124.この映画が「政治的な作品」じゃないと言えばウソになる。でも、それ以前に、何より「映画的」な力を爆発させてることによってこそ、まずもって、この映画は確実に評価できます。 ・・・とはいえ、この映画がこんなふうに「映画的な力」に満ちてるのは、やっぱり、その根底に「政治的」であることをも恐れないような姿勢があったからじゃないかと思う。いまの日本映画って、現実を逃避するためのフィクションに徹したものばかり。あるいは、現代人の閉塞した内面性をウジウジと描写したような作品(つまり私小説みたいな映画)とかもあふれてる。でも、ウジウジした内面性にこだわることが「映画の力」に結びつくとも思えない。 本来は、そんなふうに虚構とか内面とかに逃避した作品じゃなく、日本の社会が直面している、もっとも困難で扱いづらいテーマについて、なりふりかまわず「パカッ」と開くような、そういう力強い作品こそが、映画に力をもたらすんじゃないでしょうか。べつにプロパガンダ的なメッセージとか、政治的な主張が提示できなくても、とりあえずは、全部ぶちまけてしまうこと。さまざまな断面を見せてしまうこと。良いんだか悪いんだかも分からないまま、とりあえず、そこに映画的なエモーションをぶち込んでしまう事。そこからしか、現代の日本映画に「力」なんて生まれてこないんだってことを、この映画はみごとに証明してると思う。 実際、この映画のクライマックスは、映画的なエモーションを見事に体現しています。「映画」を、ちゃんと見せてくれている。だから観客は、まずはとりあえずそれを“観れば”いい。 したがって、観ないよりは、断然観たほうがいい作品になってます。その点で、井筒和幸という人は、映画監督として非常に正しいことをやってると思いました。 【まいか】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-12-28 03:05:57) (良:5票) |
123.政治的なメッセージが強過ぎ、辟易するが、ストーリー展開が面白い。ラストの『アホ』の一言にはグッときた。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 7点(2018-12-29 09:00:05) |
【マー君】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-12-09 11:28:02) |
121.いい話なんだなこれが! 沢尻エリカの「朝鮮人になれんの?」は、ぐっときて考えさせられます。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-08-20 13:46:26) |
120.沢尻が好きなので我慢してみましたが終始退屈な映画でした。 【マントタヌキ】さん [DVD(邦画)] 0点(2017-01-13 10:50:55) |
119.10年ぶりに再見。10年前の僕はここに、「とうぶんのあいだこれを越える邦画は現れない」などと書いていたが、今見るとそんなことないなって恥ずかしくなった。 でもこう言おう。これは相当なエネルギーのこもった監督のヘタレだ。雑な脚本も、冷静になるとややシブイ。 葬式やるおうちの、ハイオクっぷりが、彼らの生活環境や過酷な半生をしっかり表現するはずなんだけど、笹野の説明ゼリフでそれを表現するのは、ややへたくそだ。 |
118.それぞれの歴史観や政治観があるので、それらによって評価が分かれるかもしれないね。 イデオロギーを抜きにしてエンターテイメントとして観た場合、『現代のロミオとジュリエット』という謳い文句はちと違うと思う。まぁ、イデオロギー抜きには語れないんだろうけどね。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 6点(2015-01-02 15:06:17) |
117.オックスの失神騒動で始まって、ひょうひょうと変身していくオダギリジョーなど、当時の風俗回顧的楽しみがあった。「かわいそうな被害者」としてマイノリティを描くまい、という意志が感じられ、彼らは“なんじゃこらっ”と踏ん張っている。しかしこれも別の「型」になってしまってはいなかったか。キムラ緑子の、特別な見せ場を与えられていない存在感のほうが印象深かった。鴨川がイムジン河となり、争う二派がなにやら祭りをやっているようなニギワイを見せる乱闘の場。看護婦・真木よう子の跳び蹴りがよい。あとギャグとして好きなのは、ラジオ局でディレクターが上司をつまみ出し、血を流しながら戻ってきて「話はついた」とニコニコ笑ってるとこ。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-09-23 09:51:03) |
