1.作品としての評価が、なかなか難しいですね。行政の実態の暴露という意味では大きな意義があり、取材のための労力や時間がかかっているのは事実なのですが・・・。例えると、生の素材が並べられたものを、料理としてどう評価するのか、そもそも評価すべきなのかというような悩ましさがあります。本作に関して言えば、多くの人に周知することよりも、入手した生の情報を、まずは下手に手は加えず、まずはオープンにして、それにより、現状を変化させることに重きを置いた戦略なのかもしれませんね。暴かれた日本の難民対策の実態について言えば、普段、不法入国者を扱うことが多い職員たちに難民を扱わせれば、まあこうなってしまうんだろうなと思うところもあり、難民受入に対して状況に応じた特別な措置を講じなかった面で、行政が判断を間違えたという事なんだと思いますが、その判断ミスそのものより、判断ミスの結果起きてしまう状況を常にチェックして、フィードバックする機能がないことこそが問題だよなと思いました。