2.本作は青春モノという感じの映画ではないですが、
ロベール・アンリコの「冒険者たち」のようなホロ苦さと、
ジョゼ・ジョバンニの暗黒街の世界観がいい具合に混じり合った作品となっています。
どちらのベルモンドもいい。
音楽も含め、少しコミカルに感じる部分にもベルモンドの飄々とした味が出ています。
フランソワの元レーサーという設定もいかにもベルモンド。
サーキットでそのテクニックを披露するくだりも含めて、新聞記者と心を通わす時間帯も良かったですね。
そしてアンリコ、「冒険者たち」と言えばジョアンナ・シムカス。
あっという間に引退してしまった人なので、彼女の出演作はごくわずかしか見ていませんが、
本作でもその美しさは鮮烈に見る者の印象に残ります。