19.うーん、まさにアンチ・ハリウッド、リアル・アメリカ。映画化にあたって細かい所は脚色したみたいだけど、基本的な部分は(ハービー・ピーカーやその妻などが認めるほど)リアルに作ってるらしい。あの主人公と奥さんの出会いの所とか、いくらなんでももぉ少し美化して描いても良いんじゃないの?と思ったりもするけど(別に憧れの人に会えてウットリ、とかでもないし、いきなり「俺、パイプカットしてるよ」とか言ってるし)、でも普通の人を普通に描くことで、かえってインパクトが増したと思う。それにしても、僕はいわゆるオタク(つまり内向的で自分の世界に閉じこもっちゃってる人)ってものに対して否定的だったのだけれど(というのも自分の中にも幾分かそういう部分があるので、つまりは近親憎悪的なものかもしれないのだけれど)、この作品を観ると「オタク」を貫くというのも、ある意味世の中に流されまいとするアグレッシヴな生き方なのかもしれない、とちょっと思った。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-05-12 17:17:36) (良:1票) |
18.自らの輝きは自分では気がつきにくい。ましてや冴えない日常に埋没し、その冴えない日常をより注意深く観察しているハービー・ピーカーには自分が輝いている等とはとても考えられない。しかし、彼が中退した大学の同窓生が我々観客を代弁した様に、彼は成功者に見える。ここに彼自身にとって最大の皮肉がある。原作コミックのスタイルを突き詰めた本作のスタイルは、ある意味正しい選択だったのかもしれませんが、個人的にはもっと「劇映画」として楽しませて欲しかった。こう本人が頻繁に登場し、一部メイキングの様な部分もあっては、「映画」部分が「再現ドラマ」の様に見えてしまって(ま、実話の映画化は全て再現ドラマなんですけど…)今一つ映画に入り込めなかった。本作は一種の伝記映画になるのだと思いますが、むしろドキュメンタリーと呼んだ方がいいかもしれない。それでも、充分「面白い映画」ではあるんですけどね、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2004-07-22 17:38:14) (良:1票) |
17.アングラのことは全然しらなかったが、面白く見ることができた。ハービー本人と俳優のポールが本当にかぶってて、いい俳優なんだろうなと思った。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-10-25 17:06:28) |
16.興味はないのですが、案外面白かったです。ポール・ジアマッティが旨くてすごい。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-12-26 10:00:19) |
15.独りの平凡な男が漫画家になる話をコミック調に語るという面白い手法を使った映画ですが、良くも悪くもだいぶあっさり風味です。センスは良いと思いますが。 【すべから】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-27 13:46:07) |
14.本人と役者が気ままに入れ替わる感じの作りが良いです。内容的にはそれほど面白くもないけれど。それにしても久しぶりにアングラなんて言葉を聞いたよ。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-11-21 21:38:06) |
13.映画というのは普通第三者の視点から、人々の生活を見ていくものですが、この作品はそもそも第三者の視点で物事を見ている人たちを第三者の視点で描いているので、感情移入をさせない、入れ込ませないような作りになっている。その代わり、ユーモアを表現するにはうってつけのやり方だと思います。陰気で強迫神経症のユダヤ人というところはウディ・アレンにそっくり。でも、ウディはコメディアンなのでジョークを創作するから現実主義に見えてもファンタジックな要素があります。ハービーは現実をそのまま描き出すのでとてもリアルで虚飾がない。そこがいいんでしょうね。 |
12.多くの人の人生は、まあまあの人生。それなりに辛く、それなりに楽しい。本作の主人公の人生は、彼の同級生が指摘したように一般的には「成功」の部類に入るのかもしれません。でも、本人にしてみれば、そうではありません。やっぱりそこそこの人生。でも主人公はそんな人生を受け入れている。受け入れて噛み砕き消化し、コミックに投影させています。これは出来そうでなかなか出来ないこと。自分に都合の悪いことを受け入れるのは結構難しい。“いつか”この生活が変わる。“そのうち”良いことがある。前向きな発想は、反面自分を騙していることでもあります。主人公の生き方は後ろ向きだし、お手本となるようなものではありません。でも「悪くない」と思いました。ありのままの自分でOK。くすんだ鈍い光だったとしても、すべての人生は輝いている。ジャズの音色とアクの強い主人公の不機嫌な顔が、この作品のすべてです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-20 18:35:03) |
11.「マイナス思考、後向きな人のアメリカンドリーム話」でした。見終わった後味は悪くはないですが、なぜか気分爽快にはなれません。感情移入できる人物もいなかったです。 【カルーア】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-09-10 15:42:16) |
