1.この映画は何ひとつ特別なことを描いているわけではありません。クルド難民という設定を抜きにすれば社会派映画というよりは日本映画では珍しいとも言えない思春期の女性の繊細な感情を丁寧に描いた青春映画です。親と子のすれ違い・愛情、他人に話せない悩み、日々の生活で味わう息苦しさ、そして恋。新しい物語を模索というよりは、既にあるフォーマットに沿って問題を処理しているとも言えます。それはこの映画の欠点であり長所でもあると思います。親しみやすい内容ですので、もし広く宣伝されていたならば今よりも多くの観客の共感を得られそこそこのヒットも狙えたのではないかと思います。そうなることがこの映画が作られた目的にも沿うと思います。もっと言うならば商業映画はこの程度のレベルが普通であってほしいのです。(コインランドリーと移民という要素がエブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスと被っていますが、偶然なのかそれとも何か共通の要因があったりするのでしょうか?)