1.『アリゲーター』の続編、と言っても内容的には全く関係が無く、共通点と言えばせいぜい、「下水道に巨大ワニがいる」という程度ですが、どこの下水道だってワニの一匹や二匹はいるでしょうから、ねえ(?)。
もはや90年代、続編作るのが遅すぎ。何なら、第1作から遡って、70年代には作っとかなきゃいけない。それが動物パニック映画。
まあ、時代なのか、予算の関係なのか、大したパニックは起きない、この第2作ではありますが・・・。
主人公の刑事は、オールバック風の髪型が渋すぎる、あまりヒーロー然としていないオッサン。その妻が、よくわからんがなんかの研究者らしい(笑)。それにしても、アメリカ人はいつになったら実験器具の正しい使い方を覚えるのやら。「映画に出てくるリービッヒ冷却器は必ず間違った使い方をされている説」というのを強く唱えたいです、ハイ。それはともかく、この妻の役を演じているのが、ディー・ウォレス。『E.T.』のおっ母さん、『クジョー』のおっ母さんですね。あと忘れちゃいけない『ハウリング』。ほれみろ、『アリゲーター』1作目の直後あたりが彼女の全盛期だったではないか。
それはともかく、誰も期待していないこの第2作。製作費なんかどこにもありません、と言わんばかりにワニは大して活躍せず、それならそれで、ワニを探しての下水道探検、とか、闇に潜むワニとの攻防戦、とか、なーんかもうちょっと描けなかったものかと。
一番困っちゃうのが、下水道がいつも闇に閉ざされている、いわば「安定の暗さ」であるのに対して、地上シーンは昼だったり夜だったりする訳で、この辺りの時間感覚がよくわからない点。え、いつのまに昼になってたんだ?とか思っちゃう時点で、気が削がれます。。。
しかし、ですね。
CG技術の登場が、動物パニック映画というジャンルをダメにした、とつくづく思う昨今。いやそれ以前からそのジャンルは廃れてたでしょ、というのはわかってるんだけど、それでもやはり、激安CGによって間違った形でジャンルが復活してしまったことを恨めしく思う昨今。こういう「CG前夜」の、ちゃんと生きた本物のワニで撮影してくれているのは、ありがたいもんです。もちろんハリボテのワニも出てきますが、いずれにせよこうやって、ちゃんと質感があり、実在感がある。だもんで、それなりに雰囲気がある。
ところで映画中盤にプロレスのシーンがありますが、レスラーの一人として登場しているのがチャボ・ゲレロ。見事にコーナートップからのムーンサルトアタックを決めてみせます。だからどう、ってことも無いんですけどね。ま、雰囲気が、あります。