2.気味の悪い男と知り合ったカップル。彼氏は忽然と姿を消し、彼女は彼氏を捜し求める・・・って、おお、まさか『恐怖のレストラン』の元ネタがフリッツ・ラングだったとはねえ! というのは勿論勘違いでした。ははは。気味の悪い男の正体は死神。ああやっぱりねえ。で、映画はここで突然、愛と死にまつわる3つの幻想譚よりなるオムニバスとなります。この3つのエピソード、オソロシク一般性に欠ける話ばかりなんですが、意外な構図の切り取りや、大胆な(大胆すぎる)特撮のオンパレード、かなりリキ入ってまして、圧巻です。第三話が特にハチャメチャなSFX超大作。ドサクサ紛れに一反木綿まで登場(?)、いろいろヘンな部分もあるのですが、「とりあえず」圧倒されます。しかーし。もし映画がこのまま終わっていたのであれば、オムニバス特有の散漫さが映画の印象を薄めていたところかも知れないんだけど、この3つのエピソードに続く「彼氏を救う最後のチャンス」のエピソード、コイツが曲者でして、日常から遠く離れた3つの世界を他人事のように楽しんでいた我々を、いきなり身近な世界へと引き戻し、現実における「死」を突きつける・・・あくまで幻想的に幕を下ろすラストではあるのですが、突然冷たい手が伸びてきて頬を撫でられたかのような、ゾクリとした感覚があります。