5.ラストシーンの切なさが堪らない。力「だけ」が正しいと考える二人を演じるジェラール・ドパルデュー&ヴォイチェク・プショニャックの動と静の気迫溢れる台詞回しに惹き込まれた力作を堪能しました。 |
4.映画はシナリオ文学ではないのだから、言葉にだけ感動してはいけないのだろうが、これは一つ一つのセリフに革命に対するワイダの思想の練り返しが感じられ、重い。人民の政府であるはずの共産国の作家が「人民の敵は政府だ」と叫ばねばならない悲痛さ。実質の主人公であるロベスピエールが「ダントンを裁いても裁かなくても革命は崩れ去る」という恐怖。人民に誠実であり続けるためにはダントン的人物が必要であり、しかしそういった人物が革命の輪郭を溶かしていったりもする。当時はダントン=ワレサとすぐに思わされたが、おそらくもっと普遍的なものとして捉えようとわざわざ過去に題材を採っていたのだろう。人民のための革命が専制独裁になっていくメカニズムが今までにも何度も繰り返されてきたのはなぜか。恐怖政治下の人々の描写がリアル。身分証明書を求められて怯える少女や、革命憲章をビクビク暗証させられている少年などがよく、これがラストのロベスピエールの恐怖と共鳴する仕掛けになっている。全体に青ざめた色調。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-10-09 10:33:58) |
3.ずいぶん昔に、岩波ホールで見ました。その時思ったのは、どうしてこの映画の題名は、「ロベスピエール」ではなくて、「ダントン」なのだろう、ということでした。ロベスピエールという権力者の苦悩の方が、生き生きと、説得力をもって表現され、「ダントン」は、単純ナイーブ、無責任、文句ばっか野郎にも受け取れたからです。、、、、、、それでも敢えて自由を高唱するダントンを評価しよう、どんなに苦悩していても権力者は権力者なのだ、というのがワイダのメッセージなのだと暫定的な解釈を与えてきたのですが、、、、、、、、、、それからずっと、もう一度見て考えてみたいと、新しいビデオ屋に行くと探すことにしているのですが、、、、、不幸にしてまだ巡り会えず、今日に至っている次第です。 【王の七つの森】さん 7点(2004-07-06 11:24:02) |
2. フランス革命をジャコバン恐怖政治の内幕としてポーランドの硬派アンジェイ・ワイダ監督が発表した傑作。主人公ジョルジュ・ジャック・ダントンの豪快な人物像を売れっ子ジェラール・ドパルデューが重量感たっぷりに熱演して見事。ただ…歴史に残るダントンの肖像はぶっちゃけブ男なもんで、ドパルデューではチト男前過ぎるのが難と言えば難。それでも、コレ以前のフランス革命ネタの映画はほんの味付け程度のライトなモノが殆どだっただけに本作の希少価値は矢張り揺るぎないものだと思う。ロベスピエール役を演じたヴォイチェク・プショニャックは名前からも分かると思うが、ポーランド本国の舞台版も演じただけあって正に鬼気迫る圧倒的な迫力で絶品の演技!!個人的には本作のMVPだと思っている。「王道」から外れた余りに重苦しい作風とドパルデューが似てない点を若干割り引いて…8点。歴史好きな方は必見!! 【へちょちょ】さん 8点(2003-02-26 04:37:47) |
1.ワイダ映画の中で必ずしも最高作とは位置づけられていないようですが、政治の論理を描いた映画としてはこれに勝るものは見たことがありません。ダントンとロベスピエールの対話の緊張感! 【モリブンド】さん 10点(2002-12-31 00:07:07) |