95.例えば感動的な映画を観て、例えば学校の卒業式で、例えば近しかった誰かの葬式で、みんなが泣いている中、1人泣いていない人がいる。そういう時にその人を指して、「どうして泣かないの、何て冷たい人」と平気で言える短絡的な人間を、私は全面的に信用しない。私は、あまりにも近しい人が突然亡くなった時、極限の悲しみと絶望の中、涙1つ零さなかった人を知っている。後にも先にも私は、あんなに壮絶な悲哀と絶望を見たことがない。この作品は、よくある泣きの描写を強制的に見せ付けて涙を誘う、観る側を受動一本姿勢に追い込む、あざとい作品ではない。観る側が賢くなり、能動的に行間を読み取るべき作品。行間を読み取れた時、そこには強烈な感動がある。いい作品ですよ。リアルです。非常に。本当は私は、こういう映画をもっと観たいのです。 【ひのと】さん 9点(2004-02-20 23:17:47) (良:2票) |
94.ヨーロッパのこの体の映画は国営放送の60分番組でやれば良いんじゃないかといつも思う。言葉が全くわからないのでフランス映画だと思っていたが、そういえばイタリア映画だった。 テーマや設定は良いけれど、娯楽的な映画フォーマットに落とし込まれていないので、それをどうとらえるかということになると思う。ストーリーを放棄してしまっているような映画でドキュメンタリー的に見せることもうまくない。その代わり文芸的側面が高くて難しい映画を見たんだという気になれる。ヨーロッパのこういう雰囲気を理解すること自体が難しく感じる。こういう風に感じても製品として高度に練られている側面もあるから。本物の同人映画は半端ではない。そういう出来不出来で語るレベルではなくきちんと完成しているからスゲーと思う、全然面白くはないんだけれど。 アメリカで高評価。だけどその背景には日本に入ってこない優れたアメリカ映画も年中ガンガン観ている人たちが、一風変わった作品としてヨーロッパ映画を受け入れる余裕を持っているからではないかと思う。たくさんの人が微妙な部分を実にうまく受け取っている。 そもそも彼らは映画というものを芸術という概念で観ていないのではないか。我々が思っているよりもずっと、というか我々よりもずっとアメリカ人は懐が深く理解がある。どのような価値も受け容れて面白いと断ずる能力はたいしたものだと思う。 が、だからといってこの映画全然面白くないよね?そう思っているのは自分だけなのか。謎である。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-08-15 12:40:38) (良:1票) |
93.肉親(それもかなり身近な)を亡くしたことのある人には、共感できる映画なんじゃないかな、と思う。息子を失っても世界は何も変わらない。日常生活は淡々と過ぎていく。時には笑うこともある。けれども、心の奥底に悲しみの「塊」があって、ふとした瞬間にそれに触れてしまうと、悲しみが湧き出してきてどうにも止まらなくなる。そして、徐々に何の変化も無い世間とのギャップに苦しむようになっていくが、最後に穏やかな再生への道しるべか示される。肉親を亡くした私自身の体験が、驚くほど類型的に描かれていて「この監督は天才だ!」と思いました。 【ノコギリソウ】さん 9点(2004-02-20 21:56:04) (良:1票) |
92.静かな映画ではありますが、私には十分ドラマチックに思えましたし、心がヒリヒリ痛んで何度も泣けてきました。大きな悲しみと喪失感、「あの時こうしておけば」と何度も何度も繰り返し襲ってくる後悔。それでも時間は流れて行き、残されたものたちはなんとか日常に戻ろうと努力するが、その都度もう二度ともとに戻れないんだと思い知らさせる。そうやって行きつ戻りつしながらも少しずつ進んで行く登場人物達の心が映像によってひしひしと伝わってくる、とても良い映画でした。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2003-09-09 11:51:16) (良:1票) |
91.良い映画でした。最近、同じような体験をしたので身につまされる思いで観ました。ナンニモレッティはこういう日常の生活の物語を描くのが非常にうまいと思います。これがアメリカ映画などの場合だと2重3重の伏線をはって最後に納得できる結末をみたいになると思うのですが、この映画のラストに満足できなかった方なんかはそういう視点で観ているからなのでしょう。”アメリカ映画を見る目でイタリア映画を見ないこと。フランス映画を見る目でアメリカ映画を見ないこと。各国に目と心のレンズを合わせること。”ですね。ナンニモレッティはコメディタッチの作品も好きですが、こういった題材にもモレッティの良さが出ていたと思います。人生にはなかなかドラマチックな出来事なんて起こり得ないんです。母の”人に話すと何かを失うの?”というセリフとその言葉に葛藤する父の姿が印象的でした。 【ビエリ】さん 8点(2003-04-26 00:02:34) (良:1票) |
