7.小学3年生の息子は、太っているという程ではないけれど、お腹がぷっくりと膨れている。さらに小さい頃からの服を気に入って長く着るので、段々とお腹が見えそうになってくる。
「何かに似てるなあ」と、常々感じていたが、彼を小脇に抱えながら観た映画で、「ああ、なんだコレか」と思い至った。「くまのプーさん」だ。
念願のDisney+を契約して、とりあえず何を観ようと、息子と選んで何気なく観始めた。
2011年に製作された「くまのプーさん」は観ていたが、どうやら1977年に製作(実際は1960年代〜70年代に製作された短編映画の総集編的構成)された本作がオリジナルのようだ。自分の記憶の限りでは、描かれるストーリーとエピソードの大筋はほぼ同じだったように思う。
ただ、さすがにクラシカルなアニメーションの風合いが本作には溢れ出ていて、40年前からディズニー映画を観続けて育ってきた世代としては、やはりこちらの方が馴染みやすく、物語の世界観にも没入できたように思える。
ほぼ中毒者のようにはちみつを追い求めるプーの姿は、可愛らしさを少し越えてシュールで愉快だし、彼を取り巻く様々なキャラクターたちも、みんな少しずつズレていて可笑しい。
そして、そのキャラクターたちの世界が、クリストファー・ロビンという一人の少年の“イマジナリー”が生み出したものであるという俯瞰的な視点も、作品上にちゃんと表現されていて、それがこのゆる〜いファンタジー世界に「芯」を持たせているようにも感じる。
ラスト、クリストファー・ロビンが、成長していく自分自身の変化を感じつつ、プーに語りかけるシーンは、とても愛しくもあり、とても切なくもあった。
と、「くまのプーさん」を観て、くどくどと綴ってしまう自分は、いよいよ子どもの無垢な心とは離れてしまったなあと思う。
一方、傍らで観ていた小3の息子は、キャラクターたちの言動に合わせて足をバタつかせたり、フンフンとリズムに乗ったり、挙げ句は途中で「はちみつ食べたい」と言ってキッチンに行ってマヌカハニーを舐めていた。
「ああ、これこそが正しいプーさんの観方だな」と、まるでプーさんそのものの息子に教えられた気分だった。