234.ただのアクション映画ではないです。 美意識の高い映像の美しさと中国ならではの迫力。奏でられる音楽に酔いしれながら、「動」と「静」が見事に融合した素晴らしい演出。 「剣」と「書」という中国の文化を描きながらも、この映画の根底に流れる平和の思いは、今のこの時代にも相通ずるものを感じさせずにいられない。 この映画の出演者全てが英雄だとは思うが、残剣と秦王こそ英雄の中の英雄だと思う。 残剣が願った飛雪と故郷で平和に暮らせる世であって欲しいという思いとそれがもはや、かなわない夢であるため、死を選んで自分が愛する人に教えるしかないという哀しさ。 また、秦王の為政者としての誰にも理解されない孤独と真の理解者が現れた時の心が晴れた潔さ。 ラストもこれから天下統一を図るためにも自己の制定した法を破れば部下に対しての示しがつかないのを悟り、苦渋の選択をしなければならない姿には感動した。時間が短い割にはこれほど中身が詰まった映画も珍しい。 自分の命を賭しても伝えたいそれぞれの想いに胸を熱くせざるを得ない。 【六本木ソルジャー】さん 10点(2004-06-25 15:47:39) (良:4票) |
233.登場人物の心の機微をスタイリッシュで美しい映像で切り取る稀代の名監督がアクション映画を撮る! 出演はジェット・リーやマギー・チャンといった国際的な俳優! これで心躍らせない映画ファンは皆無だろう。自分も2003年度、最も期待するものを観に映画館に足を運んだ。しかし、しかしである。裏切られた。期待していた分それはは尋常ではなかった。あまりにもチープすぎる。まず、あの脚本。単調すぎるが所以、途中何度も睡魔に襲われた。いくらアクション映画であり、映像が主であるといえどもあそこまで人を嘗めた話はない。嘘→妄想→真実と同じような話を換骨奪胎して進める手法。確かに「羅生門」で使われた手法であるが、今作では明らかに真実が明白なためそこにミステリー的興奮もない。冗長なだけ。更にはアクションシーンも延々と同じテンポで進み飽きる。最初のジェット・リー対ドニー・イェンのシーンには映画的興奮を覚えたが、それから大きく失速。加えて派手なCG処理はコントかとも思わせ失笑を禁じえなかった。監督の映画撮影のリズムはラブストーリーやヒューマンドラマには向いているのだが、アクション映画には適していないのだろう。本当に退屈だった。(映画館) 【komati】さん 3点(2004-03-04 22:58:56) (良:2票) |
232.真っ赤な嘘が疑念の藍に染まり、遂に真実の碧色が白日の下に晒される。確かにこの演舞と映像美は一見の価値があるのかもしれませんが、私は本作から新しさを感じることが全く出来ませんでした。この映像から真っ先に連想したのは「トラフィック」、そして(李安でも陳凱歌でもなく)王家衛。衣装・美術からは「ザ・セル」。太鼓のリズムと胡弓の音色をBGMにした達人の決闘は「グリーン・デスティニー」等と寸分と違わない。それに、衣装は変われど殺陣も全編変化無し(一番期待してた3,000の兵対2人の殺陣もサラっと流しただけ)。となれば、以前見たことのあるモノばかりがクドい位に繰り返されてる様にしか見えません。演出的には明らかに失敗作だと思います。ということで、努力の後の見える映像に+1点して5点献上。 【sayzin】さん 5点(2004-02-07 14:18:39) (良:2票) |
231.映画の予告に力をいれる意味が分かる。なぜなら、良い評判が口コミでまわる映画ではないからです。こういった映画に対して良いコメントをする映画評論家はいらない。いくらお金をもらっても仕事に信念をもってやってほしい。 【シネマパラダイス】さん [映画館(字幕)] 2点(2004-12-30 16:03:51) (良:1票) |
230.優美な音楽と華麗な衣装。しかしそんな美しい世界を台無しにする、失笑必至の剣術アクション。なぜこんなことになったのだろうか。 この映画のほとんどのシーンは(映画内での)事実ではない。無名が秦王に謁見して状況説明をしている際の、彼が頭の中でイメージしている場面風景である。恐らく、無名は運動音痴なのではあるまいか。そしてそれがコンプレックスになっているから妄想の中で彼はスーパーマンのような活躍をする。しかし、基本的な運動能力がないため、真に超人的な動きをイメージすることが出来ない。知らないからだ。見ている者にとっては冗談のような奇っ怪な直線運動や回転運動が、彼にとっての超人的動きなのだ。 幾つかの場面は残剣の妄想か。「嗚呼、飛雪に刺されて死にてぇ!そして飛雪は私のために涙を流すのだ」とマゾヒズムな妄想を何度も何度も繰り返す。その気持ち、僕には可笑しいほどよく分かる! いや、まてよ。或いはこの話全てが秦王の妄想ではないだろうか。