14.「人生こんなハズじゃなかった」「人生どこで間違えたんだろう」というのは中高年になれば多くの人間が考える事ではあろうがその心情への掘り下げが弱い。監督自身はきっと理想的な人生を送っているので、脚本に盛り込めなかったのだろうか。結果、是枝にしてはホノボノというか毒がない作品になってしまったような。阿部寛の演技もややコミカルでシリアスさに欠け、人生に苦悩しているようにも見えないので少々ミスキャストな感じはする。ラストで台風に「依存」するのも安直かな。郊外の団地暮らしの盛衰(高齢化した現状や賃貸と分譲の格差等々)はよく描けていたとは思う。どうやら舞台となった清瀬の団地は是枝が住んでいた団地らしいので実体験に基づく土地勘等々があったのだろうが。 |
13.歩き方まで研究しているのでしょうね、もとモデルと思えないたらたらの歩き方がいい。 「歩いても、歩いても」と同じ役名「良多」で出演する阿部寛さん、樹木希林さんとの掛け合いが絶妙ですばらしいです。 親戚か近所さんになったかのような感覚でこの家族を追いたくなる。 家族のかたちは色々あれど、幸せになってほしい。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-13 08:21:33) |
12.部分部分で印象的なところもあるけど、全体的なトーンがちょっとゆるい。 他の監督の作品なら、「あーそんな感じなのね」で終わると思うけど、是枝監督にはもっと深いテーマの作品を期待してしまう。 【くろゆり】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-01-12 08:59:19) |
11.市井の人のありふれた日常生活の一部を切り取りましたという感じ。ドラマチックな展開は何もなく、そのへんの家庭にカメラを据えたらこういう映像が撮れるだろうと思わせるほどリアル。それがかえってあざとい感じもしますが。 老いた親とか離婚とか子どもの養育とか、あるいは不安定かつ低収入な職業による生活苦とか、誰もが直面するかもしれない、しかも事態は悪くなる一方の問題を俎上に乗せているわけですが、危なっかしさを漂わせつつ暗くならないところがいい。「こういうもんだよね」と達観しながら見るのが正解かもしれません。 まったく余談ながら、何も気にせずに電車やバスに乗り、喫茶店で人と「密接」し、人が「密集」する競艇場で騒ぎ、台風によって「密閉」された狭い団地で語らう等々のシーンは、たいへんうらやましく見えます。こんな「ありふれた日常生活」が早く戻ってくればいいなと。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-02 04:09:44) |
10.主人公はダメな男でたいした成長もなく、大きな出来事も起こらない。けどセリフの一つひとつがかなり良かった。台風の夜の元夫婦、老いた母と息子、義母と嫁の会話が素晴らしかった。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-02-23 19:35:58) |
9.とりあえずは「やっぱり男ってダメだねえ」というオハナシで、爺ちゃんもダメで親父も見ての通りダメダメなので、たぶん息子もダメになっちゃうんだろう、と、そこまで悲観的になるかどうかはともかくとして。 しかし本作がそういうアリガチな型にはまった作品に収まらないのは、一つには、「団地」を舞台としている点にあるんでしょう。なんとも中途半端な、しかし懐かしさを伴う、この雰囲気。 とは言え、別に私自身は団地に住んでた訳じゃなくって、もっとゴミゴミしたところに住んでたんですが・・・かつて高度経済成長ってのがあって、その後社会にいろいろと歪みも出てきて。最近、子供と話している時に、「昔はその辺の川もドロドロに汚れてたけど、随分キレイになったね」なんて事を言ってる自分に驚くことがある。あれ、我々が子どもの頃、大人から聞かされる話ってのは「この川も昔は綺麗で泳げたんだけどね」ってな話だったのに、これじゃ真逆やんか。「昔は綺麗だった」と懐かしむかのように、「昔はキタナかった」なんてことを若干の郷愁を込めて語っている自分。 団地というところも、かつてはそれなりに近代的で、それなりに自然ではない環境で、でもそこに生まれ育った人々にとっては懐かしい場所なんだなあ。そこにある草木も多かれ少なかれ人工的に配置されたものだけど、そこに懐かしさが込められた時にある種の美が宿り、映画もその美を控えめに掬い取ろうとする。 で、人工的な街、古びつつある街だけど、台風の最中に公園の遊具に潜り込む、ちょっとしたファンタジーがあったり。 最初から最後まで主人公に成長もみられないし、成長云々という年齢でもないんだろうけれど、肯定感がそっと舞い降りたようなラストが、いいですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2019-01-06 16:42:21) |
