1.『雨』でそのカメラワーク、構図にうなされた当方としては、撮影が同じオリヴァー・マーシュ、同じジョーン・クロフォード主演、そして今作は監督がハワード・ホークスでゲイリー・クーパーが加わり、しかもこのセンチメンタルなタイトル。メダル、メダルと煽るどこかの国のスポーツ文化と同じで、私もこれは間違いなく金だと勝手に期待していたのであります。ところが・・・技術点、芸術点、ともに芳しくなく入賞も厳しい現実が待ち受けておりました。まずカメラ、バストショットを中心としたオーソドックスなカットバック、あまりおもしろみがなく、構図もあまり考えていないぞ、きっと。今作はクロフォードに婚約者がいながらクロフォードとクーパーが愛しあうという設定で、その説得性が肝要なのですが、これが本当のジャンプカットかと思うぐらいに、突然クロフォードとクーパーが愛に落ちている・・・愛に理由はないのだ、ん・・そういうことなのか。後半は、ホークスお得意の空中アクション、そして水上アクションでの銃撃戦が展開されていきますが、大味な大技を突拍子もなく連発しているような印象です。タイトル通り、今後見ることはないかもしれませんなー、こりゃー。