90.静かに心に染み渡る名作だ。ガンバリズムの日本人には理解しにくいかもしれないが、イタリアという国は人を急かさない。人生を急かない。喪失感にうなだれ、迷い、傷つけあいもし、前に進めなくなっている家族を、監督は温かく肯定している。そんな家族の閉塞感に小さな小さな出口を開けたもの。それが、息子がガールフレンドに送った写真---自室で楽しそうにポーズをとる息子の写真--だ。まだまだ子供だと思っていたあの息子が恋を?息子を慕ってくれる少女がいたなんて?写真に写る息子の部屋で微笑んでいるのは、確かに知っているのに、どこか家族の知らない息子だったのだ。もちろん、それを語るセリフは1つもない。だが、伝わってくるのだ。息子が死んだ瞬間から凍てついていた時間が解け出す・・・。死んだ子の年を数えていては生きていけないのだ・・・そんな諦念。ゆっくりと、喪失感と折り合いをつけていけばいい。ラストシーン、ジェノバ。美しい夜明けの海岸に打ち寄せる波をただ見つめる家族の後姿。セリフは娘の「ここどこ!?今日は試合だっていうのに!」だけ。 これ以上に、この家族の時間が動き出すことを予感させる素晴らしいセリフはない。そして、少女が1人でなく見知らぬ少年と旅立つことも、暗示だ。息子は間違いなく、少女の胸に生きていたが、それは大切にしまわれる過去であるということ・・・。父親が、そのことに触れかけてやめるのも、憎い演出だ。 【ルー】さん 8点(2002-11-23 12:20:23) (良:1票) |
89.「生きている間は決して開けてはいけない部屋でした」という劇場公開時のコピーがやたらと意味深で変な想像ばかりしてしまった。だって年頃の男の子の部屋って。。。ねえ。。。 |
88.かろうじて映画館で見たので良かったものです。ビデオで見てたらまちがいなく寝てます。題と内容関係ないし! 【アイアム琳子】さん 1点(2002-05-25 18:29:37) (良:1票) |
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86.時には辛く重たくなることもあるが、静かに流れる音楽と物語のリアルな雰囲気がとても良い。息子が亡くなったことで劇的な変化が起こるわけではないのだが、心の中の変化はやはり大きかったのだろう。最後に息子のガールフレンドとそのまたボーイフレンドを送った朝がすがすがしかった。これで心の整理がついたと信じたい。それにしても精神科医とは大変な仕事だ。自分の精神状態だけでも大変なのに・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-26 21:54:49) |
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85.ラストシーンの突き放した雰囲気が切なかったです。 「By This River」素敵な曲ですよね。 6点献上。 【棘棘棘棘棘棘棘】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-23 19:50:01) |
84.喪失感が伝わるはずのところで肩すかしされたり、文化の違いなのかあまりにも淡々としすぎていて感情移入しどころがなかった。ドキュメンタリー風の抑えた演出が味なのかも知れないが、正直乗り切れなかった。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-10-20 12:46:15) |
83.終始悲しい雰囲気に包まれながらも、穏やかな風景のカットが繊細に配置してあったり、人の温かさを感じられるシーンが随所に見られたりと、温かい気持ちで見ることができる。 ただそれが味といえば味なんだけど、あまりに起伏がなく緩慢な展開に何度も飽きそうになってしまった。診察のシーンは大事だと思うけど、果たしてあそこまで多く入れる必要があったのかな。 【チートイ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-01-14 21:09:32) |
82.最近娘役の女優がかなりお気に入りで、彼女の演技に気を取られすぎました。泣いたときの演技は彼女が一番自然な感じがしました。母親役の人はフランス映画で見た気がするのですが…。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-09-03 23:02:34) |
81.精神科医っていう設定が良い。淡々とした流れながらじわじわと込み上げてくるものがありました。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-10 12:31:27) |
80.とにかく何にもない映画。 息子を失った家族をダラダラ描くだけ。 【カラバ侯爵】さん [地上波(字幕)] 0点(2007-12-05 05:42:37) |
79.うーん、わかるんだけど、うーん。なんて言えばいいのかな。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-01-31 20:11:17) |
78.息子が突然事故死したら、タラレバで、後悔する気持ちはわかる。ただし、それも次第に仕方が無いで済まされていくんだと思う。ただし、これが自殺だったらどうだろう?それこそ助けてやれなかった後悔を一生背負って生きていく事になると思う。また、これが殺人だったらどうだろう?悲しみは時間が解決するけど、憎しみは一生消えないんだよね。一口に息子の死といってもその要因次第では、「時が流れて、現実を受け入れて・・・」なんて簡単なものじゃないと思うけど。俺が執念深いだけかな? |
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76.どうして、好きな人に会いに行くのに、ボーイフレンド(らしき人)と一緒に来るのでしょうか?私的には理解しきれなかった。 【ぱんこ】さん [DVD(吹替)] 4点(2005-06-06 21:28:36) |