1.喜劇なのか悲劇なのかよくわからなかったけど、セリフがいちいち面白いので笑いっ放しでした。
とりあえずこれが実話というのが驚きで、多少の脚色はあるとは思うものの、正に波乱万丈の人生ですね。
冷静になって考えてみるとかなり深刻な話で、オリンピックの銅メダルとか、晩年の成功とか、幸せな部分はほんのちょっとだけで、9割が不幸自慢です。
それでも、登場人物のキャラクターのお陰で、そんな不幸ですら笑い飛ばしてしまうという勢いが凄い。
飛び降り自殺のエピソードですら笑えて仕方がなかったです。
まあ、その辺りは山崎邦正の魅力とでも言いましょうか、配役がぴったりだったのかも知れませんけどね。
成長した治子役に今時の人気女優じゃなくて宝生舞を起用するというのもなんだか奥ゆかしいと言うか、そんなに美人じゃないだろうという反感を買う一歩手前の微妙なラインを押さえていますね。
まあ、本人がどんな人なのか見たことはありませんが・・・。
主人公・森岡栄治の人物像に関しても、必要以上に美化せず駄目な部分を正直に描いているのが逆に好感を与えていたように思います。
駄目な父親だけど、やっぱり嫌いになれないという娘心がよく描かれていて感動的ですらありました。
そんな感動エピソードにこっちはもう泣く準備ができているのに、それでも笑いを挟み込んでくるというのは大阪人の宿命なんでしょうかね。
泣いて、笑って、また泣いて、僕の涙腺も結構大変でした。
それにしても、株券を偽造されたのにスポンサーになってくれた涼セラさんの懐の深さには感服しました。