1.ハリケーンという題名に相応しい風と水(海)の映画。バタンバタン開閉する扉、なびく髪、ひらめく布地、しなる木々、そして審判の時を告げるように鳴り響く教会の鐘…と様々な方法で強風を見事に演出している。そして前半の甘い新婚さんの前では穏やかで優しい表情の海が、後半では一転して荒れ狂い全てを洗い流そうとする凄さ。壁に亀裂を作り浸水してくるところなど怖くてとても良い。目を凝らして見たがおそらくミニチュア部分はホンの一部しかなくCGのないこの時代に水しぶきが掛かりそうなくらい迫力を出したのは本当に素晴らしいと思う。また物語は単純だが人物造型は面白く、特に医者などは後年の「駅馬車」の医者と同一人物と思えるほどで下地となっている。