2.社会の高齢化と、特殊詐欺など高齢者の財産を狙う新手の犯罪が横行する現代。
これは映画の中の出来事だから、だとは思っていられない問題提起も含んだ内容でした。
ここまで胸糞が悪い、善人がいない、共感できる人間が1人もいない映画を久々に見た気がしますが、
サスペンスとしての出来は秀逸。キャスト良し、展開もテンポが良く映画としてもなかなか見応えがあり面白かった。
ロザムンド・パイクが見事な新感覚の悪女っぷり。敵対するマフィアの大物役のピーター・ディンクレイジもまた、
こういう得体の知れない役を演じると、相変わらず何とも言えない独特の味わいを出す人です。
ディンクレイジ演じるマフィアの大物には、側近や大事な命令を下す部下には、
もっと強くてしっかりした人間を置きましょうと言ってあげたくなるようなツッコミ所はありますけどね。
あの悪人のまま大成功を収めたところで終わりかと思いきや、
その存在すら全く忘れていた序盤の登場人物を巧く再登場させてのラストまで面白い作品でした。