「私はこんなに凄い人に狙われ、かつお互いを理解できるほどの大人物なのだ。」という妄想。側近が刺客の素性や背後関係の徹底調査をすると困るので、肝心な刺客の名前は「無名」とすることでお茶を濁した。これは邪推だろうか。 映画を見終わった直後の感想は、「ツマラナイ映画」だった。しかし、あとからいろいろ考えるうち、考えること自体が俄然面白くなってきた。そう、この映画のキモは妄想を楽しむ事なのだ。僕がこれに気が付いたのは2,3ヶ月前に黒澤明の「羅生門」を見た事が影響を与えてくれたようだ。本当に気が付いて良かった。映画3点。妄想4点。気が付いた事に対するボーナスポイント2点、計9点。 妄想を楽しむ映画ではあったが、ただ一つ、確かなことがある。「歴史ある我が偉大な中国には、かつてこんな英雄がいたのだ」という妄想を、チャン・イーモウが抱いているということだ。 【flyhigh】さん 9点(2004-10-11 14:43:51) (良:1票) |
229.中国というコンテンツをどう撮るのかということを考えると、絶対にこの映画の方向性は間違ってると思う。ハリウッドでは受けるかもしれないが100年後に残ってるとは思えない。4000年の歴史を謳うなら100年くらい後世に語られる映画を撮らねばダメでしょう。美しさと重厚感とリアリティ。生まれながらにしてそれを持っている数少ない国だと思うんだけどな。日本なら例えば小津、黒澤等々。強烈に日本を感じさせる映画がある。中国はそれ以上のエネルギーを持っているはずなのに、こんな映画で喜んでいるなんて勿体無い。中国人の狂信的な愛国心と熱狂的なロマンチストぶりを再認識。そしてその危うさを実感。やっぱりアメリカへの憧れはあるんだなと。 【まこと】さん 4点(2004-09-27 22:04:28) (良:1票) |
228.DVDで2回観ました。1回目はアクションやストーリー中心で観たら、人間離れしたアクションが目に付いてスッキリしなかった。特に湖のシーンは嫌になった。でも2回目は残剣と飛雪のラブストーリーとして観たらスッキリと観られた(湖のシーンもトニーの動きのみ観ていた)。トニーレオンはアクション上手なんですね。手の動き(特に左手)がきれいでした。踊っているように見えました。ジェットリーのほうがすごいんでしょうが、トニーのほうが洗練されているように見えました。それは顔なのか、役なのか、私の好みのせいなのか・・・。 【がんな】さん 7点(2004-08-27 20:44:23) (笑:1票) |
227. とにかく綺麗で、素晴らしい。静かな雰囲気も好き。期待というのは、まず裏切られるもので、あまり前情報がなく観た方がえてして 感動するもので、これもそうでした。難しいことはよく分からないけど、とにかく色が美しいし、あっという間に終わっちゃった、という感じで、かなり満足です。 ● ワイヤーアクション使い過ぎ、という意見もわからないでもないですが、そう言われてみれば、という程度で、観ている間は、別に気にならず夢中で見てました(^-^;)。 ● ところで、この映画に限らず、途中で寝てしまいました、とかいう人がレビュー書いて点数をつけているのはいかがなものかと。そういうことを書きたくなるくらい、ひどい映画だったんだよ!という気持ちはよくわかるっ。でも、それでも、ルール違反という気がします(点数の高い低いに関わらず)。やっぱりレヴューを書いて点数評価をする以上、 最後まで全部観るのがスジってもんでしょう。 【NOW】さん 8点(2004-02-01 01:15:11) (良:1票) |
226.中国の色彩というのはともすればエグくなってしまう程に鮮美だが、どこか抑制が効いている。残酷なまでの鮮烈さを悠久の大地の砂の色で中和し、目に痛くないぎりぎりの色彩を放っている。とにかく美しい。凄い映像スケールだった。考えてみたら、日本人が石オノを持って獣を追いかけ回していた頃に、中国ではすでに幾つかの国が栄枯盛衰を繰り返していた訳だから、それはそれは恐ろしい国ですよ(笑)。そういう「悠久の精神性」を描かせたら中国に及ぶ国はどう考えたって存在しない。こういう奥行きのある映像もいっぱいいっぱいじゃなく、軽々と表現してしまう。この「英雄たち」の物語ですら歴史の一端、歴史の藻屑なのだ、と言い切ってしまう。そして「大局を見て己を捨てる」、そういう歴史の塵芥の姿に英雄を見る。それは東洋思想の極限の形で、西洋主導の現代的な英雄像に対する強烈なアンチテーゼだ。目立つこと名声を得ること歴史に名を残すことが英雄の条件ではない、そう私も常々思っているので、この作品のメッセージ性には素直に賛同したい。ストーリーに関しては、何度もの繰り返しがくどい、という見方が大半だけれど、私はこれで構わないと思う。きっと中国という国には、何度歴史を繰り返しても余りある程の時間とキャパシティーがあるのでしょう。 【ひのと】さん 9点(2004-01-31 12:06:10) (良:1票) |
