18.登場人物たちが、ワッセワッセと情報交換をしながら、95分でサスペンスドラマを作り上げましたというような、なんだかメタな感触があり、それが妙な味わいでした。源流なんだけど、むしろ二時間ドラマのパロディを見ているような。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 5点(2024-01-13 15:54:44) |
17.これ以上短い「ゼロの焦点」は作れないんじゃないか、と思うくらいの細密充填構造。折りたためる部分は徹底して折りたたみ、コンパクトに仕上がってます。 ラストは定番中の定番(それともこの作品が元祖なのか?)、断崖絶壁の上。と言いたいところだけど、ラストというより、後半まるまる、といった感じ。これも映画をコンパクトに仕上げる工夫かもしれないけれど、それにしてもこの断崖の、見事な絶景ぶり。ロケーションの素晴らしさでもって、作品の素晴らしさが約束されたようなもんです。 原作は、松本清張の代表作の一つでありながら、社会派の要素が強く、ミステリとして読むと少々物足りない気もするんですけどね。映画はまた違った魅力を付け加えてくれました。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-03-10 23:02:35) (良:1票) |
16.言わずと知れた、松本清張ベストセラー小説の映画化。 原作自体の出来がいいこともあるんだけど、シナリオもうまくまとめたなぁという印象。 ただし上映時間が短い分、登場人物たちの人間関係における心理描写などは、やはり薄いというか物足りないです。 一応ラストは盛りあがりの見せ場を用意したものの、逆にそこだけが浮いてしまって、結局芥川也寸志の音楽が一番ドラマチックだったという皮肉な結果に。 それでも推理要素が多分に織り込まれていて、普通に満足できるサスペンス作品ではあるかと。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-06-23 13:51:42) |
15.この内容で95分は凄いなとは思うんだけどナレーションで手早く説明することで達成できた数字なので手放しで褒めるわけにはいかない。とは言うものの原作ありの邦画サスペンスは大抵ナレーション過多が当たり前で、よほど原作に縛られない自由な環境を与えないかぎりはしょうがないのかなとも思う。列車、音楽、愛情のもつれ、崖で顚末がわかる、と完璧に後の火曜サスペンスあたりに受け継がれた鉄板アイテムを堪能してください。ロケーションも時代を反映していて楽しめます。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-11-09 15:33:47) |
14.犬童監督の「ゼロの焦点」を先に観て、ストーリーを知っていた為、映画への集中力が続かず、作品にのめりこめなかったです。謎解きの部分が説明っぽくて、個人的には犬童作品の方が映画的に良く整理できていたんじゃないかと思ったのですが・・・白黒は苦手だ。ただ野村芳太郎作品のこちらの方が登場人物(特に犯人)が「モンスター」ではなかったですね。ドラマチックではないですけど、その点は良い意味で評価できるんじゃないかと思います。白黒に慣れてる人だったら、自分にもありうる展開と思えて、感情移入できたんじゃないか?と思うのです。 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2010-11-10 22:34:24) |
13.原作既読ですが結婚一週間で失踪した事しか覚えていません。画面から漂う陰鬱な空気が作品を盛り上げてゆくはずが、誰にも惹き込まれず、謎解きの妙も薄く、崖上のドラマも盛り上がらず。いまいちな作品でした。 |
12.白黒だけど綺麗でした。青酸カリって、こわ!!!! 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-10-24 20:45:10) |
11.野村芳太郎監督、橋本忍と山田洋次という脚本、どうしても期待してしまう。相変わらず美しい映像美、今作は白黒であるが、それがまた良い雰囲気を創り出している。ミステリーというよりは女と女と女、三人の女のそれぞれの悩みのようなものを描いた人間ドラマとして見た方が良いと思う。三人の女優それぞれが良い演技、雰囲気を醸し出してはいるものの、全体的に物足りなさが残る。映画としてのカタルシスという意味で何か物足りない。作品の雰囲気は好きなだけにちょっと残念でもある。けして、つまらなくはないので6点ぐらいはあげても良い。それでもこの監督の他の傑作に比べるとインパクトにも欠ける。それにしてもこの作品の影響はかなりあるのではないかと思う。実際にあの海に飛び込み自殺する者が何人もいたらしいけど、そういう意味において何とも罪深い映画でもある。そんな気がしてならない。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-11-02 21:35:58) |
10.内容はまったく別であるが、黒沢監督の天国と地獄の緊迫感に似ていた。 黒沢組の脚本を書いていた橋本忍氏が脚本を担当しているからだろうか。 【孤島の鬼】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-09-17 02:01:32) |
