34.料理がひとつの芸術であり、優れた料理がいかに人に影響を与えるかが、これ以上は望めないくらいの説得力をもって伝わってくる。晩餐のシーンのこれ以上でも以下でもいけない抑制の効いた素晴らしい演出から、見事なオチへと持っていく。ガブリエル・アクセル監督の映画文学。アシール・パパンとレーヴェンイェルム将軍の人生を見つめる作者のまなざしが、人生の酸いも甘いもかみわけたような人の寛容さと愛情を感じさせて暖かい。 【アンドロ氏】さん 9点(2003-01-02 00:00:42) (良:3票) |
33.わー、もの凄く暮らすことを躊躇しそうなわびしい19世紀のデンマークの寒村だ、とまず寒々しいロケーションに圧倒される。そこに生まれ、出ることなど夢想すらしない敬虔な姉妹。二人の“何事もなかった”それぞれの人生に降って沸いた二つのできごと。この二つのことが年月を経て、不思議な発酵力を見せる。こんなに何も無い場所にも人生の妙は訪れるのかあ。バベットは神様が遣わしてくれた「世俗の喜び」なのかも。質素な食事も良いけれど、美味しさで心を満たすこともそれはとても幸福なこと。 厨房でのバベットの所作が凛として、出来上がる料理も目を奪われるほどに美しい。あ、でもうずらが籠の中でぴよぴよ鳴いていたのにはひるんでしまった。私は軟弱だ。 こんなにも地味で難しいテーマを映像化した、その懐の深さと滋味溢れる味わいに脱帽しました。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-01-17 00:40:52) (良:2票) |
32.5番目の方のコメントでありましたけど、それに全く同じくで、もうさ、理屈抜きで好き。最後は期待してた程の大感動までには至らなかったのですが、それがかえって良かったのかも。じわ~~っと来るあの暖かさがとても好き。更には、料理の味に全く触れようとしなかった爺さん婆さんたちのボケぶりもまたお見事で。そしてみんながみんなとてもお茶目でかわいらしくって。とってもほのぼのって気分にさせてくれました。 そして最後に私が替わって言っておいてあげましょう、バベットご苦労さん。結局、誰からも美味しかったよとは言ってもらえなかったねっ。けどさ、あれで良かったのだよ。わたしゃ感動したよ、しましたよ。ご苦労様でした。。 【3737】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-03-06 00:23:47) (良:2票) |
31.じいさん、ばあさんと、こういうハッピー・サッド系には弱いのだ。登場人物ひとりひとりの表情までよく出来ていて、これ以上足さず引かずのバランスが絶妙だと思う。 【羊飼い】さん 10点(2003-11-07 00:28:00) (良:2票) |
30.もう理屈抜きで好き。なんでかよくわからない位自分的にはまってしまって、小劇場に3度通い、NHK放映分をビデオに撮って数え切れないほど観ました。抑制の効いた映像、音楽、ナレーション。宗教的ではあるけれど決して啓発ものでもなく、上品なユーモアがそこここに溢れていて・・・とにかく好き~(*^^*) 【Rei】さん 10点(2003-04-15 13:38:58) (良:2票) |
29.淡々と進むお話の最後にあったオチは、ひとつの真理です。うまい食い物は人を幸せにする。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-12-18 05:49:25) (良:1票) |
28.エンドクレジットが流れ出すまでに、一言でも「美味しかった…」と云う言葉を探していたが、それは“言葉”と言う形を取らずとも、晩餐の場に満ちた“気持”と云う形で表され。バベットの“誇り”は尚のこと輝き。テーブルを囲んだ人々の顔には“至福”が満ち。そして、観る人の心に淡色の感動をもたらした。 ゆるうり..と流れてゆく中盤には、まるで“色”を持たぬ様に静かに、彼らの村を支える北海の如く頑な空気を漂わす。それは、信仰心であり、己自身を縛る“想い”。姉妹の元に突然流れ着いたバベットは革命の糸。その一夜、人々の心に変化を織りなす為の…。 今まで観て来た「シェフ」が活躍する映画の中で、彼女ほど格好良いと思ったシェフはいなかった。それと同時に、彼女ほど厨房で美しく見えた人はいなかった。今後、私の中でこの作品を上回る作品を見付けるには時間を要するだろうと思う。 【MAZE】さん 10点(2004-05-22 17:35:14) (良:1票) |
27.洋の東西を問わず、宗教の本質が自己を肯定することならば この映画はささやかに大事なことを教えている。 若き軍人もオペラ歌手も惚れた女に対する己の推しの弱さに何度なく後悔しただろう。 しかし想いは永遠に活き続ける。姉妹はあの日の出来事を胸に敬虔を貫く。 バベットはなぜフランス料理を作ったのだろうか。過去との決別か、 自分が誰か知る為か。しかし、この映画はその理由を何も意図していないような気がする。 【michell】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-05-10 00:00:16) |
