6.お化け映画でお化けを見せない演出に監督のこだわりが見えるところで、館の外観がモノクロ映像効果でお化け映画の雰囲気を感じさせます。好感はそれだけ。脚本・演技とも一本調子で退屈な上に心の内をペラペラ喋りまくるジュリー・ハリスの鬱陶しさに辟易。結末にも「あ、そうですか」ENDマークに「終了、解散」あっという間に忘れてしまうであろう作品。 |
5.なんだか、梅図かずおの「怪」とか「おろち」の一挿話に出てきそうなお話ですね。ミア・ファローの年の離れた従姉妹みたいな腺病質女優、ジュリー・ハリスの物の怪に怯える恐怖顔面演技が一番の見所。えらく評判の悪いリメイク版は未見。 |
4.みなさんの仰るようにカメラワーク、映像、音、俳優陣の演技だけで背筋がゾクゾクするほどコワがらせてくれる力量ある演出は、さすが名匠ロバート・ワイズ。幽霊を見せるか見せないかギリギリのところまで引っぱる、人間の内面から揺さぶる恐怖の醍醐味。この、ワイズ監督の格調高い雰囲気とゾクゾク感、そして演出の妙が充分に味わえる。この映画ではカメラワークと音(とくに効果音)の使い方が巧みなのはいうまでもありませんが、モノクロ映像ならではの、陰と闇の抜群の効果が存分にイマジネーションを働かせてくれた。このように、モノクロ映像が放つ魅力を再認識させてくれる、代表的な作品ではないだろうか。ところで本作は、視点を変えて見るならば孤独な女性の悲しい物語とも言えると思います。女性としての大切な時期を母親の看病にすべてを捧げたあげく、唯一の遺産である家屋を姉夫婦(たしか記憶では)に奪われてしまう。帰る家もなければたよれる人もいない。前途に希望を見出せず精神的に不安定になっているところ、引き寄せられるように巡り合えたのがこのヒルハウス。ただ怖がらせるだけではなく、悲しいドラマという側面をもたせ印象度を高める辺りは、やはりロバート・ワイズらしい。たしかに小品ですが、恐怖映画の傑作と言い切ってよいと思いますね、本作は。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-09-14 15:39:27) |
3.ゴシックホラーの古典ですが幽霊の存在をカメラワークと音響だけで表現しきったところが凄い。ホラーに下手なCGはいらないと言う事をモロに物語ってます。特に後半に歪んだ映像や音響などで表現された幽霊は見えないからといって存在しないわけではない、といわんばかりに物凄い存在感があリます。古典ホラーの名作。 |
【ボバン】さん 8点(2003-12-27 12:40:06) |
1. 1999年にヤン・デ・ボンが「ホーンティング」のタイトルでリメイクし、各方面から失笑を買ったコトでグッと株が上がった感のあるオリジナルが本作。トビー・フーパーの「ポルターガイスト」といい「ホーンティング」といい、ド派手なSFXオンパレード!で吃驚させる積もりが完全に裏目に出た形の典型と言える。矢張り”ホラー”にCGやSFXを(過度に)駆使してはイカン!という神の声を聞いた気がするのは私だけではあるまい。本作の如き”見えざる恐怖”の方が観る者の想像力を遙かに刺激して効果的というコトであろう。尤も観る者の感性・想像力には相当に幅があるので受け取り方は様々だろうがw。あと、モノクロームってのも可成りポイント高いと思うナ。特にこういう古い洋館を舞台とする正統なホラーであれば尚更。ジュリー・ハリスとクレア・ブルームのスクリーミング対決はラストでジュリーが”うっちゃり”をかまして勝利!そんなジュリーに…7点。ラス・タンブリンとリチャード・ジョンソンが余りに木偶の坊なので3点マイナスw。ロバート・ワイズは「深く静かに潜航せよ」とか「ヒンデンブルグ」とか本作とか「スタートレック」とか撮っているから、個人的にどうも巨匠と呼ぶのが躊躇われる評価の難しい監督だナァ…。ムラっ気があるってヤツ?まぁ好きではあるんだがw。 【へちょちょ】さん 7点(2003-09-12 04:38:00) |