1.うむ、、、凄い、としか言いようがない。観る前は、スパイク・リー的な感じなのかな?と思っていたのだけれど、観てみたらいきなり主人公の少年時代の童貞喪失シーン(ちなみにDVDでは、そのシーンの少年の全身にボカシが入っている。“アンダーギャランドゥ”や“ポコティーニョ”はOKなのに、ヘンな話だ)で始まる。実は、色々と内容に口を出す組合の目をゴマかすためにポルノ映画仕立てにしたのだそうで、その後もソレ系のシーンが数多く登場するのだけれど、目を引くのは勿論そういうところだけではない。それまでの映画制作の約束事を無視した撮り方(これも後で知ったのだけれど、監督は「白人の美意識から生まれた技法なんて知ったことか!」という気持ちで撮ってたのだそうな)はまるでゴダールのようでもあるのだけれど、観念的というよりは肉体的・本能的で物凄く生々しい(当時まだ無名だったアース・ウィンド・アンド・ファイアーの音楽も、そこに更なるねちっこさを加えている)し、後半の、主人公がボロボロになりながらも荒野を彷徨うシーンはまるでシュトロハイムの「グリード」を彷彿とさせる。何というか、作り手の怒りや悲しみやドロドロの情念が、画面から飛び出して観る側に絡みついてくるような、そんな作品。最後の「警告」も必見。