26.前情報無く、なんとなく干渉しました。これ何の映画なんだっけ?という時間を過ごしつつ、静かに回収されていく伏線。終わってみると、思いの外深く、興味深い映画でした。鑑賞を途中で投げ出さなくて良かった!腹減った!! 【ババロン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-18 23:19:36) |
25.いい作品だとは思います。あり得ないほどの偶然がいくつも重なる話ですが、前半の伏線もきちんと活かしているし、終盤の凛としたバベットの働きぶリも、さすが〝芸術家〟という感じ。 しかし、見慣れないデンマーク映画のせいか、かなり違和感があったことも事実。まず「美人姉妹」との触れ込みでしたが、「それほどでもない」というのが正直な感想。だいたい若い時代でさえ、けっこう老けて見えます。序盤は「この人たちと2時間つき合うのはけっこうキツいなぁ」と不安に思ったものです。 それに、バベットの登場で話は急展開していくわけですが、どうにも演出が地味。村人の心境の変化にしても、姉妹のバベットに対する思いにしても、わからなくはありませんが薄味です。何でもドボドボと醤油をぶっかけたくなる私には、晩餐会の上品な料理はいささか口に合わなかったようで。 【眉山】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-04-16 05:27:13) |
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24.姉妹の凛とした生き様、バベットの超一流料理人のプライド。三人に心まで貧しくなるなと教えられます。ローレンスの告白は切なく胸が詰まりました。 |
23.どうってことない話ですが、清貧な人たちの心情を無駄のない淡々とした描写がしっかり伝えてくれます。質素な暮らしと贅沢な飲食のコントラストを観ながら人生にはメリハリが大切との思いを強く抱かせてくれる映画です。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-02-17 22:27:21) |
22.絶版なのかなかなか入手できませんでしたがようやく視聴することができました。宗教にすべてを捧げてきたのは老姉妹だけかもしれませんね。世俗に「毒されてる」私からみればかわいそうであのおやっさんが許せないのだが、本人たちはいたって幸せそう!なんだかんだ言って将軍が一番悟りを開いていた印象です。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-02-10 16:51:36) |
21.2人の姉妹を中心に物語は進むのかな、と思っていたけど途中から思わぬ人が話の中心になった。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-02-10 04:22:23) |
20.多分、観る時の自分の感覚や状況で評価も変わるんじゃないだろうか。 特に前半は地味なので、これがいい映画だと思っていなかったら観るのをやめていても不思議ではない。 それでも、どんどんと引き込まれる。特に祈りの歌や言葉もその意味を考えてしまうぐらいジックリとくる。 とても静かな作品だが、「過ぎてしまった過去とこれからの人生」をちょっと考える。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-02-08 00:08:59) |
19.とても淡々として静かな映画。不思議な空気を醸し出した映画。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-01 17:21:41) |
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17.ひさしぶりに見ました。何度見ても心にジワ~と沁みてくる、良い絵画を目にした時のような静かな感動をおぼえます。いつも寒々しい部屋で口論しているみんなが、美味しい料理を口にすると、「料理の話はしない」のに、心が温かくなって、ムードまで温まる。そういう雰囲気が素晴らしく素敵でした♪ ゴテゴテした余計なドラマ色を排しながらも観る側を飽きさせない大人向けの作り、傑作だと思います。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-12-13 21:50:03) |
16.ポジティブな意味でもネガティブな意味でも印象に残らない作品。 嫌なシーンがあるわけでもなく、印象的なシーンがあるわけでもなく… 過去に見ていて、それを忘れていてまた見たとしていても違和感がない、それぐらい自分の印象には残らなかった。 老いてから見たら違うのかなー |
15.晩餐会の準備からがこの映画の真骨頂。ホントにみんな旨そうに食うので、思わずニヤリとしてしまいます。スッキリとした後口の、素敵な映画です。 【Fukky】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-09 03:48:56) |