116.テーマはわかるけど、内容がそこまで踏み込めてない。それぞれのエピソードに加えエネルギー溢れる映像でラストまでいく力は良い。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-08-23 23:29:31) |
115.葬儀、喧嘩(弔い合戦)、出産、音楽コンクール(ラジオ番組)、 といった縦糸を平行に描きつつ、 ラストの誕生と恋愛の成就にまでもってゆく、盛り上げ方が オーソドックスな映画的手法として完全に嵌まっていて 爽快だった。イムジン河という楽曲に相当にたよっている 局面が多数あったが、自分はこの曲むかしから好きだったので 大丈夫だったけど、設定含め深く拒絶する向きにはNGなのかも と… 【かれく】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-06-30 11:11:17) |
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114.基本的には面白い映画。 暴力表現も別に殺し合いするわけでも無し、リアリティがあったので皆引いたんで監督の狙い通りだろう。 出演者もみんな生き生きと演技していて、パワーを感じた。 ただしやっぱり歪曲してる部分はあって、しかも感動的な場面でやられると涙も引くってもんだ。 しょうもない映画なら大幅減点だけど、これだけのもんなんで-1にとどめておく。 【たんたかたん】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-02-27 21:08:58) |
113.塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ…どうなってるんよ、パッチギ。内容はやや思想的に不快な感じもありつつだが、ストーリーはまあまあ。 【なこちん】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-05-26 23:56:32) |
【3737】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-08-24 22:13:57) |
111.観たのは公開時。当時このサイトから離れていたので、書きそびれていました。私は「ゲロッパ!」は好きになれなかったのと、前評判が少し大げさとも感じていたので、観る前はさほど期待していませんでした。でも、一番思ったのは、「見直したゾ! 井筒さん」ということ。彼の「人間が好き」という姿勢は他の作品からも伝わってきますが、本作のように若い男の子を主人公にした作品が、一番井筒さんらしい。オジサンが若者を描くときにどこかににじんでしまいそうな説教クサさがないのがいっちゃんいい(説教臭いというコメントも読みましたが、私の言いたいのは若者に抑圧的な、という意味での説教クサさ。イデオロギーの意味ではありません)若者に対するエラそーぶりがないから、過剰とも思える暴力表現もゆるせるのです。それと、今の世の中の閉塞感は、私たちが、社会に内在する矛盾に鈍感になってしまっていることとつながっているような気がするのですね。それを、この映画は「そのままでいいんかい?」と問いかけているように思います。心を突き動かす熱いものを本来持っているのが人間(あるいは若さ)なんじゃないの?と。デリケートな題材を扱いながら多くの人の共感を得たのはそういう点ではないでしょうか。但し、わるいけど女の描き方は下手なのね。男が女をよくわからないのはまあゆるすとして、出産シーンの撮影には助産師さんの監修くらいつけてくださいよ。 【おばちゃん】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-10-20 19:06:51) (良:2票) |
110.エネルギッシュだ。誇張されたようにも見えるかも知れない乱闘などのシーンは、実は結構抑えられた表現だと思う。(身近に良く似た環境があった人には良くわかると思う。)それはさておき、歴史的問題・恋愛・音楽・若者の暴走・・・等を上手くブレンドして一つにまとめた点はすばらしい。先入観で好き嫌いが別れそうな作品でもあるだろうが、逆に先入観が取り除かれた人も多いはず。なんにせよ、このようなテーマにチャレンジした作品がもっと出ても良いのではないだろうか。 【円軌道の幅】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-03-23 22:58:02) |
109.けっこうおもしろかったです。さくっと見てしまいました。 【シトロエン】さん [地上波(邦画)] 7点(2010-01-31 17:32:28) |
