17.もう10年も前の映画になるんですね。初めて観たのは、劇場公開から数年遅れてDVDでの鑑賞。
今回、多くの方が亡くなられた京アニの放火事件を機にレンタルで再鑑賞。
全く酷い事件です。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
で、『涼宮ハルヒシリーズ』ですが、正直なところ原作は未読だし、TVのアニメシリーズもそれほど面白いとは思えなかったんだけれど、
まあ母校が舞台と言うことで全て見るには見ました。
ぶっちゃけて言うと、涼宮ハルヒというキャラにあまり魅力を感じない私には、むしろ映画の方が面白く観られました。
ハルヒが脇に回り、キョンをメインとした、けっこう骨太な時空SF。
しかもTVシリーズで張り巡らせた伏線を上手く回収していく、なかなかに練られた脚本。
まあ、『涼宮ハルヒ』シリーズ自体が、キョン目線、キョンの立場で語られる話ですから、キョンが主人公と言ってもイイんでしょう。
ハルヒは、メインヒロインでありながら、その並外れた発想力と行動力で事件を巻き起こしていく、いわば狂言回し的な役割。
そういう意味では、至極真っ当な作りでもあります。
シリーズを通じて、背景に描かれる風景も良く出来ていて、「ああ、あそこら辺だな~」と今は遠く離れてしまった故郷を懐かしく観られました。この辺でも京アニ作品の作りの良さに感心。
まあ、校舎は阪神淡路大震災以降、避難用(?)の外階段が付けられるなど大きく手が入ってしまったので、
自分が通っていた頃とは結構変わっちゃってるんですが……。
まあ、そんなことはともかく。
この映画一本を、独立した一つの作品として見た場合は、けっこう難アリですが、
まあアニメシリーズの完結編と考えれば、そこそこに良く出来たお話ではないでしょうか。