4.出会った人間を次々と殺していく魔性の女を演じる。イザベル・アジャーニの静かなる、そして美しき怪演。
そんな彼女の美しき七変化に目を奪われる2時間です。それは見る者だけでなく、彼女を追う1人のくたびれた中年の探偵も。
依頼人もボスの指示ももはや関係ない。自分の娘とこの女を重ね合わせるように彼女にのめりこんでいってしまう。
全編を通して聞こえてくるこの男の回想のような心の声、そのフランス語の響き、テンションを抑えた品を感じさせる語り口。
これぞフランス製サスペンスという雰囲気をたたえた作品です。