8.子供がいて、それでも夫婦が別れて、そういった状況のありえる風景。 幸せでも不幸でもなく、いやちょっと不幸だけど夢を持っている、ということか。 宝くじは300円で「夢」を買っている、という表現があった。これがこの世界の真実かも。つまりはその夢無しでは生きにくい。でも未来はその延長線上には無いかもしれない。 【simple】さん [インターネット(邦画)] 6点(2018-10-27 20:05:18) |
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7.「そして父になる」ほどのインパクトはありませんが、手堅くまとまってると思います。 小林聡美は好きで真木よう子は苦手なのですが、この映画では特に両者とも印象が強くはなかったですね。 樹木希林と阿部寛は良かったと思います。特に阿部寛は見果てぬ夢を追い求める中年男のグダグダ感がよく出ていたと思います。 【クリプトポネ】さん [映画館(邦画)] 5点(2017-08-07 22:12:24) |
6.あまり期待せず、ボーっと見てるのにいい映画。エキサイティングなシーンはありません。でもこの監督の作品はもうこれ以上は見ないかな。 【紫電】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-05-11 22:05:00) |
5.機内にて鑑賞。リアルな描写が多いけど人間の本性はオブラートに包んでしまっているような優しい映画。身近にある日常だけど現実は醜くさも愛おしさももっと人間臭いかな。 【ProPace】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2017-02-23 20:27:31) |
4.不器用でクズで結婚に向いてない男を演じさせたら右に出る者の居ない?阿部寛がとにかくハマり役で良かった。 馬鹿だなぁと思いつつも、何処か共感できるし憎めない男だ。また、全てを達観して息子に人生論を諭す樹木希林演じる母親がとにかく凄い存在感だった。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-11-28 21:50:44) |
3.ダメ男というより、ただのクズではないか。そのクズのグダグダをダラダラと見せられるだけで、盛り上がりもなく、ましてや感動なんかありはしない。これでは映画として成り立っていないんじゃないか。是枝さんは何か勘違いしてる。 【駆けてゆく雲】さん [映画館(邦画)] 2点(2016-07-02 19:02:30) |
2.観終わったあと、少しだけ元気が出た。 僕は23歳の大学生。4年間大学に通ったけど、友達はあまりできず、サークルにも入らず、勉強も適当にやり過ごしてきた。周りの人たちの真似をしながら続けたしょぼい就職活動の末、なんとかとある会社から内定を頂いたものの、なんか自分の人生が気に食わなくて、卒論を書かずに留年し、現在休学中。絶賛親の脛齧り中のダメ人間だ。 そんな自分に、この映画は「ダメでも生きていて良いんだよ」と優しく微笑みかけてくれたような気がした。とりあえずは生きてれば良いんだよ、と。今の自分のために作られたんじゃないかと思うくらいバッチリとハマった。 映画の中で、ダメダメな阿部寛を樹木希林が温かい心で包み込むというような親子関係が描かれているが、ちょうどこの映画そのものが樹木希林で、観ている僕が阿部寛になっている感じだった。不思議な感じだった。でも、そんな感じを味わったのは僕だけじゃないと思う。僕以外にもダメ人間はいっぱいいるはずだ。いっぱいいてほしい。そして、その全員がこれからちょっとずつ幸せになってほしい。なんとなく僕も頑張ろうと思った。 【Y-300】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-06-16 00:14:50) (良:2票) |
1.いつものクオリティを期待して早速見に行ったけど、 奇跡、そして父になる、海街〜の完成度と比べると一段階落ちる出来栄え。 いつもはっとする映像の美しさに出会うのに、今回はそれが見られなかったのが残念だった。 とは言っても、じっくり映画の世界を堪能させてはくれるところはさすが是枝さん。 【aimihcimuim】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-05-22 23:42:29) (良:1票) |