89.※最高の役者なので呼び捨てにさせてください。
いやー…随分と評価が遅れてしまった…。
んまぁ、遅れた理由ってのは…ちょい体調が悪かったってのと…アレ。
実は…この方を、あまり知らなかった。
――石浜朗。
調べてみると、いぶし銀の如き役者だった。
日本の映画やドラマを盛り立ててくれた(文字通り)立役者的だ。
けど、俺の学習能力の低さのせいで、あまり詳しくなかった。
本当に申し訳なかったです!
なので、今回は所持していた「切腹(1962)」を初観。
いや、相当にカメラアングルっていうか…フレームレイアウトが素晴らしい映画。
黒澤明による数々の過去作もそうだったけど…ある意味で名作コミック並みにカッコいいアングルばっかで(当時を知らない俺は)ただ、ただ驚嘆した。
いや、コレって凄い事なんだよな、マジで。
この作品、メガホンを取ったのは「小林正樹」監督。
作品を観るのは…脚本を担当した「どら平太(2000)」以来かな…?
あ、あと「東京裁判(1983)」も、いつか観たいなーと思ってた監督だ。
んで、キャストはまた素晴らしい。
まず、かの「仲代達矢」が主役を張ってる。
いや、語り口調も流石の素晴らし過ぎて「宇宙戦艦ヤマト」の冒頭ナレーションを思い出すわ。
あとは「三国連太郎」と「岩下志麻」(いや、若すぎて最初は気づかんかったんだけどマジ美人やね)も出てた。
あと、好敵手の侍が「丹波哲郎」だったのも見逃せない。
この人、007の時も思ったけど…海外スターのようなオーラがあるな、マジで。
そして、今回素晴らしい演技を見せてくれた「石浜朗」が千々岩求女を演じていた。
武士としての誇りを他者に湾曲されながらも、家族を守ろうと奔走する…その不器用な姿が、ただ涙を誘う。
ともあれ、話の筋は…すっごく簡単だ。
武士は、一人の人間として何を守るのか?
名家を守るために犠牲にするものは何か?
そして「誇りある死」とは、一体どこにあるのか?
もし興味があれば、ぜひ観て欲しい。
そして、石浜朗のいぶし銀の演技を感じて欲しい。
――本物を!
本物ってのは、時代が護り続ける。
そして本物は…いつまでも本物だ。
――そう、永遠に。