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10.映像の合間に実在の本人が出てきて「ああ、そうだよ。」なんて言うこの映画の作り方、ちょっと馴染めなくて実は苦手。それなら一貫してドキュメントとして仕上げればいいのに…、と多少苛立ちながら観ていたんですけど、やっぱりこの題材がダメダメちゃんな私には捨て置けない。まったくの日常を描き、その中の輝きや愛おしさをサラリと表現したコミック『アメリカンスプレンダー』。作品そのものの主人公の人生とダメダメな風貌にクスクス笑いを送りながらも、微かに感じる優しさや寂しさが胸に来る。強いぞエライぞすごいんだぞ、と聞き飽きたセリフで真正面から来られるよりも、こんな変化球でアメリカの側面が観られるのはいいことかもしれない。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-09-17 02:30:48) |
9.“ふむ なるほど☆”って感は有りますが、単にそこまで。かなり地味専、なんか黄土色って感じ? 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-09-12 22:47:52) |
8.「アメリカン・スプレンダー」というコミックのことは全く知りませんでした。自分の平凡でつまらない人生をコミックにしてそんなに面白いんだろうか。もし原作コミックを知っていたらもっと見方が変わるのかもしれないが、映画の彼はネガティブで、悪態をつき、不潔で・・・あまりに生々しくて、ちょっと気分が悪くなりました。変人でありながら成功する物語では「マン・オン・ザ・ムーン」を連想させましたが、トニー・クリフトン程の魅力を、僕はハービーに感じることは出来ませんでした。 ただ、曲者の中年男を演じさせれば右にでるものがいないジアマッティのぶよぶよの体からすえた体臭が漂ってきそうなほどの役作りが凄まじくて、彼の役者魂を感じられたのは収穫でした。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(吹替)] 6点(2005-08-22 18:07:54) |
【k】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-04-10 23:50:54) |
6.最初の30秒からいい感じ。ダメダメな主人公を観ているだけで癒されるのは、こんな生き方もアリなんだ、、。と肩の荷が下りた気になるからかもしれない。映像もキレイだし、音楽が異様にイイカンジ。サントラ、チェックしようかね。。 最後まで「書類整理係」なのが現実を感じさせてくれていい。 【レンジ】さん 8点(2005-03-25 22:11:37) |
5.オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク、オタク………。この映画はこの一言に尽きる。秋葉ちゃんの存在なんか薄い薄~い屁のカッパ。オタクとしての誇り(?)、オタクとして一生を生きれる彼らの人生は幸せ以外の何ものでもない。 |
4.いや~、何というか、一瞬輝いた?と思ったら、すぐくもる、そんな輝き(スプレンダー)な人生。笑えないようなお寒い人生、人たちの連続。ある意味「コンフェッション」と手法も実話ものという点でも似てるのに、こんなに面白さの質が違うとは。そう、まるで本編は、良く見る「再現ドラマ」化しているようで、そうでもない、と思ったら本人登場。このさじかげんが、うまいうまい。こんな映画があるよと小耳に挟んでから、今まで結構間があったような。公開なしかと思っていたから、余計ちょっとうれしい。まあ「アメリカの殆ど知られてない実話もの」だし、日本に持ってくるにはパンチが弱い(?)と思われて、間が開いたのかも知れません。ただの想像ですが。私は前知識が少しあって見たわけですが、無くてもじゅうぶん面白いです。映画の内容より、この主人公についての説明的な記事を読んだだけなので、日本人が見てもイマイチかなと勝手に思っていたんですが、こんなにお寒くて笑えるとは。彼(本人)の乾いたしゃがれ声のように、乾いた笑いがこみあげること間違いなし。日本人、「再現ドラマ」好きですしね。 |
3.私の普段の生活はハービー・ピーカーよりもつまらないかもしれません。 【たま】さん 6点(2004-08-01 21:16:16) |
2.主人公の中年男の悲哀を感じさせる風貌が何とも言えず良い。 コミックヒーローであるはずはない強迫神経症で陰気な男が、人生を空虚に過ごしながらも、自分の人生に証をたてたいと願うことから始まる日常の中での戦い。 一番ヒーローとかけ離れた人間でもたとえオタクでも誰でも日常の中にそして人生には試練があり戦いがある。 そして誰もが「輝く」ことが出来ることを描いた作品。 陰気だと自分は思っていても、周りからは陽気と慕われていた定年の日はやはりヒーローとして輝いていたからだろうか。 特に終盤、悪役と戦うわけではないが、病魔との戦いを描いた部分は良い。 創りも最初からかなり凝っている、途中でのテレビシーンとかを当時のものを使っているのにはさすがにやられたな。 個人的には、トイレに防臭剤を置かずに潤滑油みたいなものを置いてたことで奥さんから求婚されたシーンや娘に日常の面白さを語るシーンは好きだな。 ちょっとウッディアレンの作風とも似ている気もした。 |
1.ホープ・デイヴィスのダルな名演。アメコミのコマ割を意識したオープニングクレジットが、ジャズと相まってベリー・クール。本人を登場させるとか、急にコミック仕立てになったりだとか、意識的な映画解体作業は素直に評価すべきだと思う。アメリカの秋葉系オタクのキャラの濃さに驚愕。忘れようにも忘れられない一品となった。 |