1.絵はがきのような映像の連続に、監督の映像へのこだわりが感じられました。
全体に重くのしかかるどんよりとした雰囲気と長い冬のような映像や音楽に、物悲しく生きるヴァンパイアは上手く映えていたように思います。
登場人物みんなそれぞれ性格に物凄いクセがあって、それがヴァンパイアの異常な生き方さえも、まるで普通の男の一個性に思わせるような効果になっていて、人殺しである主人公に、妙ないとおしさを感じました。
ただ、見ごたえはあるものの、少し冗長に感じてしまいました。
リリィシュシュや花とアリスみたいなさりげない映像美ではなく、監督の主張やこだわりの強さに、少し疲れました。
力を抜いて見られるシーンがもっとあってもいいんじゃないかと思いました。