1.みんなでクヨクヨする映画。貧しい風土をなんとか変えていこう、ってよりは、みんなでクヨクヨしてるんだなあ、という感慨にひたることで満ち足りてしまう国民性。菜の花畑、子守りをしているときの立ち木、など回想シーンが美しいのも邦画の特徴。今しか知らない人は信じられないかもしれないけど、佐久間良子ってすごくかわいかったの、昔。石橋蓮司がセーター着た青年で登場してきたときに、場内にざわめきが起こったことを記憶している。資料によるとこれが石橋の映画デビューらしい。同じ今井監督の「にごりえ」で子役で登場し、やはり場内にざわめきを生じさせたような記憶もうっすらとあるのだが、これはあまり自信がない。