231.二人の間で交わされる「愛」は複雑だ。マチルダの思慕の念は恋に近い。彼女にとっても、生まれて初めての「守ってくれる大人の男性」だった。夢中になるのは自然なことだろう。ナタリー自身は、マチルダのことを、「体は子供でも心は大人」と意識して演じていたようだが、やはり、いくら背伸びをしても届かない哀しさと健気さがマチルダの魅力に思える。レオンの揺れ動く感情はかなり微妙である。一番最初に助けを求めるシーン(このときのナタリーの演技はすごい)で、何故、彼はドアを開けたのだろう。あの瞬間から、レオンに「情」が蘇ったのだ。殺し以外の理屈にはヨワいレオンが、少女に理責めで説得されてしまうあたり、この作品の魅力。守ってあげたい、という言葉は恐らく不適切で、今までの人生と命をひきかえにしても、守らねばならない存在になっていく、その心の動きがドラマなのだ。同情で人生は賭けられない。人間らしい喜怒哀楽を取り戻したレオンにとって、マチルダを見捨てることは、再び人間性を棄てることと同じなのだ。「愛してる」この痛みすら感じるレオンのセリフ。単純な恋愛のLOVEではない、すべてが昇華した「純愛」がそこにある。だが、凶暴な純愛は、暴力によって育まれ、暴力によって消え去る・・・。ラストの哀しくも安らかなシーン。涙が止まらなかった。欲をいえば、ラスト、校長室から先は、セリフは邪魔だったように思う。ところで、完全版で追加されているのは、以下のシーン。☆レオンが殺し屋になったいきさつ ☆2人で殺しのトレーニングをするシーンを大幅にUP☆マチルダの愛の告白に心が揺れるレオンの描写子供に銃を持たせるシーンには、いろいろ批評もあったようだが、この作品では、欠かすことができないシーンだ。なぜって、レオンは銃の扱いを教えることでしか、マチルダの「心」を救えないと知っていたからだ。19歳だった頃の自分と同じに・・・・・・・。破壊的で哀しいだけではないラストにベッソン監督のセンスが光る。根を張るのはレオンの魂。陽の光を浴びて伸びゆくであろう枝葉は少女の未来の象徴なのだ。 【ルー】さん 9点(2002-11-23 09:25:57) (良:4票) |
230.レオンのレビューではマトモな感想を書かなかったので、ここでは一つ感想を。レオンってのは小学生のマチルダと中年オヤジのレオンとの恋愛を描いたロリコン物、言ってしまえばベッソンが日頃から溜めていた妄想を一気に爆発させたような物語なのですが、ここまで日米でヒットするとなると、ひょっとして世の中にはロリコンが大勢いるのでは?と疑いたくなりました。 それにしても、マチルダ役の女の子が「ベッソンは人間のクズだ。」と証言していた情報から推測するに、きっとニキータのときと同じように演技指導と称してイロイロとイタズラされたんでしょうね・・・。 【秘宝館長】さん 1点(2002-01-24 20:29:28) (良:1票)(笑:2票) |
229.初めて見たときは小学生の時で率直な感想は“暗い映画”だった。2回目は中学生の時、“ただのロリコンじゃん”。3回目は高校生の時、“やっぱりただのロリコンじゃん”。あれから数年の年月を経て改めて見なおしてみて、この映画の本当の魅力に気づいた。“ナタリーたん萌えー”。 【8823】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-25 07:59:35) (笑:2票) |
228.家族を殺されたマチルダの、ドア越しに救いを求める表情に衝撃を受けた人は多かったのではないだろうか。自分もその一人だ。 レオンのドアを開けるか躊躇する表情も良い。女子供にも容赦ないスタンスフィールドのいかれっぷりも最高。 レオンとマチルダの間にある、親子の愛とも、恋人同士の愛とも、どちらともいえない曖昧で、しかしながらとても深い愛は、考えれば考えるほど泣きそうになる。特に大人になるとそうだ。 こういう素晴らしい映画は10点つけなきゃ。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2019-01-15 11:15:42) (良:1票) |
227.何回も観てますけどシンプルでやさしい。 アクションジャンルとしてはこれほど『美しい』という言葉が良く似合う映画もないかな。 本作を引き立てたのは当然ナタリー・ポートマン。絶賛したい。スターウォーズ・アミダラ役とはまた違った女性の魅力を醸し出してます。 |
226.いまさら特に言うこともないでしょう。傑作です。この映画を観て以来、ナタリー・ポートマンを追っかけ続けています。 【bolody】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-08-07 10:40:54) (良:1票) |