225.映像はすばらしい。迫力もありました。でも僕が何よりいいと思ったのはストーリーです。巷では単純という話も聞きますが、全くそんなことはないと思いました。最近テンポのいい台詞だけでストーリーを進めていく安易な作品が多い中、台詞のない部分で多くのドラマを語る上質な作品でした。一流の人間が対峙した時の紙一重の世界が非常によく描かれていたと思いました。 【りゅみぇ~る】さん 10点(2003-10-20 16:49:40) (良:1票) |
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224.始めの30分は食い入るように見ていました。しかしそのあとは延々と繰り返される似たようなシーン、似たような音楽が続き、本当に寝てしまいそうでした。がっかり。 【ぱぴんぐ】さん 3点(2003-09-17 22:33:32) (良:1票) |
223.アクションシーンが綺麗だし予想していたよりも面白い。もう少し重みのあるストーリーで、見せ場があればもっと良かったと思う。 【SAEKO】さん 7点(2003-09-13 17:57:41) (良:1票) |
222.確かに映像は奇麗でした。アクションでは剣術シーンでの剣のしなり方が効果的でよかったと思います。主題はいいのですが、ストーリー展開にスピード感がないのが残念です。 【winger】さん 7点(2003-09-08 01:34:32) (良:1票) |
【TERU】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-08-30 21:18:14) |
220.画とアクションを楽しめる映画。それにしてもこの監督の色彩は綺麗。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-01-09 23:56:58) |
219.映像がとても綺麗。 場面によって、『色』を決めているという監督のこだわりは凄いと思う。 アクションで壮大に描かれる物語には一見の価値あり。 |
218.カンフーをここまで美しく撮った作品は前例がなく、芸術的には満点に近い作品だと思います。カンフーといえばB級娯楽のイメージが強い中、重厚な時代劇でこれを見せた監督の腕前は驚異としか言いようがありません。また、ジェット・リーを演技派に見せてしまう演出力も大いに評価するところであり、良い監督の良い仕事を見られる作品として一度は見る価値のある作品だと思います。。。ただしこの映画、構成に大きな失敗がふたつ見られました。第一の失敗は、ジェット・リーvsドニー・イェンという作品中最高の見せ場を序盤に持って来てしまったこと。達人級の二人の対決を超える見せ場など作れるはずもなく、序盤をピークとして尻すぼみにテンションが落ちていきます。もうちょっとうまく配分して欲しいところでした。第二の失敗は、同じ場面の回想を三度も繰り返したのはしつこすぎたこと。トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイーはみな素晴らしい俳優なのですが、同じ場面を何度も何度も見せられるとさすがに飽きてしまいます。オチを知ってから振り返っても回想を重ねることの意義を感じることができず、あんなに手の込んだ回想場面を作る必要はなかったように思います。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-11-27 22:40:53) |
217.みんな命を犠牲にして、っていうことならもっとよかったのに、 結局北斗なんとか拳みたいに都合よく死なないってどうなの? 展開は読めるし、結局王が皇帝になるんで死なないのはわかってるけど、 一番感じたのはまだまだマギーチャンのほうが格が上だってことぐらいかな。 最初の無名が進んでいくシーンが結局一番かっこよかった。 |
216.陳道明が真ん中に鎮座してるだけで画面が引き締まる。いい声だよなぁ。 【mimi】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-01 21:19:17) |
215.あまりにもフワフワ浮きすぎなのはなんかワイヤーの使い方が下手なんじゃないかという感じだが、筋の見せ方は映像含めて結構良かった。まあどっかで観ましたとも言えるけど。 【デフォルトモード】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-01-23 20:34:51) |