2.ワイラー初期の作品。伝統格式、気品、上流階級ってなものに憧れを抱く夫人が旦那をけしかけ、ヨーロッパ旅行に出かけます。さてさてそこでの夫人の色恋沙汰やいかに、というお話。旦那はそのうち彼女も気付いてくれるやろ、と20年の結婚生活を大切に考えるのですが、彼女は懲りない。伝統に憧れる彼女、目の前に結婚生活という歴史、伝統を大切に思う旦那という恰好の対象がいるのにねー。また伝統というのは年を重ね刻まれていくのですが、自ら年をとることを極端に恐れる彼女というのも滑稽です。そんな自己矛盾に満ちた彼女ですからついに最も大切な人を失ってしまいました。夫人=アメリカ、旦那=ヨーロッパの象徴と置き換えて、その国にはその国の振る舞い方がある、と勝手に解釈させていただきました。