ある戦慄のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ある戦慄

[アルセンリツ]
The Incident
1967年上映時間:103分
平均点:7.44 / 10(Review 16人) (点数分布表示)
公開開始日(1968-05-25)
ドラマサスペンスモノクロ映画犯罪もの
新規登録(2012-04-22)【M・R・サイケデリコン】さん
タイトル情報更新(2021-03-22)【Olias】さん
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監督ラリー・ピアース
キャストトニー・ムサンテ(男優)ジョー・フェローレ
マーティン・シーン(男優)アーティ・コナーズ
ボー・ブリッジス(男優)フェリックス・テフリンジャー
セルマ・リッター(女優)バーサ・ベッカーマン
ルビー・ディー(女優)ジョーン・ロビンソン
ドナ・ミルズ(女優)アリス・キーナン
ジャック・ギルフォード(男優)サム・ベッカーマン
マイク・ケリン(男優)ハリー・パーヴィス
ジャン・スターリング(女優)ミュリエル・パーヴィス
ゲイリー・メリル(男優)ダグラス・マッカーン
音楽チャールズ・フォックス
撮影ジェラルド・ハーシュフェルド
ディック・クラティナ(カメラ・オペレーター)
配給20世紀フォックス
美術ジョセフ・M・カラッシオロ(小道具)
ロバート・ドラムヘラー(セット装飾)
その他チャールズ・フォックス(指揮)
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1
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4.自分ならあの場面でどうするだろうと想像させてくれる映画です。不良二人に脅されているときも、彼らがのされた後も
全く協力しようとしない乗客たちの姿が印象的でした。
次郎丸三郎さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-05 23:22:50)
3.描かれていること自体は、「チンピラが電車内で暴れる」だが、その背景には興味深い主張が感じられる。

登場人物それぞれに象徴された“人間の種類”。

日頃、大きな口を叩いているくせに、いざとなったら何もしない人間。
日頃、強がりを言ってるくせに、いざとなったら何もできない人間。
老人や女性は、日頃好き放題言っているが、危機的状況では結局、無力で役に立たない。
恋愛男女も、イチャイチャするだけが能で、危機的状況では役に立たない。
元々、役に立たなそうな人間は、やっぱり危機的状況でも役に立たない。
日頃、大きな口は叩かず、温和で控え目そうに見える人間が、実は危機的状況を打開する。

、、といった具合に、様々な人間が危機的状況で、どんな立ち振る舞いをするか?が、とても興味深く描かれている。
こういう視点で観ると、とても面白いし、ただ単にチンピラが暴れまわるだけの映画ではない。

自分は、この映画の登場人物の中で、誰に一番近いか?
それも考えさせられる。

バイオレンス映画ではなく社会派映画。
パニック映画ではなく、人間観察映画。
人種差別・女性差別映画ではなく、超現実的映画。
にじばぶさん [DVD(字幕)] 8点(2015-03-15 01:39:30)
2.夜の街を疾走する列車に被るロック風オープニング曲が非常にクールだ。

生々しいモノクロ・ロケ撮影による夜の都会の濡れた街路や、神経症的キャラクター群、そしてその濃い影が印象的なノワールスタイルを特徴とする前半部。

これから乗り合わせることになる登場人物たちの個性が列車の進行とカットバックされつつ簡潔明瞭に描写分けされていく。

そして密室劇となる後半部でもまた車両内の計18人それぞれを過不足なくドラマに関与させ、二部構成でサスペンスを醸成していく手捌きが巧みだ。

列車内はアメリカ社会の縮図と化し、その舞台劇的設定の中に人種差別・所得格差・同性愛・都市犯罪等々の社会問題を浮かび上がらせていくが、それはあくまでショットの力強さによる。

俳優の顔面と直近で正対するカメラの圧迫感が秀逸だ。
その時、視線を返されているのは観客自身である。

同性愛描写に関するコード改定が61年。
黒人問題を描いたラリー・ピアースの前作『わかれ道』が64年。
そして66年の新コード採用によって、アメリカの内包する苦悩が赤裸々に曝け出されている。
ユーカラさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-15 22:48:19)
1.日曜深夜の都会の地下鉄、自身の人生に対して様々な不満や不安や葛藤を抱えた人々が偶然に乗り合わせる。それはどこにでもある日常の風景だろう。
そこに、単純な「粗暴」という言葉ではおさまらない、気が違っているとしか言いようがないチンピラ二人組が乗り込んできて、乗客たちそれぞれに傍若無人な行為を繰り返していく。
その行為は、「暴力」という範疇までには及ばないけれど、あまりに悪辣で乗客たちを精神的に追い込む。

最初のうちはチンピラたちの蛮行そのものに対して憤りを感じ、気分が悪くなる。しかし、次第に気分の悪さの対象が遷移し始める。
チンピラたちの行為に被害を被る乗客たちの生々しい人間性が露になってきて、気を滅入らせてくる。

この映画は1960年代のニューヨークを舞台にしているが、この地下鉄の一車両で描かれているものは、どの時代のどの国のどの街でも存在し得るであろう人間同士の歪みである。
その場に居合わせているのがごく普通の人間だからこそ、少しずつ表面化していく“戦慄”があまりにおぞましい。

「どこにいたんだ?」
退役後の大層な野心を述べていたにも関わらず、地下鉄車内に突如発生した「出来事(incident)」に対して結局何もしなかった同僚に対して、チンピラに唯一立ち向かった田舎者の軍人が、虫の息でぽつりと言う。

他の乗客たちは、すべてが解決した後も死人のように呆然と押し黙ったまま、とぼとぼと地下鉄を降りていく。
“戦慄”とは、突然現れた悪魔のようなチンピラたちなどではなく、彼らによって浮かび上がらされたすべての人間に巣食う屈折した心理そのものであること知らしめ、彼らと同様に自分自身があの車両に同席していたならと考えると、絶妙な後味の悪さに襲われる。

とても胸糞が悪くなる映画だった。その胸糞の悪さは、そのまま自分を含めこの映画を観ているすべての人間たちが内包している要素であり、そのことが殊更に胸糞悪さを助長する。
観ているままに居心地の悪さを終始感じ続けなければならない映画だが、それは人間の“澱み”や“歪み”を如実に表している証明であろう。故に傑作であることは間違いない。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-13 01:05:01)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 16人
平均点数 7.44点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
416.25%
500.00%
600.00%
7743.75%
8637.50%
9212.50%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review2人
2 ストーリー評価 8.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 6.50点 Review2人
4 音楽評価 7.00点 Review2人
5 感泣評価 9.00点 Review1人
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