服の軍人が整列しているシーンには圧倒されますし、ハワイの飛行場空襲シーンで爆破された米軍機のプロペラがカラカラと飛んでいくシーンなど、CGではない本物の爆破シーンなど、迫力を感じます。また、日本側にしても、ただ勝った勝ったと浮かれるだけでなく、最後に燃え上がるハワイの幻影をバックに山本五十六が「アメリカを本気にさせてしまった」という趣旨のことを語るシーンは、その後の歴史の流れを想起させ印象深いモノになったと思います。 【オオカミ】さん 9点(2003-11-16 17:02:21) (良:1票) |
71.ほんのちょっとだけ日本寄りではありますが、比較的バランスよく両国の視点を取り入れているので高評価です。淵田少佐の配役も絶妙です。黒島亀人はちょっと違う気がしますが、いい味出してます。 【malvinas】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-07 11:16:02) (良:1票) |
70.真珠湾攻撃をとり上げた作品としては、最近ではパールハーバーがあったりしたけど、約30年前のこの作品には遠く及ばないですね。この手のモチーフを日米合作で製作したということに驚くわけだが、当時は冷戦の真っ只中でベトナム戦争も泥沼化しつつある情勢だったりしたわけで、そんな世界情勢が影響したんでしょうかね・・・。真珠湾攻撃の情報が事前にホワイトハウスに傍受されていたことは今や常識だが、そのあたりについては、この作品では人為的なミスが複合的に重なったかのような描き方になっている。要するに責任の所在は曖昧なままというわけだ。まさか、ハリウッドが真珠湾攻撃はルーズベルトが仕組んだ罠だったなどとは言えないもんなぁ。それにしても、30年という時間によって、米国の物事に対する姿勢は随分変わってしまったようだ。かつて、このような作品を実現させた米国映画産業に敬意を表して8点献上します。 【ヨアキム】さん 8点(2002-05-02 12:35:12) (良:1票) |
69.今を去ること31年前,高度成長の宴が最高潮に達した日本万国博が閉幕し,いよいよ70年代が本格的にスタートした71年の正月映画がこれだったと思う。当時小学生だった私は(年バレ・・・)親にさんざん,映画館に連れていってくれるようせがんだ覚えがある。しかし,戦後の混迷の時代を生き抜き,高度成長時代の担い手を自認していたであろう(多分・・)私の親は「忙しいから」で一蹴した。それから2年足らずで未曾有の第二次オイルショックが日本中を震撼させることになるのだが,それを予見するかの如き一大戦争絵巻か゜本作である。山村聡の重厚な存在感。J・ゴールドスミスの日本風の音楽。ホイラー飛行場で次々と破壊されるP40。余りに衝撃的な映像が生々しかった。史実ものの戦争映画はこれでこそ生きるというもの。本年の「パールハーバー」は到底これを越えられまい,と思うのだが・・・(済みません,未見です。) 【koshi】さん 8点(2001-11-29 20:27:54) (良:1票) |
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68.記録映画のようでエンタテイメント性はないが、史実に基づき結構細かく丁寧に作られているし、演じる役者も似せているので歴史の勉強として見るにはよいかもしれない。1点気になったのは、山本が近衛(演者がちょっと老けてるのも気になったが)に説明したのは「半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる」であって、作中台詞では半年ぐらい多めになっており、ちょっと時間軸が違うかなということかな。 |
67.今まで見たアメリカ戦争映画とは一線を画すものがあった。 こういった歴史的事実をモチーフにした作品で、更にそれが戦争であるとなれば、その物語性や面白さよりも実際にどの程度則ってどの程度相違があるのかということに私は着眼してしまうのであるが、現実は検証が難しい。 ただ、この作品はあらゆる面で中立な視点で事実を演出したいという意思が見え、好感が持てる。これから歴史を学んでいく人に見てほしいし、自分もその自分に見たかった。 【さわき】さん [地上波(吹替)] 7点(2017-01-17 23:38:00) |
