5.「十仁病院」「三千里薬局」の看板を映し、伊勢丹の開店の様子も撮っているので、東京の繁華街を知る者にとっては、一文無しになった主人公二人組が、新橋からどうやって新宿や渋谷に移動できたのかがとても不思議なのであるが、それ以外ではあまり変な日本描写はなかったと思う。二人組が都心を離れ石川県の曹洞宗総持寺に到着して禅僧と共に修行に励み始めてからがなかなかの見ものであった。朝3時半の振鈴にはじまって、水風呂を浴び、只管打坐、朝課、作務などの一連の流れが繰り返し映し出されるのだが、そこでの日本人修行僧たちの流れるような所作の美しさには息を呑む。禅寺での本物の修行をつぶさに見たのは初めてだったが、その迫力にたいそう引き付けられた。そこへ外国人の二人がいきなり入るのだから、どうしたって目立つわけだが、だんだんと所作が様になっていくところに、巧まざる可笑しさが生まれていた。観終わった後は、自分も修行に参加していたようなすがすがしい気分になる。私の場合は、掃除へのモチベーションが高まる効果があった。 |
4.撮影に使われたお寺は私の住んでいる県にあります(ほくほく)映画中で何気なく映される風景や人の顔がすっごいいい味出してました。監督もカメラマンさんもいい腕の人なんでしょうね。ギャグとしても良質。日本のデパートや携帯電話やカラスに着目したのとかもおもしかった。 【キュウリと蜂蜜】さん 8点(2004-07-10 23:43:40) |
3.なかなか面白い。全編手持ちカメラ的な映し方が良い。彼らからの視点で日本を旅しているような感覚になる。それにドキュメンタリー要素もある。彼ら2人、本当にあの寺修行したんだろうし、登場する日本人もその場にいた人を勝手に使っちゃいました~って感じだし。やりたい放題だね、この監督は。それにしても、この映画で一番金かけてるのって、独→日までの経費なんじゃない?エンドロールのお経は妙に悲しい気分にさせてもらっちゃったし。 |
2.劇場公開時に迷って迷って結局見に行かなかった。正解。ドイツ人2人のドタバタ珍道中。映画そのものより「外国人の目から見た日本」が垣間見えるのが興味深い。寺に着いてからは眠い一方、寺務長のありがたいお言葉もあまり耳に入ってこない。思わずお経のCDを買ってしまったほど、お経の催眠効果は素晴らしい。 【C-14219】さん 6点(2003-07-03 20:45:58) |
1.用意周到であるべきはずの旅が、飛行機とホテルの予約以外は意外に・・・いやまったくの行き当たりばったり。本場(日本)にまで行きたいと禅にハマっている割に、カタ言の日本語すら知らず、ガイドブックも利用しているやらいないやら。あたかもドイツ人気質を垣間見るようだが、本作はそんなドイツ人兄弟のおかしなおかしな日本珍道中記。そのまま、田舎から出てきた日本のオノボリさんの話に変更しても、なんら違和感がない。決して大袈裟ではなく、いかにもありそうなエピソードをコミカルさで程よくブレンドされ、一種ドキュメント風に綴られていく。彼らの遊び呆けたマヌケぶりは、そのうち愛らしくなってくるから不思議だが、それは二人の豊かな表情と演技を超えた演技からくるものだろう。それにしても所期の目的を達した彼らだが、果たしてこの“禅ゴッコ”で“悟り”が開けたのだろうか。そして本国へ無事に帰れたのだろうか。その後の展開が気になってしようがない。 【ドラえもん】さん 8点(2002-12-29 01:30:25) |