225.私があんまり絶賛するもんで、初見の夫が文句たらたら。「なんだよ?ギモンだらけで終わった」「なんで○○が××したの?」「そんなに言うほどじゃないじゃん」「単なるロリコンじゃん」「どんだけ凄いのかと思ったのに」 それなのに翌日ハードディスクから抹消した私に対して夫が「えーもう1回観ようと思ってたのに!」「また録っておいてね」なんだよ。2回も立て続けにみる気かよ(笑) 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-19 23:59:24) (笑:1票) |
224.劇場版を含め何回も観ているので、今更なのだが、久し振りの鑑賞で思ったこと。エリック・セラの音楽の素晴らしさ。独特の流れるようなカメラワークと一体化した旋律。そこに主演三人の演技が加わることで、映画芸術として完成度の高い作品となった。リュック・ベッソン監督の最高傑作。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-03 12:52:48) (良:1票) |
223.なかなか面白いことは間違いないんだけど、なんかイマイチだ。 追加された部分がものすごく蛇足で、かなり不完全になっちゃった感じがする。マチルダがティーンズ向け雑誌やアニメで覚えた恋愛表現を優しく受け流すレオンを表現したかったのは分かるけど、マチルダの性格造形が雑で素直に観るのが辛い。 レオンの過去をしゃべらせるトリガーが、マチルダが性交渉をせがむこと、というのもいかん。倫理性を大きく損なう犯罪を絡めると簡単に脚本にエッジが効くのは分かるけど、それを嫌って入れなかった保険の場面じゃないのかこれは。なぜ入れたんだろう。 少年的な表情と体の動きで当惑するレオンにセックスをせがむと、過去の人への愛を語り始める。これもレオンのキャラ造形を揺らがせてしまっているように思う。よく言えば幅が出た、だろうか。でも、トニーのほんの少しの台詞から、過去を想像させた方が良かったはず。レオンの涙ながらの吐露も想像を具体的、確定的にさせてしまう効果になってしまっているようでもったいなかった。 マチルダの性格を極端にしてしまった結果、あの演技をかわいいと思えないという人もいるんじゃないだろうか。とはいえ、それほど考えさせる映画ではないので、素直に見入れば良いことかもしれない。劇場版の方が高品質というだけ。 完全版じゃない方を最初に見ておいて、もっと世界観に浸りたいっていう感じで使うと良いなと思った。 ファンなら気にならないし、ありがたくもあるんだけど入れずにすんだ場面をなぜ入れたんだか分からない。もうちょっと何とかならなかったのか。 【黒猫クック】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2009-02-11 15:49:06) (良:1票) |
222.前半の説明口調、後半の大袈裟さ、主演の二人以外の人物のつながりのなさ、あとジャン・レノの演技の説得力のなさがちょっと気になりました。ナタリー・ポートマンとゲイリー・オールドマンにはやられました。 【色鉛筆】さん [インターネット(字幕)] 5点(2008-09-23 15:36:35) (良:1票) |
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221.「『タクシー』と同じ監督だよ」と言えば、ヘタな冗談よりウケる。 |
220.ラスト以外はジャン・レノがあまりカッコよくない。ゴルゴ13の様なプロの殺し屋の雰囲気が無くて前半は時々田中邦衛に見えてしまう。行き掛かり上仕方ないとはいえ小娘と一緒に暮らして言われるままに掃除屋の仕事を教えるなんてことは有り得ないし、恋愛感情を弄ばれて過去を吐露する場面は必要ない。殺し屋が小娘とレストランでディナーを食べてるなんてレオンの人物設定を疑う。麻薬取締まり局に乗り込んで人を殺してそのまま待たせたタクシーで去るなんて無茶な脚本を書きすぎている。これ以外の終わり方は考えられないけど、復讐はよくないと言っておきながらきっちりけりをつけてるじゃないか。好きな人ごめんなさい。期待はずれだったのでつい批判ばかりしてしまいました。 【WEB職人】さん 6点(2005-03-06 07:53:00) (良:1票) |