66.渥美清他数名を除いた日本側キャスト陣の臭い演技が気になりましたが史実映画としては見応えありました。結末を知らなければもっとハラハラドキドキしたと思います。後半の戦闘シーンも迫力満点でした。目いっぱい背伸びしている日本と余裕をかましているアメリカが伝わってきます。米での興行成績は振るわなかったそうで、反対に興行的に成功した「パール・ハーバー」も観ましたが高予算低内容娯楽作品でした。こうあるべきだと思うことしか認めたくないのが人間なのでしょうが、実話の映画はこの作品ように作ってもらいたいものです。当時の本当に余裕のあったアメリカの懐の広さに感服します。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-09-18 20:27:02) |
65.本作にはアメリカ戦争映画によく見られる「アメリカ万歳」は無く、かと言って反戦をテーマにしている訳でもない。 日米開戦前夜の双方の駆け引きを、双方の主張や余計なドラマ性を排しどちらか一方の視点に偏ることなく再現しようとした日米双方の心意気が伝わってくるような見応えのある力作。 同じ真珠湾攻撃をテーマにした某大駄作をご覧になられた方、ぜひこちらも一度見ていただきたいと思います。ただ、日本パートで多用される、料亭で流れているような落ち着いた味わいがある純和風の琴の音に緊張感がそがれる。日米合作の良さが出ていた作品でしたが、この部分だけが勿体なかったですね。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-09 17:18:41) |
64.中学生の頃初めて観て以来、大好きな映画です。プラモデルで作った空母や戦闘機がたくさん登場し、本で読んだ有名な軍人が大勢登場。それだけで大興奮しました。この映画をきっかけにしばらく太平洋戦争の本ばかり読んでたのを思い出します。 【ぽじっこ】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-05 18:29:06) |
63.まったくつまらんかった。 暁の発進は大画面でみればなるほどカッコイイかも知れんが、 あとはのっぺりとして退屈。 |
62.日米合作というところが どうしても気持ち悪くて好きになれん。 一応、順を追ってパールハーバーのほうを目にしてみたい気持ちだってなきにしもあらずなんですが、やっぱりやめておこう それは一応、こちらトラトラトラ のほうに敬意を表してということで。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-08-18 20:40:50) |
61.真珠湾攻撃のその時を、日本側とアメリカ側の視点から交互に描いた、 ドキュメントタッチの作品。 戦争映画でありながら、中盤までは両国の立場の心理的な描写を中心に描いているので、 緊張感はたっぷりだけど、あまり重苦しいという印象は受けない。 そのせいか、終盤の迫力ある戦闘シーンは際立った。 あくまで史実の再現ということで、ストーリー性はやや薄く、 登場人物が多い故に、役者の演技を存分に楽しむという要素はあまりなし。 もちろん見応えはあったけど、黒沢が日本側の監督を降板しなかったら、 どんな映画に仕上がっていたのか? そちらも観てみたかった。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-29 09:10:04) |
60.終盤の戦闘シーンはかなりがんばっている。60年代に作られた作品なのでCGはなくミニチュアの撮影部分もあるものの、大半は実物大の生の迫力がある。事実に忠実に作られているようだが、米日合作の割には日本の抜け目ない奇襲攻撃に対してスキだらけだった米軍の状況がきわだって描かれている作品。戦闘に入るまでが長く登場人物も多いので、歴史的背景をある程度知っていないと混乱して状況がわかりづらい気がする。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-09-22 01:58:15) |
59.1970年の映画ですか。ゼロ戦による空中戦、真珠湾の空襲シーンなど、現在の戦争映画よりも見応えがありました。ちょっと文書のやり取りに関するシーンが多かった印象です。実際の開戦間際はあんな感じなんだろうけど。 【noji】さん [地上波(邦画)] 6点(2009-11-13 18:35:30) |