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9.北の薄暗い寒空の下、冷たく暗い海のように、深い感情が沈み込む。 松本清張原作の「ゼロの焦点」は、思わずそんな文体を言い回したくなるような、文学の味わいが色濃く反映された奥深いサスペンス映画だった。 結婚後わずか一週間での夫の失踪。新妻にとってまったく訳が分からない状態から深まる謎と、徐々に明らかになる夫の実像。 巧いと思うのは、主人公である“妻”とミステリーの核心である“夫”の絶妙な関係性だ。 失踪した夫のことを心底心配はする妻だが、それと同時に実のところ夫のことを何も知らないという実情。だからこそ混沌としていく謎に対する感情。 その微妙な心理の妙は、まさに文体で創り込まれたものだということを感じさせる。 そして、その妻の心理の上に、さらに二人の女の感情が積もる雪のように折り重なっていく。 ミステリーに対する解放感と同時に見えてくる女たちの儚く切ない運命模様は、映し出される冷たい空気感以上に、凍てつくような情感に溢れている。 数奇な運命に翻弄された3人の女たち。それぞれに不幸があり、それぞれに救いもあった。それは、人生というものは決して比べられるものではないということを、物語っているようにも思う。 何にしても、“崖先ので真相解明”。もはやミステリーの常套手段でもあるクライマックス、その「原点」を見た気がする。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2007-08-12 03:40:34) |
8.2時間サスペンスの原点となる映画なのでしょうか。満足度も良く出来た2時間ドラマを観たなって感じのものでした。サスペンスはモノクロのほうが重厚感が出て迫力がでますね。 【ぽじっこ】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-07-18 13:54:38) |
7.最後の海辺の断崖でのたね明かし、犯人の自殺、各地名所案内など、テレビの土曜ワイド劇場、サスペンス劇場そのものだし、、、、、冬の日本海、能登、芥川也寸志の音楽といえば、「砂の器」そのものだし、何かマンネリというか、、、、あれっ、まてよ、、、、この作品は1961年で、その頃は、まだワイド劇場はないし、「砂の器」はこのあと10年以上あとの作品だし、、、、、、ということは何かい、この作品が、その後のサスペンス劇場、ワイド劇場、船越英一郎ものの、原型を作り上げたというわけか、、、、、。ということはさておいて、、、、さらに、犯人と動機などは予想しやすいし、どうして久我美子は夫の二重性に気づくかがわかりにくいし、久我の謎解きと高千穂の説明の違いは「羅生門」的だし、、、、ということもさておいて、、、、見終えて、野村芳太郎、松本清張、横溝正史etcなどの、日本的な情念の世界というか、日本的な世界で生きてゆくことの闇というか、、、、、非常に重く、心にのしかかってきます。ちょっとした瞬間の心の闇が滅茶苦茶に甚大な不幸をもたらし、それに押しつぶされてゆくことも。映像としては、最後に加藤嘉さんが自動車に乗った高千穂を追いかけるシーンが、キャメラの位置取りとかいいですね。、、、、それと昭和30年代の東京の風景、裏日本の風景、人々の様子がよく映し出されています。、、、、、、とにかく、何というか、重たい映画でした。 【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-04-06 00:11:04) (良:1票) |
6.狂言まわし的な役どころの久我美子より、この映画では有馬稲子と高千穂ひづるの方が 光ってました。謎解きより、運命に翻弄された哀しい女性の運命を見据えた佳作。松本清張原作だからといって推理小説的な興味で観ると肩透かしを喰うかも。 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-05 13:46:49) |
5.内容云々よりも当時の風景や風俗、その時代に見せられてしまいました。 【omut】さん 5点(2003-08-12 03:04:52) |
4.有馬稲子が、駄々をこねて主役から脇役に回った映画。台本を読んで、是非にということで久我美子が主役になったもの。このいきさつを知ってから見直してみると、違った見方ができるのではないか。 【ジブラルタの星】さん 5点(2003-02-23 02:23:41) |
3. 映画版『ゼロの焦点』は最後にスター有馬稲子のためのストーリーを付け加えたために、話の焦点がぼやけてしまった。◆殺人とその謎解きのストーリーは、久我美子と高千穂ひづるが崖の上で話し合う場面で終わっている。◆夫の失踪と謎の自殺。実は、夫には女(有馬稲子)がいてその関係の精算のために考え出した狂言自殺が、自分の過去を知られた高千穂ひづるによって殺人に利用された。そのことが明らかになったことで充分だった。◆ところが、過去の女の話になって、あのきれいなきれいな有馬稲子の顔がスクリーンを占領し始めると、映画自体の興味は間延びしてしまった。そして、それまでの恐い恐い映画が、切れ長の大きな目をした有馬稲子の可愛い笑顔によって可愛い女の映画に変わってしまった。◆結局、最後に一番強く残った印象は有馬稲子がいい女だということで終わった映画だ。いや、有馬稲子は実に美しい女優だ。 |
【知事】さん 10点(2001-06-16 09:17:01) |
1.ストーリーはつまらなくは無い。それは松本清張の有名作だから当たり前か。でも小説と言うイメージが強すぎるので、原作ありきの映画だと思ってしまう。 【出木松博士】さん 5点(2001-01-29 22:46:15) |