219.友達に勧められて観ました。感動ですね。まず3人の出演者が素晴らしい。ジャン・レノのあの誰にも醸し出せない独特のセクシーさはなんなんだ?男でも惚れます。そしてナタリー・ポートマン。スターウォーズ(ただの可愛い娘)→コールドマウンテン(おっあのスターウォーズのナタリーが結構いい演技してるじゃん!!)→レオン(こんな演技出来てたの?しかもこの妖艶さ!!)の順に見てきたけれどどんどん魅力に惹かれてます。十分主役でも撮れそうなのに…だんだん個性が出せない役になっちゃってない?あれだけ演技力と雰囲気があるんだからもっと彼女を引き出す映画に期待したいです。そしてゲイリー・オールドマン。一見した瞬間に他の俳優とは違うなと感じさせる。濃いんだけど透明な雰囲気。本当にこの3人の雰囲気は最高です。カメラワークも秀逸ですね。喉元にナイフを突きつけたレオンが暗闇に消えていくシーン。ナイフの描く光る軌跡が美しい。マチルダがレオンのドアホンを押し助けを求めるシーン。3人の位置関係がワンショットで理解でき、それぞれの違った緊張感がアンサンブル。その後ドアが開かれ光がマチルダを照らし出す、まさに希望の光。同じように光だけで見せるシーンとしてはレオンが撃たれ、画面が一瞬明るくなる所。そのまま床にうな垂れていき、観る側は倒れゆくレオンとシンクロしていく。ユーモアと緊張感の緩急もいいですね。本当に笑ったし、迫り来る恐怖にドキドキしたし、これだけ感情的に入り込めた映画は久しぶりです。ラストの歌も最高。エンドロールですらこの映画の惹き込まれる一場面にしてしまっている。「やばい、自分は今もの凄い映画を見てしまっている。」こんな奇跡的な出逢いがあるからこそ映画から離れることは出来ません。 【ちーた】さん 10点(2005-01-10 15:53:27) (良:1票) |
218.オリジナル版のレビューではくだらないこと書いたのでこちらに普通のレビューを書かせていただきます。私はオリジナルも完全版もどちらともいい作品だと思います。追加されたシーンも蛇足ではなく特典って感じで「なるほどねぇ~」みたいでした。でもやっぱかっこいいのはゲイリー・オールドマンが演じているスタンフィールド刑事。このベージュ系のスーツに白シャツというどうでもいい格好だけど憧れてよくこんな格好してました。そういやこの前会社でMOのイジェクトピンがあったのでレオンのモノマネして握り締めながら「頼まれた、渡せと、マチルダに・・・」と言ったら先輩ポカーンとしてました。人が知らないことを知ってると思い込み完全に受け狙いでやってみてスベると恥ずかしいことこの上無いですね。 【tetsu78】さん 8点(2004-08-15 12:04:54) (笑:1票) |
217.この作品に漂うあらゆる「感情」。脚本・演出・カメラワーク・演技・音楽、すべてが完璧なこの映画のもっとも秀逸なものはそれらが紡ぎ出すすべての「感情」だ。愛・恋・恨み・妬み・絶望・希望・開放……私の大好きなこの映画にはすべてがある。 【鉄腕麗人】さん 10点(2003-09-27 19:28:53) (良:1票) |
216.死んで欲しくないと本気で思わせたジャン・レノ、少女だけがもつ危うさがこの時でなければダメだったと思わせるナタリー・ポートマン、ほんとうに憎さ100倍だった、ゲイリー・オールドマンそれぞれの役を完璧に演じきった傑作! 【蘭奢待】さん 8点(2003-06-01 02:02:02) (良:1票) |
215.自分がロリコンであることを改めて認識できた映画です(笑) 【ナガタロックⅢ】さん 8点(2002-02-21 00:26:41) (笑:1票) |
214.映画史に残るマチルダの美しさ、イカれたゲイリー、好きな要素ばかりで文句なし。何回でも見れます。 【ヴァリストン】さん [インターネット(字幕)] 10点(2024-09-16 21:33:52) |
213.「午前十時の映画祭10」にて。 映画館で再上映ということなので観てきた。 いやー、よかったですね、心をえぐられるような衝動。 映画に感情移入して疲れるぐったり感、ひさしぶりでした。 当時は男優陣の渋さ、カッコよさばかり目が行ってました。 が、今さらにしてナタリーの演技っぷりのヤバさに気付く。これでわずか13歳!驚愕。 追加シーンの是非はあると思うけど、あのナタリーの演技をカットにしてしまうのは実に勿体ない。 そういう意味で完全版は、これはこれでアリだと思う派です。 色褪せず歴史に残る、間違いなく【名作】の1本。 【愛野弾丸】さん [映画館(字幕)] 9点(2019-11-23 16:33:58) |
212.殺し屋、孤独少女、二人とも純粋で、目一杯背伸びをしている。 ミルクしか飲まず、文字を読む学も無い殺し屋は 本当は殺し屋になどなりたくなかった。 孤独少女は、唯一の助けだった弟が殺されてしまい、 復讐をせざるを得なくなった。 二人がたまたま出会い、ともにミルクを飲み、 文字を教え、仕事を教え、 極めて日常的に距離が近づいていく。 また殺し屋として少女がパートナーとして成長していく様子、 この描き方が秀逸で感情移入させられる。 ラストシーンでは少し「グラン・トリノ」を彷彿とさせる。 純粋な気持ちから自己犠牲をはらうということに、 見返りを求めずに人のために生きて死ぬという生き様に、 私は心動かされてしまう。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 9点(2019-05-03 09:20:55) |