8.内田裕也の魅力のひとつに、声を張り上げると上ずっちゃって軽くなり、ドスが効かなくなる、ってところがある。悪役専門だったら致命的な欠点なはずなんだけど、この人の場合、それを独特の滑稽味として持ち味にしてしまった。彼自身も意識してるんだと思う。絶対に普通の人じゃないという目つき・顔つきと、おどおどした感じを含む卑小な声とのアンバランスによるおかしみ、それがいつも気を張って生きている現代人にとって、けっこう普遍的な共感を呼ぶことになったわけだ。ラストの強盗シーンで、そのアンバランスは十分活用された。話は、しだいに借金地獄になってくとこにリアリティ。競艇で一発で決めてしまいたいと思う心理なんか、分かるもんなあ。十階へ階段を使って常に上っていくのがタイトルの意味。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-03-26 09:57:36) |
7.内田裕也ってなんにもしなくても映ってるだけで映画になっちゃうんだもん、ずるいなあ。まじめな顔してるだけなのに、ただ立っているだけなのに、普通に電話してるだけなのに、アナーキー。彼の顔が映っているとバックで流れる絶対古臭いはずのコンピューターミュージックがロックに聞こえる!ってのは大袈裟だけど、存在感が勝っているからなのか、音楽が気にならない。さらに脇にアン・ルイスにビートたけしに横山やすしに小泉今日子って・・内田裕也然り、みんな素人俳優なのに胡散臭いオーラだけは一人前以上。キョンキョンのお友達二人のセリフはなんとかしてほしかったけど。喫茶店でお金せびるところ。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-02 14:46:12) (良:1票) |
6.主人公もボロボロだけど、まわりの人間もけっこうムチャクチャ。ゴルフバッグを背負いながら「私がどんな思いで生活してると思ってんのよォ」とかいう前妻とか(けどちょっと笑えた)・・・。クライマックスは、状況の割りに緊迫感がなかったのがかえって新鮮。ただ昇進試験の内容を暗記している主人公のただならぬ雰囲気はすごかったです。 【ゆうろう】さん 9点(2005-03-26 10:55:28) |
5.人間、どこで道を踏みはずし人生を棒に振るか分からない。内田裕也演じる主人公警察官は昇進試験に受からない万年巡査部長。おそらくこの主人公、妻に離婚される前までは長年まっとうな警察官だったはず。次第に生活が乱れはじめ、妻の慰謝料や娘の養育費も滞ってくる。そして、競艇で一獲千金を狙うもののサラ金にまで手を出してしまう。やがて雪だるま式に借金がかさみ、その筋の取り立て屋に四六時中追い立てられるハメになる。いわゆるサラ金地獄というもので、悪循環に陥り抜け出せない構図を浮き彫りにしている。《ネタバレ》人間、追い詰められると冷静さを失い、時に狂乱の行動に出るという。が、しかしこの主人公の場合は…。(いや、本人にしてみれば借金取りに追い立てられないだけこれで良かったのかもしれない) 少々粗い展開と編集だが、監督崔洋一に殊勲賞、内田裕也に敢闘賞を差し上げたい、そんな作品です。 【光りやまねこ】さん 8点(2004-09-10 01:16:21) |
4.裕也さんのためにあるような役ですね。ある意味「タクシー・ドライバー」に通ずるところも感じます。TVでは放送できそうにありませんが・・・。横山やすし、アン・ルイスの名演が光る。 【神谷玄次郎】さん 5点(2003-12-23 17:21:41) |
3.今時だと警官がこんな事件起こしてもさして珍しくもなく、それに慣れてしまって、警官だって事件を起こすものと全ての人が思う世の中に変わってしまった。娘役がキョンキョンだった。 【亜流派 十五郎】さん 5点(2003-12-22 23:12:23) |
2.徐々に歯車が狂い、現実感が緩やかに歪んでいく男の翻弄振りは、見事。じ!実話ッスか・・・。世の中の悩めるお父さん。もうどうにも止まらない~(山本リンダ!)な多重債務は、抱えて走れ。でも、真似しちゃ駄目。 【aksweet】さん 8点(2003-12-09 01:21:03) |
1.実際にあった事件をモチーフにした作品ですね。内田裕也が冴えない警官を好演しています。中村れい子、宮下順子、風祭ゆきってだけで、もう嬉しくなります(←何が?(笑)) やっぱり犯罪はいけませんね。映画の中だけで楽しみましょう。 【オオカミ】さん 7点(2003-12-03 16:36:11) |