4.ずっと気になっていたのに機会がなく、やっと観ることができました。
全体を通して小道具や衣装・ロケーションなどにも凝っていて、絵的に美しく好みです。
が、ストーリー特にラドクリフ演じるアーサーやデイリーの行動が、終盤に向けてなんだか唐突に感じました。
このモヤモヤ感はおそらく、アーサーの心情があまり深く描かれていないのが原因ではないかと思います。
亡き妻に対しての愛情の深さとか、仕事に行き詰っている苦しい現状に対しての自分の思いとか、我が子に対して本当はもっとこうしてあげたいとか。
ホラーだから?主要登場人物全員があまりはっきりと物を言いません。
わざとらしい説明を避けたかったのかもしれませんが、ちょっと人物描写が浅かったなと思います。
なので観ている側は結末に関してもアーサーに対しての感情が湧きにくく、引いた目線で「え、そうなっちゃうの??」となってしまう。
せっかく丁寧に作っているのにもったいなかったです。
テンポは、最初の館内などは「そろそろ来るぞ」という感じでドッキリポイントが予想できてしまい、ちょっと単調でした。
また館の同じアングルのカットが不必要に多く感じて、それも単調さを増していたと思います。
いろいろな点で惜しい作品。