7.静かで、美しくて、心に響く作品。
逆に言えば、動きがほぼ無く、抑揚も無く、展開の移り変わりもキャラクターの言葉すら少ない落ち着いた作品。
映像の美しさは折り紙付き。
アニメ本編を視聴後に観賞したが、本編は多くのキャラクターに焦点を当て、心理描写が非常に深く細かく、展開もテンポよく移り変わる群像劇的な様相を呈していたところ、本作はその逆で、スポットが当たる登場人物は主人公2人が大部分でそれに加え周囲のキャラクター数名のみ、台詞も多くなく、美しい映像の描写に尺が割かれ、しっとりとした空気感が終始流れ続ける。
心理描写に力が入れられているところは本編さながらでその点は安心。
本編とは違う本作特有の静かな空気感に入り込めるか否かで評価が大きく分かれそうな作品と感じた。
イメージとしては深夜の静かな環境で心の尖りがない穏やかな気持ちの状態で温かい飲み物でも片手にゆったりと視聴すると刺さる、そんな作品と感じた。