108.このタイプ(所謂、ロミオとジュリエット系)の作品としては非常にオーソドックスです。それゆえに非常に理解し易い作品です。分かり合えない象徴としてアンソン達と東高校のチンピラ、分かり合える象徴として康介とキョンジャがいる。最も良かった点は、対立したグループを和解させるスイッチとして康介の唄うイムジン河を持ってこなかった事。彼が唄おうが何をしようが戦争は止まりません。人種問題は決して簡単に解決出来ないからです。でも分かり合える人がいる事も事実、戦争が無くなる事を望んでいる人がいる事も事実、互いを必要としている人がいる事も事実です。和解する事など不可能(それはどんなコミュニティーでも無理)だけれど、それでも互いに歩み寄る必要がある。それを井筒監督は分り易く描いてくれた。良作だと思います。 【民朗】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-01-27 11:13:23) |
107.そもそも在日韓国人は祖国を捨てて、いい生活をするために日本に逃げてきた人でしょう。その人達が韓国人としての誇り、愛国を語るなど虫が良すぎます。ましてや日本が嫌い?日本人とケンカ?勘違いも甚だしいです。沢尻はかわいい顔で「じゃ韓国人になれる?」とか言ってましたが、なるわけありません。ここは日本です。日本人は優しいから自分をないがしろにしてまで相手を理解しようとしますが、相手方がこれではどうしようもありません。結局この映画は日本人は優しいから、取りこむのは簡単だと言っている様なモンです。こんな物に洗脳されるから相手は言いたい放題・やりたい放題なんです。日本は日本人のものですよ。いい加減目覚ましましょう。 【オニール大佐】さん [DVD(邦画)] 0点(2009-12-25 19:39:07) (良:9票) |
106.作りは雑だけど、まあ言いたい事は何となくわかる。別に思想の自由はあるし、どんな映画作ってもいいんだけど、なんで井筒監督がこの映画作ったのかなあと調べてみたら・・・<以下変更>「良」投票くれた方スミマセン。管理人さんより「作品へのレビューではない内容がある(噂話によるスタッフの中傷)とのご報告を受けましたのでご連絡しております。」との指摘。(別に中傷したつもりはないんですが・・・あっちの人って、こんなマイナー映画?のレビューまでチェックしてるんですね。あーコワ。)よって、「日本は戦時中、北朝鮮に対してとてもヒドイ事をしたんだなあ。とこの作品を通じて痛感しました。日本人ってダメですね。北朝鮮最高!マンセー!」と、コメント変更します。 【東京50km圏道路地図】さん [地上波(邦画)] 2点(2009-09-29 23:28:29) (笑:4票) |
105.活き活きとした不良達が画面を席巻し、間に入る笑いのタイミングも絶妙。井筒監督はもっとも得意とするジャンルにおいて、本当に良い仕事をしています。メイキングを見ると俳優を追い込む鬼のような演出をしていますが、そのしごきの甲斐あってか俳優たちの演技も見どころとなっています。「良い俳優・良い演技を見たなぁ」と素直に思わせる邦画は久しぶりです。また細かい部分では、主要な登場人物達の髪型をすべて別々にし、服装も人物特定しやすいようにそれとなく色分けがしてあります。時代ものの映画では全員が同じような髪型・服装をするため人物の特定が難しいことがあるのですが、監督は観客が混乱しないよう、視覚的な工夫をきちんと入れてきているのです。以上、いくらお金をかけても「映画になっていない映画」が多い中、井筒監督はお金の力ではなくプロとしての腕前で「映画らしい映画」を撮ってみせる、現在の日本映画界においては稀有な存在だと評価できます。。。と非常に楽しく鑑賞していたのですが、ラスト30分で一気に冷めてしまいました。葬式に出席した主人公康介が、在日の老人から「在日朝鮮人がいかに酷い目に遭ってきたか」を聞かされる場面です。。。私が生まれ育った地域には朝鮮学校があり、学生時代には在日の店長のお店で4年間アルバイトしたし、妹の彼氏が在日朝鮮人だったこともありました。私は在日社会のすぐ近くで生きてきて、日本人と在日朝鮮人双方に対してフラットな認識を持っているつもりなのですが、その私がこの場面には強い違和感を覚えます。他のレビュワーのみなさんも指摘されている通り、事実誤認の嵐。調べればすぐにわかるようなウソを映画で堂々と主張し、ありもしないことの反省を日本人に強要するのは、ちょっとどうなのよと思います。監督は在日の人達のためにこの場面を入れたのかもしれません。しかし、このような形で必要以上の贖罪意識を押しつけることが日本人のストレスとなり、それが在日のみなさんに対する反発へつながっているという現実を私は目にしています。もちろん、監督がどんな主張をするかは自由です。日本が悪いと思うのならそれでも良いのですが、ウソやデマを言ってでも日本が悪かったことにしようとする姿勢は作り手として問題だし、それが日本人のストレスを煽っていて、かえって溝を作っているという現実もよく認識されるべきです。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-09-14 01:30:35) (良:2票)(笑:1票) |